ACCESS、IoTデバイスネットワークにSDN技術を適用したIoT向けネットワーク仮想化ソリューションを、京都大学と共同開発

株式会社ACCESSは、京都大学原田研究室と共同で、京都大学原田研究室のWi-SUN(※1)研究における知見と、ACCESSのIoT技術とSDN(※2)ネットワーク仮想化技術を持ち寄り、「SDNを用いたWi-SUN機能搭載のIoT通信ネットワークの仮想化ソリューション」を、開発したことを発表した。

 

開発背景

あらゆるモノがインターネットに繋がり相互通信することにより、自動制御・検針といった従来にないサービスが可能になる、IoT。IoT市場は世界的に拡大しており、国内におけるIoTデバイスの稼働台数は2019年には9億5600万台に達すると見込まれている(※3)。これに伴い、IoTデバイスを利用したサービス、利用者の数も増大することから、ネットワークに掛る負荷は爆発的に増大することが予想されている。こうした背景の下、通信インフラを有する事業者やインフラを利用したサービスを提供する事業者は、以下の様な課題に直面している。

  • IoTデバイスネットワーク技術のイノベーションにより、各種サービスの用途やセンサーの設置環境に応じて使用される通信プロトコルが多様化(Wi-SUNをはじめ、BLE、WiFi、EnOcean、Z-Wave等)
  • サービス毎にIoTデバイスネットワークを構築するため、回線の工事や敷設等のCAPEX(設備投資)が増大
  • IoTデバイスの種類やサービスの多様化に伴う、IoTネットワークの設定、変更等の管理が複雑化、エンドユーザサポートの増加によるOPEX(運用コスト)が増大
  • 各IoTデバイスネットワークのセキュリティモデルが異なるため、複雑さの増大により、IoTセキュリティ設計が困難

こうした課題への解決策としてネットワーク仮想化技術がありますが、主に有線ネットワークでSDNとして用いられており、Wi-SUNに代表されるIoT用の世界標準無線通信システムに対応したものはなかった。

IoTデバイスネットワークの通信プロトコルの一つであるWi-SUNは、電池駆動型のメーター・センサー・モニターでも利用可能な低消費電力、最大約1kmという長距離無線通信(920MHz帯電波)を特長とする、日本発の世界標準規格だ。Wi-SUNは優れた省電力性と雑音に強い通信特性により電気・ガス・水道のスマートメータへの採用が進んでいる。

また、長距離無線通信という特性に着眼した、温湿度・降雨量センサー、災害地の環境・橋梁など建造物の状態を検知するモニターなどへの応用も拡がり、安価に市販されつつある。これらのWi-SUN端末を橋やビルなど広域に設置しM2Mネットワークを構築することで、物流や災害時の通信など、IoT分野でのサービスの活用も期待されている。

 

共同開発概要

京都大学原田研究室とACCESSは、こうしたWi-SUNの優れた特性および日本における普及状況に着眼し、ACCESSのIoT技術とSDNネットワーク仮想化技術を統合することで、Wi-SUN機能が搭載された、多彩なセンサー・メーター・モニターといったIoT機器のための通信ネットワークを仮想化するソリューションを共同開発した。

同ソリューションを活用することで、電気・ガス、通信などインフラを有する事業者は、自社の同一インフラ上に、高いセキュリティ・運用性を担保しつつ、他の複数の IoTサービスを柔軟に追加で収容することが可能になる。

 

「SDNを用いたWi-SUN機能搭載のIoT信ネットワークの仮想化ソリューション」主な特長

柔軟で、運用の容易なネットワーク構成

インフラ事業者は、サービス追加毎に物理的なネットワーク設定の変更を行う必要がなく、SDNにより、遠隔からネットワーク構成をソフトウェアでオンデマンド制御することが可能。

CAPEXの削減

SDN仮想化技術により1つのゲートウェイを介して仮想ネットワークを提供できるため、新規のIoTサービス毎に通信インフラを都度構築する必要がなく、IoTサービス事業者のCAPEXを削減できる。

OPEXの削減

広範囲にわたる物理的なIoTデバイスネットワークインフラ上で、複数のIoTサービスに必要な仮想ネットワークの追加、構成設定、構成変更、削除を中央で集中管理できるためOPEXを削減できる。

セキュアな通信環境

ゲートウェアから外部への通信は暗号化されるため、収容されている各種サービスはそれぞれ独立したセキュアな通信が可能。

 

今後の展開

京都大学原田研究室とACCESSは、産学連携プロジェクトとして今後も、双方で技術協力を進め本ソリューションの事業化に向けて推進していくという。

また、ACCESSは、本日4月7日より、同ソリューションの評価用プロトタイプを、主に

  • 電力・ガス事業者、通信事業者、ケーブルテレビ事業者、インターネットサービスプロバイダなど、既に広域にインフラを有し、各種IoTサービストラフィックを収容していきたい企業
  • 既存通信インフラをIoTサービスに向けて利活用したいIoTサービス事業者

を対象に提供開始した。

 

(※1) Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network)
(※2) SDN(Software Defined Networking): ネットワーク構成を動的に設定するために、ネットワーク全体をソフトウェアで制御(定義)する、という次世代ネットワーク技術のコンセプト。
(※3) 出典:IDC Japanプレスリリース「国内IoTデバイスとモバイル/クライアントコンピューティングデバイスの稼働台数/出荷額予測を発表」 (2015年9月3日)

 

【関連リンク】
アクセス(ACCESS)
京都大学(Kyoto University)

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