IoT時代をポジティブにとらえてほしい -「IoTとサイバーセキュリティ IoTで変わる私たちの暮らし」シンポジウムレポート

読売新聞主催「IoTとサイバーセキュリティ IoTで変わる私たちの暮らし」シンポジウムがよみうり大手町ホールにて開催され、夏野 剛氏や有識者が集まり講演やパネルディスカッションが行われた。

 

「IT・IoTの可能性と展望」夏野剛氏 基調講演 

慶應義塾大学 政策・メディア研究科 特別招聘教授 夏野剛氏が基調講演で登壇し『IT・IoTの可能性と展望』について発表した。

夏野氏は「Googleは20年前には存在せず、この20年間で、ものすごいことが起こっている。コンピューターやスマホがあるので、1人のできる仕事の量が増えたがこの20年間日本のGDPは変わっていない。

しかし同じ先進国のアメリカは137%成長している。そのうち30%は人口が増えているため、ひとりあたりのアウトプットが2倍になっているという計算になる。日本はアウトプットが増えていない。これはまずいのではないか?」という問題提起をした。

テクノロジーが出ているだけでは社会に生かせず、これからはIoTやAIを使いこなさないといけないが、「日本はいまから頑張ればいくらでもいける」という前向きな姿勢も見せた。

IoTとサイバーセキュリティ

今IoTが広がっているのはコンピューティング能力の増大とのセンサー価格の低下、人がネットワークに繋がっている状態になっているからとし、2015年は人工知能の力をはかる画像認識テストで人間の能力を超え歴史に残る年になった、とコメントした。

さらに多くの人が気にかけていることとして仕事がなくなってしまうという報道があるが、「そんなことはない」と反論した。「反復作業などは今後コンピューターがやってくれる。人力車がクルマに変わったのと同じだ。人間が機械に任せられる部分が大きくなってきた。」と、人工知能を歓迎すべきだと主張した。

最後に「IoT時代をポジティブにとらえてほしい。日本は世界最先端だったが結果に結び付けられなかったのは我々の姿勢の問題だ。

次世代を担うために必要な人材は、過去の人材は違う。組織の中で効率的に言われたことをなんでもこなす人材から想像力と創造力を駆使して、新しい付加価値を作り出せる人材になろう。できるところから今すぐシステムを変えよう。」と締めくくった。

 

IoTで変わる私たちの暮らし パネルディスカッション1

IoTとサイバーセキュリティ

次に、ウフルの八子氏がモデレーターを務めたパネルディスカッション「IoTで変わる私たちの暮らし」が行われた。

・登壇者
八子 知礼氏(株式会社ウフル 上級執行役員 IoTイノベーションセンター所長)
武下 真典氏(株式会社エスキュービズム・テクノロジー 代表取締役社長)
大関 興治氏(株式会社セカンドファクトリー 代表取締役CEO)
小泉 耕二氏(IoTNEWS代表 / 株式会社アールジーン 代表取締役)

 

IoTとサイバーセキュリティ

そもそもIoTに可能性を感じ期待しているか?というテーマについては、繋がるという点に非常に可能性を感じる(大関氏)、世の中がわかりやすくて便利になる(武下氏)、すごく効率化される、映画のような世界が到来することにワクワクする(小泉氏)、という意見が出た。

具体例では、「ラーメン屋の空いている時間を知れれば、その時間にいけるようになる」、「トラックでモノが運ばれてくる時に地図に熟知しているドライバーであればいいが、道を知らないドライバーは難しい。そこで人工知能が広がれば地図の情報をとって計算してルートの案内をしてくれればモノを効率的に運べる」、「スマホで決済のみならず、飲食店に来店した回数やクーポンが受け取れる。それはお財布ケータイだけではできなかった。消費者も便利になりお店の人もマーケティングができる。消費者とお店がずっと繋がっていられる。」という事例も紹介された。

 

IoTとサイバーセキュリティ

私たちコンシューマーの生活はどんな影響をうけるか?というテーマでは、例えば空いているコインパーキングがわかったり予約ができればコンシューマーは安心して時間を使える(武下氏)、新しいワークスタイルに結び付く。営業が外出先をレポーティングしないといけないが、センサーで全て自動でわかるようになるので報告作業の負担が減る(大関氏)、家にいながら未来を制御できるので、外から家の中の操作できる。スマートロックが発展すると、外から家の中の鍵をかけられる(武下)、テレビに繋げるだけで孫と会話ができるというものが登場し、今までなかった新しいタイプのモノができていたり、国外事例でインテリジェントなサーモスタットをつけるだけで電気料金が20%も安くなった(小泉氏)という意見や事例が話された。

さらに、今後IoTが進むとどんなことが課題となりえるか?というテーマでは、セキュリティの問題やIoTリテラシーが重要になる点も議論された。

最後に、「IoTはまだ難しいし概念を理解するのはしんどい。IoTを理解するのは必要ではないIoTに対して自分の意見を持つことが重要。どこまで使うのか能動的な選択をしてほしい(武下氏)」、「難しく考えすぎずポジティブにやってみようと思うことが大事(大関氏)」、「スマホと接続できるモノは多いのでどんどん試してみてもらえるといい。IoTは日常生活できると置き換えたり追加すればいいものがいいので、少し試すには楽しいと思う。置き換えた結果、自分たちの商売がどうなる、生活がどうなる、ということを考えてほしい(小泉氏)」とそれぞれが締めくくった。

「つながる」時代のサイバーセキュリティ パネルディスカッション2

IoTとサイバーセキュリティ

続いて、サイバーセキュリティについてもパネルディスカッションが行われた。

・登壇者
木暮 祐一氏(青森公立大学 経営経済学部准教授)
加賀谷 伸一郎氏(情報処理推進機構(IPA)技術本部 セキュリティーセンター調査役)
尾花 紀子氏(ネット教育アナリスト)
八田 亜矢子氏(タレント)
若江 雅子氏(読売新聞東京本社 編集委員)

具体的な製品と共に、どういう課題が潜んでいるかという点について説明とディスカッションがあった。

登壇者のそれぞれのセキュリティに対する思いとしては、消費者もメーカーも繋がっているということを意識することが大事(若江氏)。以前LINEが乗っ取られ、フリーWi-Fiに繋いだからではないか?それ以来フリーWi-Fiは繋げない。セキュリティを意識して生きた方がいいと思う(八田氏)。

スマホをうっかり落としてしまうとか、繋げてしまうということを自分、家族、子どもなどみんなで意識することが大事。スマホやアプリ、サービスなどをはじめてつかう際は設定画面を全てチェックすることからはじめてほしい(尾花)、何かを使う際にサービスの全体像に興味を持ってほしい。初期設定がすごく簡単であれば悪さをしようとする人に優しい仕組みになっていることを理解する(加賀谷)、と述べた。

 
【関連リンク】
IoTとサイバーセキュリティ ~IoTで変わる私たちの暮らし~

Previous

NECネッツエスアイ、IoTの検証・評価を行うIoTラボを開設し、IoTソリューションビジネスを強化

IDC、IoT搭載製品を使った収益モデルや、オムニチャネル戦略による新たなカスタマーエクスペリエンス提供が本格始動

Next