スノーフレイク、「データクラウド」によりデータ共有の課題を解決

Snowflake Inc.(以下、スノーフレイク)は、新たなコンセプトとして「データクラウド」と考え方を提唱し、これまでのデータ共有の課題を解決していくとした。また、「Snowflakeデータマーケットプレイス」を利用することにより、データの掛け合わせによって新たな価値を生み出す、データを主軸とする新たなビジネスエコシステムが生まれるだろうとしている。

同ラウンドテーブルの中で、株式会社ウェザーニューズは、保有する天気データを「Snowflakeデータマーケットプレイス」上で提供するとした。国内企業として初めてだという。

スノーフレイクが目指すデータクラウド

データクラウドというコンセプトが進むことで、データを主軸とする新たなビジネスエコシステムが生まれるだろうとしている。
データクラウドというコンセプトが進むことで、データを主軸とする新たなビジネスエコシステムが生まれるだろうとしている。

スノーフレイクのプロダクトマーケティングマネージャーのKT氏は、スノーフレイクは元々データウェアハウスやデータベースのイメージが一般的に多いだろうとした上で、それを超える新たなコンセプトとしてデータクラウドという考え方を広めていきたいと考えているという。

データクラウドとは、端的に言うとグローバルネットワークのことだとした。ネットワークに人とデータが所属している状態を目指しており、データとそのデータを使う人々が簡単につながっていくことができるネットワークのことを、スノーフレイクはデータクラウドと呼んでいる。

データクラウドが解決する課題の1つとして、データ共有の課題がある。

企業や組織の中で何らかの意思決定を行う場合、これまではその企業や組織の中にあるデータだけを見て判断を行っていた。例えば、セールスのデータを見たり、セールスとマーケティングのデータを組み合わせたりというイメージだ。

しかし、意思決定を行うタイミングで、社内のデータだけを見ていても良いのだろうか。小売業において、在庫の状況はその日の天気によって左右されるのではないかとKT氏は指摘する。暑い日と寒い日、突然暑くなった日と寒くなった日で、商品の売上が変わるということは想像がつくだろう。

しかし、いざ気温のデータを利用しようと思っても、組織内でデータを持っているわけではないので、専門家や別の会社が持っているデータを利用することを考える。この時にこれまでは、データを転送することが前提だったという。

データの転送には難易度の高い技術、高価なリソースが必要だった。FTPやクラウドパケットでデータをコピーしたり、APIの構築やメンテナンスを行ったりをする必要があるためだ。また、データを渡すということは、その時点で自分の管轄外になってしまうため、セキュリティが担保されているかどうかわからなくなってしまう。

こうした課題に対し、スノーフレイクは、シンプルなアーキテクチャで解決するという。データは1箇所に保管したままで、そのストレージにアクセスできるコンピュータのリソースとデータを分離することで、データをシェアするというアーキテクチャだ。

データを利用する場合は、データを利用したい人に権限を与えることで、データを利用したい人が持っているコンピュータのリソースを利用してデータにアクセスすることができるようになる。

これまでは、データとコンピュータリソースが分離されていなかったため、自分のデータを利用したいという人が現れた時に、自分のサーバーリソースまで貸してあげなければならかった。そうすると、自分のデータ分析が遅れてしまい、なかなかデータを共有することが難しかったが、このアーキテクチャはこうした問題を解決するという。

スノーフレイクのグローバルなネットワークの上にデータを載せると、その瞬間からデータクラウドのネットワークに所属し、自分のデータを誰かに使ってもらうことも可能だし、自分が必要なデータを誰かの環境から持ってきたり見せてもらったりすることができるようになる。

そのためには、それぞれの環境が単独で動いていては意味がなく、グローバルに繋がっていることが重要だとした。スノーフレイクでは、AWS、MicrosoftAzure、Google Cloud Platform、3つのクラウドプロバイダのどの環境でも、分離されることなく同じ体験をすることができる。

これにより、Snowflakeのプラットフォーム上で、自分が持っているデータと他社が持っているデータを掛け合わせることが容易になるとしている。

KT氏は、こうした環境があることによって、データを主軸とする新たなビジネスエコシステムが生まれるのではないかと考えていると述べた。

小売業での事例

小売業では、データクラウド上でデータを共有することで意思決定を行う事例が生まれている。
小売業では、データクラウド上でデータを共有することで意思決定を行う事例が生まれている。
海外の小売業では、すでにデータを共有し、マネタイズや販売を行っている事例があるという。

小売業では、在庫をなるべく持たずに、仕入れたものは売り切ってしまうということをデータを使って行いたいと考えている人が多いという。

そのために必要な様々な環境要因をデータ共有によって、他社のデータを集めて利用することで、意思決定を行っている。例えば、顧客の好みの情報や、気象の情報、オムニチャネルやPOSデータなど、複数のデータを掛け合わせることで、意思決定を行うという人が増えてきているとしている。

「Snowflakeデータマーケットプレイス」とは

Snowflakeデータマーケットプレイスにより、自分のデータを提供し、誰かのデータを活用することができる。
Snowflakeデータマーケットプレイスにより、自分のデータを提供し、誰かのデータを活用することができる。

「Snowflakeデータマーケットプレイス」は、様々な人にデータを公開しているデータマーケットプレイスである。Snowflakeのプラットフォームを利用していれば、地域やクラウド環境を問わず、スノーフレイクのデータクラウド上で利用することができる。

現状は160以上のデータプロバイダが、500以上のデータセットを提供している。データのコピーや移動は不要で、即使用可能なライブデータを提供しているというのも特徴だ。

今後、データを購入する前の試用オプションや、WebUIの中で決済が完了する決済機能を実装予定だという。

これまでは、海外のデータプロバイダが多かったが、ウェザーニューズが日本企業として初めてデータを提供することになった。

ウェザーニューズが提供する「WxTech」

ウェザーニューズは、「WxTech(ウェザーテック)」サービスを提供している。天気予報のデータを使って、ビジネスの予報をするテクノロジーだ。

気象のデータは、日本ではアメダスで収集しているものや、最近だとIoTセンサーを設置し収集しているものがある。こうした気象のデータとビジネスのデータを組み合わせることで、過去から現在に至るビジネスと気象との相関を見ることができるようになる。気温が上がると売上が上がる、気温が下がると暖房を使用するので電力消費量が増えるといったようなことだ。

また、天気には予報のデータが存在している。ウェザーニューズは、過去から現在までのビジネスと気象の相関を分析した上で、天気予報のデータを使うことで、未来のデータを予測することができるようになるとしている。

ウェザーニューズは、「Snowflakeデータマーケットプレイス」に1kmメッシュの過去の天気データを提供することを発表した。気温や降水量、天気図というような気象の細かいデータを提供することで、利用者は簡単に天気データを利用してソリューションの開発や運営の最適化を行うことができるようになるとしている。