ORACLEのモノもクラウドもコントロールできるIoTプラットフォーム -日本オラクル インタビュー(1/2)

日本オラクルといえば、いわずもがなデータベースのリーディングカンパニーだが、実は様々な案件でIoTの実績を積み重ねてきたという。そこで、クラウド・テクノロジー事業統括 Fusion Middleware事業本部 ビジネス推進部 担当ディレクター 杉 達也氏に話を伺った。

 
―御社のIoTについて教えてください。

まず、IoTの要件は1つではないため、頭の整理の為に最初によくこういう話をさせていただいています。

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機器から上がってくるものに即座に対応すべきものをHOT、そこから蓄積されたものに対して通常の業務という形で対応するものをWARM、それからそれがどんどん蓄積されて分析や解析用途で使うデータ等をCOLDとわれわれは呼んでいます。

例えば、スマートファクトリーの場合、センサーからのデータを後で分析するIoTが多いのですが、一部のお客様ではその情報を即座に把握して差別化のアクションにつなげたいという意味で、上記図で見ると左寄り(HOT)の要件を持たれているお客様もいらっしゃいます。

一方、もう少しサービス寄りのIoTを検討されるところは、左寄り場合が高く、右側というのは長期視点でやるという視点のお客様が多いようですが、これらは完全に切り離されたものではなく、本来融合して活用するものです。

私の担当は、この絵の左側のIoTテクノロジーという即時性の高いアクションに対するコールや、コール情報を取得するところのフロントの製品群やサービス群を担当しています。

蓄積したものを分析解析するというところでは、従来型のビッグデータの取り組みの中でやらせて頂いています。それはお客様のIoTとしてひとつのテーマになっていることが多いです。われわれのテクノロジーでは分けてそれぞれに活用できるようにしています。

即時性の高いアクションの例としては、機器の保守やメンテをより効率化、時間の差をなくす話がよくあります。

日本のお客様では、この領域は結構早い段階から行っているケースがありますが、現状サービス領域であって、工場系ではまだまだできていません。そもそも工場はネットワークにもつながってないという問題もあります。

グローバルの視点で見た場合には、日本のお客様が海外に工場を持たれている場合や、海外に対して製品を出荷されている場合に、国内ではできていることも、国外ではできていないというケースがあります。

その点で、オラクルはグローバル展開するお客様を多く有しているので、この領域は現在注力しているところです。

 

バルブメーカー事例

インダストリー4.0のホームでもあるドイツのバルブメーカーさんが、この用途でわれわれのサービスをご利用いただいています。

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この写真のイメージは、彼らが作っているバルブのイメージ図です。いわゆる工場などで使われるような、いろんなタイプのバルブ製造メーカーで、そのバルブは彼らのお客様の工場の中で動いています。

その稼働状態を、これまではいわゆる定期メンテナンスや、お客様のコールを起点に点検して品質をチェックしながら部品交換したり、調整をしたりしていました。

これがインターネットにつながって以降、定期メンテナンスではなくプロアクティブなメンテナンスや、もしくは必要のない時にはいかないという事によって、最適化を図ることができています。

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このケースでは、これまで非接続型だったモノから情報を取って、そこからインターネットにあげるために、工場に設置するゲートウェイを置いています。

ここからオラクルのクラウドサービスに情報を流し込んで頂き、クラウドのサービスの方では随時この情報を取得しながら、(流れてくる情報は通常の稼働状況や、アラートですが)その情報の中から変化(保守のタイミング)を見出して、サービスポータルに必要に応じて登録をします。

サービスポータルというのは、もともとこのバルブメーカーさんが自社で持っていた仕組みで、要は定期メンテナンスや、そのサービスマンを派遣するという時のスケジュール管理、部品交換の為の仕組みなどです。

そういう意味では、製品はもともとありますし、このサービスポータルというのも、もともとありましたが、それらの間はつながれてなくて、定期メンテナンスの中でサービスマンが登録したり、お客様のコールに基づいてチケットが発行されるという仕組みでした。

これを自動化したということ、さらに稼働状況をリアルタイムにチェックできるような、ダッシュボードを作りました。

これがわれわれのIoTクラウドの典型的な位置づけとして説明できる、非常に分かりやすい事例となります。

 

ゲートウェイソフトウェアと一体型のクラウドサービス

さきほどの図でいくと、工場の側に置くゲートウェイの機器はオラクル製ではないのですが、この上に乗せるゲートウェイソフトウェアはオラクルが提供するものであり、IoTのクラウドサービスと一体化設計されています。

この一体化設計を使って頂く事で、インターネット上の「通信の暗号化」や、「デバイスの認証」、「クラウド側から端末のデバイスの状態が一括で分かる」という事、要は「エッジ側のエージェント」となって、デバイスの情報を収集しています。

 
-デバイスはオラクルの認定機器となってるのでしょうか。

いえ、オラクルはJavaを持ってるというとこがあり、要は組み込みJavaが動くような機器であれば一通り動きます。もちろん、後付けでもできます。

そこがある意味、標準のJavaというテクノロジーをベースにしているというメリットでもあります。そこで、「Javaを動けば対応できます」という打ち出しをしています。

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例えばデバイスが移動体の場合、通信回線が途切れたりする可能性があるわけで、そういった場合でも、デバイスのセンサーは何も考えずにどんどん情報をゲートウェイに流し込みます。

それをいったんゲートウェイの方で吸収して、接続の状態になったら流し込んであげる、また、必要に応じて再送するというような事ができる機能を設けております。

また、ゲートウェイの上にはある種のロジックを、エッジコンピューティングのような形で搭載できるようにしています。そのエッジ側に乗せるソフトウェアを、リモートで管理できるような機能、リモートでアクティベートさせたり、リモートでディアクティベートするような事をできる機能を設けています(ソフトウェア管理)。

さらに、流れ込んだデータをストリーミング処理しながら、必要なフィルタリングをしたり、連続集計やパターン判定するというような機能を、IoTクラウドの中に内蔵しています。われわれのIoTクラウドの特徴はこれをプログラミングベースではなくビジュアルの環境で設定ベースでできるようにしているというところです。

 

PaaS型のIoT

これは、オラクルのIoTクラウドサービスの全般的な特徴でもあるのですが、プログラミングをするという感覚ではなくて、デバイスの登録や、流れてくる状態をストリーミング判定するといったことも、ビジュアル環境で設定するだけで実現できます。

さらに、情報をどのアプリケーションに連携するかというとこも設定で可能です。つまり、基本的にはプログラミングをさせない設定ベースで完結できるような、そういう作りになっているのです。これをわれわれの言い方では、PaaS型のIoTという言い方をしています。

IaaSの環境の上にIoTのパーツがあってそれを組み上げてくださいという型ではなく、もう組みあがった状態で利用してくださいという、PaaS型の仕組みにしているところが違いです。

最後のパターン連携の部分も、そういう作りにしてあります。APIのアクセスを制限する事によって、完結されたPaaS環境をきちんとキープするという事をコンセプトとしています。

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図の「Oracle IoT Cloud Service」は、ゲートウェイの末端くらいからIoTのフロントの処理までを担当していることを意味しています。IoTクラウドサービスの中には内蔵されているデータのストレージもあり、流れてくる情報を受信し、高度な分析や解析処理は後ろ(ビッグデータ領域)でやっていただく形になります。

IoTクラウドより先の連携先には、いろんな業務のアプリケーションがあったり、カスタムでアプリケーション作って頂いたりすることが可能です。連携の部分は、カスタムで作るという事もできるし、われわれのSaaSを使って頂くという選択肢もあります。

日本オラクル インタビュー(1/2)
左:IoTNEWS代表 小泉耕二/右:日本オラクル クラウド・テクノロジー事業統括 Fusion Middleware事業本部 ビジネス推進部 担当ディレクター 杉 達也氏

後半へ続く。

 
【関連リンク】
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