グリッド、ビジネスシーンで活用できる機械学習「ReNom」を開発

株式会社グリッドは、機械学習のフレームワーク「ReNom」(リノーム)を開発したことを発表した。

機械学習のフレームワークは、世界で数十チームしか開発することができておらず、ReNomは新たなフレームワークの一つとして世界中で提供されることになる。

今後ReNomは、SaaS型のサービスとしてクラウドやIoTプラットフォーム上で提供され、サービス開始時期は、2016年7月頃より順次提供を開始する予定だという。

 

2002年Dr.Hintonが生み出した、Contrastive Divergence Methodが発明され、2012年、その方法を活用したDeep Learningの登場により、それまで超えられなかった深層学習の限界に技術革新がおきた。機械学習のフレームワークを開発するにあたり、なぜ多層化されたニューラルネットワークが機能するのかを考えた結果、「繰り込み理論」が重要な役割を担っていると考え、ReNomはこの繰り込み理論「Renormalization」の文字をとり命名されている。

また、このフレームワークは、過去のフレームワークをさらに発展させ、実際のビジネスの現場で使えるようなフレームワークを目指しているという。深層学習において、Dr.Hintonが生み出した、CD Methodに続く大きな技術的な革新はまだ起きておらず、次のブレークスルーをどのように生み出すかがとても重要だと考えており、この繰り込み理論の先にそれがあると考えているという。

 

VISION

グリッドは、人工知能を誰でも使えるように一般化する事と、より高度なアルゴリズムを開発し、さらなるブレークスルーを生み出す事を目指しており、この異なる2つのミッションに対して取り組んでいる。

 

現在の機械学習の問題点

現在の機械学習は、一部の世界で使われているにとどまっており、広く一般の社会で使われていない。実際のビジネスシーンでは、大量のデータを使い、リアルタイムで処理を進めようとすると、コンピュータの処理能力の限界をすぐに超えてしまう。また、過去のフレームワークでは、様々なディープニューラルネットワークを構築できるかわりに、処理が重くて動かない、データを学習する際に、なかなか遅くて計算が終わらない・・・といった課題があった。

これらの問題は、理論計算を行う上で、永遠の課題ではあるが、ReNomエンタープライズ版では、少しでもその問題を解決し、実際のビジネスシーンで使えるようなフレームワークを目指しているという。

また、機械学習を活用するには単純にプログラムソースが書けるだけでなく、機械学習の理論を理解しないと、動かす事すらできない。グリッドは、一般のビジネスパーソンが、メールや計算ソフトを使い、問題を分析・検討・考察するように、多くの人が少しでも新しい技術である機械学習を使いこなし、それぞれの問題を解決し、新しい発見や、新しいビジネスが生まれるように、ReNomビジネスユース版では、誰でも使えるようなアプリケーションの提供を目指している。

 

ReNom ver.0.1の設計思想

このReNomは、「自由で簡単にネットワークが定義でき、計算メモリが最適化され、計算速度が速いフレームワーク」を目指している。

ネットワークの構築が容易

各層を自由に接続可能で、日々複雑化しているディープニューラルネットの構造を自由に構築でき、一般的に実装が難しいとされる再起型ニューラルネットワークなども容易に構築する事ができる。

プログラミングが不要

機械学習を誰でも使用する事ができるよう、プログラミングする事なくJSONファイルで定義する事ができ、さらに、プログラマーにも大きな自由度を与え、研究者などが行う高度なチャレンジも実現可能にしている。

計算メモリの自動最適化

機械学習では、より複雑で、多層なネットワーク構造が求められるようになってきている。過去のフレームワークでは、複雑なネットワーク構造になると、そこで行われる計算に必要なリソースを最適にする事が難しかったが、ReNomでは、ネットワーク構造を自由に構築する事と、メモリ管理を両立させる事を目指した。ユーザーが自由に設計したネットワークの計算に必要なリソースを自動的に理解し、学習時に必要な全ての計算内容を最適化している。

計算スピードの高速化

ReNomでは、ユーザーが個別で設計したネットワークに最適化されたプログラムを動的に生成する事で、計算内容を最適化し、高速化を実現している。また、さらなる計算速度向上のため、GPUをサポートし、演算処理を高速化している。さらに今後は、新たなアルゴリズムを追加し、計算方法自体を変えてしまう事で、計算スピードの高速化を目指す。

 

今後の開発方針について

このフレームワークは生まれたばかりで、完全ではないという。今回リリースされるReNomは、バージョン0.1と定められている。徐々にバージョンを上げていくが、バージョンが1に近づくにつれ、本来の実現したい事に近づいていくとグリッドは考えている。

また、グリッドは、現在機械学習に使われている多くのアルゴリズムの物理式は非常に高度なものだが、そこで使われる理論は、古典物理学から、場の量子論に移行していくと考えている。さらに、ディープラーニングが行うパターン認識だけに限らず、他の問題の解決に対しても研究を重ね、今までにない方法を生み出し、人工知能のさらなるブレークスルーを生み出す事を目指すという。

 

サービスの提供について

グリッドは、今後このReNomを、国内外を問わず様々なIoTプラットフォームや、クラウドサーバー上で提供していく。

さらに、SaaS型のサービス提供だけでなく、ReNomを自社の仕組みに導入したい、自社内の環境で(オンプレ)導入したいなどの個別の要望や、ReNomを活用した人工知能の開発など、個別の開発案件にも対応していく予定。

 

【関連リンク】
グリッド(GRID)

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