IoTに対応するBIツールはここまで進化している -ウイングアーク1stインタビュー [PR]MotionBoard

帳票事業やBI事業を展開するウイングアーク1st社。

同社では、センサーやカメラなどから発生するデータをリアルタイムに可視化したり、従来のBIツールのように膨大なデータを蓄積・分析したり、地図や位置情報を活用するIoTサービス「MotionBoard」に力を入れているという。

今回、ウイングアーク1st株式会社 執行役員 BI技術本部 本部長 島澤甲氏、営業本部 クラウド営業統括部 統括部長 森脇匡紀氏、営業本部 クラウド営業統括部 アライアンスディレクター 武市真拓氏に話を伺った。

 ー御社のIoTの取り組みについて教えてください。

島澤: IoTは、やりたいことが明確なお客様と、そうじゃないお客様の差が激しい領域かなと思っています。

昔、インターネットが始まった頃に「インターネットください」みたいなことを言うお客様がいらっしゃいましたが、それに近い状況が昨年からありました。

M2Mの発展形で捉えるのが一番分かりやすいと思いますが、どうもお客様のお話を聞いていると、「会社としてIoTに取り組まなければならない」という手段と目的が逆転しているような話が多いのが現状です。そのような中でも、私たちは可視化のソリューションで手軽にできることを提供したいと思っていました。

最初の発端は「工場のラインや稼働率をリアルタイムで把握したい」というお客さまのお話でした。今までは何かに溜めて可視化するという文化でしたので、「リアルタイムでの可視化」は最初に辿りついた壁でした。BIというのは基本、溜めて可視化する文化なのですが、「変化をすぐ把握したい」という要望が多いのです。センサーデータを取り扱うとしたら、もう私たちは単純に「溜めた物を見せます」だけだと厳しいなと思いました。

このIoTの領域は、「センサーのデバイスから3G回線を使ってクラウドにデータを上げます」とか、「データを溜める部分を提供します」というベンダーさんは結構いらっしゃいます。その「繋げる」というところは提案されている企業が多い中、最終段の「じゃあその溜めた物をどうするのか?」というところが意外と手薄だったのです。

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ウイングアーク1st株式会社 執行役員 BI技術本部 本部長 島澤甲氏

 
-なるほど。

島澤: 今回、リアルタイムの話を最初にさせて頂ければと思うのですけれども、まず私たちは「お客さまに簡単にIoTに取り組んで欲しい」と思っています。

当然お客様は今、業務などでデータベースを持っていますから、まずデータベースに溜まっているデータを瞬時に把握できるような「データベースのリアルタイム可視化」というのを入れました。

他のIoT系のソリューションだと大体はAPI型です。APIで叩いてもらうと、それをDBに蓄積しますが、私たちは「画面に可視化して、且つ溜める」ということを今回やっています。また、『スマホ』を使ったIoTデータの収集も行えます。スマートフォンは実は、センサーの塊で、画面も付いていればGPSも入っていて、3G回線も使える、Wi-Fiもいける、加速度も取れるという、かなり優秀なセンサーデバイスなのです。

さて、リアルタイムの可視化をデモで簡単に紹介します。こちらは自宅の部屋のサーバに繋がっているUPS(無停電電源装置)になっていまして、現在の負荷状況などを数字で表示しています。

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例えばUPSの電源が落ちたりしたら、それが瞬時に画面に反映されることをやっているデモをお見せします。これは私の部屋ですが、カメラとMotionBoardを繋げています。

オフのボタンを押すと、今、向こう側のUPSが落ちました。インシデントが発生したら、それを瞬時に把握できるってことですね。

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このデモのポイントは、全部クラウドで提供されているという点です。自宅のサーバにMotionBoardは入っていません。クラウド上のMotionBoardと、私たち、クラウドからオンプレを動的に連携する仕組みを提供していまして、それによって、私の家のデータというのをクラウド上で分析して画面に出すということができます。

こういったことをやる時に、お客様は、何か特別な設備を用意したりサーバを用意したりする必要もなく、クラウドを契約して頂くだけです。クラウドは手軽にこういった環境が構築できるというところがポイントです。クラウドでできるというのが、私たちのソリューションの特長であり、強みですね。

 
-可視化する時に、可視化テンプレートみたいな物があって、そこにラベルを付けてるだけってことですか?

島澤: 先ほど見せた画面は、テンプレートで提供されているわけでもなくて、こうした画面はすぐ作れるのです。三時間くらいでパッと作れますので、今回は私がこのデモ用に作りました。

 
-おさらいしますと、今のデモは以下のように表すことができて、PostgreSQLまでがご自宅ですよね。

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島澤: そうです、ここが上の図のUPS~PostgreSQLまでが自宅で、MBクラウドの部分がクラウド上です。

この間をMotionBoard Bridgeというソフトがあり、それを入れるとクラウド上から特別なポートを開けなくても、オンプレのデータをアクセスできるような、それも非常にセキュアにアクセスできる仕掛けを提供しているのです。現状はオンプレのデータを吸い上げるのがメインになっていますけれども、実際は何でもできて、クラウド上から私の家のプリンターに印刷処理を要求するようなこともできるのです。

 
-なるほど。

島澤: 通常はそのVPSやVPNみたいな形でネットワークに繋いでしまうと、誰がいつ、どんなことをやっていたかという、トレーサビリティが無くなってしまいます。私たちはそのソフトウェアでそこを提供し、完璧なトレーサビリティと、多重化されたセキュリティを実現しております。

 
-つまり、ネットワークのコネクションを張るタイミングからもうソフトウェアだってことですね。

島澤: そうですね。

 
-その、さっきおっしゃったブリッジというのは、どこに入っているのですか?具体的には自宅サーバー側に入っているのですか?

島澤: 自宅サーバー側に入っています。

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-ブリッジがプログラムで通信しているわけですね。

島澤: そうですね。そのプログラムというのも、クラウド上からダウンロードして「次へ」、「次へ」押すだけで簡単にインストールできて、自動でメンテナンスされるというソフトウェアになっています。

 
-そうですよね。どうやっているのかな?と思って。そのソフトウェアは、OSは種類を選ぶ物なのですか?

島澤: LinuxとWindowsに対応しています。Macでも動きますし、Raspberry Piなどでもいけます。

 
-最近エッジコンピューティングだとか、組み込みの中にそういうのを入れようって動きもありますよね。組み込みの中に、ブリッジみたいな物を入れておいて、クラウド側からコントロールするのだ、と。組み込み側の、そのバージョンだったりセキュリティの問題とか起きたりしても、クラウド側からの指示で「自力でバージョンアップしろ」ということをやるケースも出てきていると思います。そういう意味では、どういう対応をされているのですか?

島澤: MotionBoard Bridge も同じように、インストール後は完全にメンテナンスフリーを実現していて、自動でバージョンアップ等も実装されています。

 
-このブリッジのデータベースはPostgreSQL以外には何に対応しているのでしょうか。

島澤: そうですね、結構幅広くて。PostgreSQL、SQL、Oracleなどメジャーところもそうですし、DB2、PureData、ExaData、Teradataなどです。

■データベース・データウェアハウス一覧
Dr.Sum EA
Amazon Aurora
Amazon Redshift
FUJITSU Software Symfoware Analytics Serve
FUJITSU Symfoware Server
Greenplum Database
HAWQ
HiRDB
Hitachi Advanced Data Binder
HP Vertica
IBM DB2
IBM infomix Server
IBM PureData System
Microsoft SQL Server
MySQL
Oracle Database
Oracle RAC
PostgreSQL
SAP HANA
Teradata Database
Tibero RDBMS
Treasure Data

 
-さらりとおっしゃいましたが、たくさん繋がるって、結構大変なことだと私は思うのですけど。

島澤: 検証が大変ですね。

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島澤: 次のパターンが、HEMSのような組み込みの機器から私たちのクラウド上のAPIを叩いてもらうと、「スマートハウスの状況などを可視化できます」というデモになります。

こちらは、APIで受けて可視化と同時に私たちの方でデータベースへの書き込みもできるBI製品なので、それも併せて行うという形です。デモでは、私の家からクラウドに対してAPIを叩きます。リクエストを上げてクラウド上で可視化した後にブリッジ経由で私の家のDBに対してアクチュエーションをかけるという例です。

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島澤: これが私の家の稼働状況の可視化です。色んなセンサーに対応していますので、一週間の温度の移り変わりをパッと出したりもできます。APIを叩くだけで、こんなことも実現できますよというデモンストレーションになります。

クラウド上で可視化もできますし、集中管理もできるし、他の家との比較というのも、仕組み組んでやれば柔軟にできます。このデモ自体は本当にシンプルなデモですけれども、応用は結構効くのではないかと思います。

 
- なるほど。クラウドはAWSか何かに乗っているのでしょうか?

島澤: この環境はAWSで提供しています。ただ、MotionBoardは様々なIaaS環境に乗せることができますので、AWS以外でも動作可能です。

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次が最後です。変わり種ですけど、先ほど申し上げたスマホ型です。私たちはこのスマートフォンのアプリを通して、トラックやタクシーなど物流の可視化というのを行えないかな?と思っています。

先ほどはデータベースやAPIを叩くという、多少なりともSIが必要だったのですけど、これはそれすら必要ありません。スマートフォンを持っていればIoTができます。私たちは物流業をやっていないので、テストは自分たちで体を張っています。

テストは自分たちで体を張っています。

この緑色になっている部分は、これは速度を示しています。これは車で駅まで行って、要はこういったコーナーとかでブレーキを踏みますよね。そうすると速度が下がるので赤になって、こういうルートで戻ってきてというようなところが把握できたりするわけです。

 
-そんなことまで分かるのですね!普通にポケットとかに入れているぐらいのことで良いのですか?

島澤: そうです、そうです。ただ単にアプリ入れて持ち歩いてもらうと、このような感じで可視化ができるのです。また、私たちはただ単にこれを見て終わりではなく、当然BIツールとして溜めることもできます。

ただ単なる位置情報だけでも結構色々なアクションに繋げられるので、こういうようなスマートフォンのソリューションというのを、IoTの取り組みとしてやっています。

 
-なるほど。

島澤: あとIoTとは若干毛色が違うのですが、地図を使ったルート検索も行えます。「今日、こんなお客様を回ります」というリストがあった時に、どのように回ったら効率的かということをMotionBoardが提示してくれます。

テストは自分たちで体を張っています。

 
-おお~、そんなこともできるのですね。

島澤: ズームしていくと、きちんと一方通行とかも理解した上で、「車で移動するとこんな感じが良いよ」という経路を出してくれます。それに対してドライバーがどういう感じで動いているのかというのを、IoTの機能を使って把握する、といった使い方ができます。

 
-すごいですね。これだけで一個の会社がありそうな世界のことをひょうひょうとやっていますね。

島澤: こういう機能を自社開発できるのが弊社の強みですね。例えばここから車で高速80キロ、一般道30キロとした時に、20分30分40分50分とかで行ける範囲というのはどのくらいかというのを計算して到達できる範囲を示すこともできます。(到達圏分析)

これらを地図で見て頂きながら、実際のIoTの情報を重ね合わせてお客様に正しい情報活用の形というのを体感して欲しいです。なお、地図機能は標準で提供しています。契約して頂ければ、特に追加料金なく利用できます。

そしてこれは本当に最後ですが、先ほどサーバの可視化というところでお見せしたものの一環です。リアルタイムの可視化が、地図上でもできます。

テストは自分たちで体を張っています。

このツールは簡単なメッセージング機能が付いているので、私の家のサーバーに対して再起動をかけたり、システムを落としたりということもできます。サーバー経由で部屋のコントロールも出来るように作ってありまして、例えば「light」って打つと、リモートで私の部屋の電気点けることができます。

 
-あ、点いた!

島澤: こんな感じで制御できたりします。また「shutdown」と打つと・・・

 
-あ、落ちた!

島澤: 再起動がかかります。こういったことをクラウドから気軽にやってもらえたらなと思っています。応用できる範囲が非常に広いのですけど、お客様が自分でできるところがポイントですね。

 
-これだけのことができると、工場の中などのIoT機器とかをコントロールしたくなってきますよね。

島澤: そうですね。工場のセンサー系は2種類あると思います。ひとつは1秒間に数千、数万というデータ上がってくるようなBigData的なものと、もうひとつは稼働状況のモニタリング等で、主に人が把握したいセンサーデータです。私たちがやろうとしているのは、後者のセンサーデータかなと思っています。

 
-なるほど。分かりました、すごく面白かったです。さっきから出待ちしてるPepperはそろそろ登場しますか?

武市 : では、Pepperデモをさせて頂きます。Pepperのサーブモーターデータを、リアルタイムで取得しています。

テストは自分たちで体を張っています。

武市: 左側の方が温度センサーです。Pepperは80度ぐらいにサーブモーターが熱くなるので、止まるようになっています。今、オレンジ色になっているのはちょっと警告が上がっている状況です。こういった物をリアルタイムで取得しています。あと、Pepper自身の視線も、こういった形で見ることができます。

さらに、Pepperが何を見ているのかという情報をMotionBoardで吸い上げて可視化していくことによって、Pepperの接客状態をもっと向上させたりすることもできます。

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営業本部 クラウド営業統括部 アライアンスディレクター 武市真拓氏

 
-どうしてこんなにリアルタイムで取れるのでしょうか?

森脇: 裏側ではAPIをどんどん叩いています。

島澤: BIツールの表示は溜めた物に対して集計かけるものなので、一般的にBIツールだとこういう処理は難しいですね。単純にデータを溜めたり、APIを叩くだけでリアルタイムに可視化ができるのは今までになかったことです。

 
-そうか、皆リアルタイムの方が良いよねって話はするけど、案外、製品には組み込んでないですよね。リアルタイムをやっている人たちは、リアルタイムをやっていて、BIをやってないですからね、今までは。

それ組み合わせて使おうと思うと、画面も二つ三つ要るし。結局インテグレートされないってことですよね。だからこのMotionBoardの良いところは、従来型のBIもできる。BIというか、集計および可視化もできるし、リアルタイムのストリーミングデータというのも見ていけるってところが良いところですよね。

森脇: その通りですね。しかも月額9万円からなので「ちょっと試してみようか」ということができると思います。

 
-色んな画面を作り込むのはさすがに別費用ですよね?

森脇: それは、自分たちでやろうと思ったらスキルがあればできると思います。MotionBoardのトレーニングを弊社で3名まで無償という形で実施しています。SIerさんだけではなく現場の方々も来られて習得しています。全部ノンプログラミングです。

ただ、IoTのところをやろうとすると、私たちだけで完結できません。モノもいるし、持ってくるところもある、そういったところはパートナーさん入って頂いてビジネスが繋がっていっているなという気がしています。

 
-そうですよね。データベースを覗き見して、とにかく大量データをさばくという時代じゃなくなってきているってことですよね。今後はどうしていかれるのでしょうか。

島澤: 技術的なところと商売的なところはあると思います。やはりIoTは今、皆さん模索している状態だと思うのですけど、私たちは今、製造業のお客様向けのソリューションも取り組み始めています。お客様に単なるツールだけではなく、ソリューションとしての提供をやっていきたい、と考えています。

あとは本当に地道な技術というところでいうと、さきほどスマートフォンの可視化をお見せしましたけど、あれはオープンソースで提供しようと思っています。

例えば、車のOBD2端子と連携させると、スマートフォンと千円くらいで買ってきたドングルを車に挿してやると、その車がどこでどのくらいの燃料消費率で走っているかという可視化や分析ができるようになります。

そういうのを通してドライバーの育成とかやっても良いかもしれないし、大きなトラックだとそこまでやっているかもしれないのですけども、タクシーなど今まであまり考えなかったところにそういうソリューションを提供できたら良いなと思っています。

 
-ありがとうございます。商売的にはどうですか?

IoTに対応するBIツールはここまで進化している -ウイングアーク1stインタビュー
営業本部 クラウド営業統括部 統括部長 森脇匡紀氏

森脇: 製造業を攻めていきたいなと思っています。そこでMotionBoardという圧倒的なブランドを作っていきたいのですよね。

武市: あと、もう一点だけ。結局IoTのエコシステムは、色んなIoTのエコシステムを作ろうとしているクラウドベンダーさんがいます。マイクロソフトさん、AWSさん、さくらインターネットさん、ソラコムさんなどですね。

我々はセンサーのIoTデータを集めるところが仕事ではないと考えています。あくまでこのビジュアライゼーションの製品を作っていきます。そして、クラウドベンダーさん、IoTベンダーさんに是非私たちを使って頂きたいと思います。

-今日はありがとうございました。

 

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https://youtu.be/D7dA3Du28xI

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