ファーウェイ(中国語表記:華為技術、英語表記:HUAWEI)は、欧州の5G PPPで発足した第5世代携帯電話(5G)技術に関する19の共同研究プロジェクトのうち、5つに参画したことを発表した。
5G PPPは欧州における5Gの研究とグローバルな連携を強化しており、2020年までに堅牢な5Gインフラの構築を目指していいる。5G PPPは、欧州委員会と欧州のICT産業を構成するメーカー、通信事業者、サービス・プロバイダー、中小企業および研究グループによってスタートした5G研究に関するイニシアチブで、今後10年に向けたユビキタスな次世代通信インフラのためのソリューション、アーキテクチャ、テクノロジー、標準を定義することを目指している。
この次世代通信インフラは、2010年時点の通信サービスの1,000倍のネットワーク容量と最大90%の消費電力削減を実現すると同時に、ダウンタイムが「実質的にゼロ」のセキュアかつ信頼性の高いインターネット環境を提供する。
7月1日に立ち上げられた5G PPPの第1フェーズの19の共同研究プロジェクトには、民間から35億ユーロ(約4,753億円※1)、EUから7億ユーロ(約951億円※1)の資金提供が見込まれている。
ファーウェイはこの5G PPPの取り組みにおいて初期から中心的な役割を担ってきた。5G PPPの民間部門を代表する組織である5Gインフラストラクチャ協会のボード・メンバーに就任したのをはじめ、最近ではその知見と世界各国に配置する豊富なリソースを活用し、5G PPPに貢献している。
ファーウェイ ワイヤレス・ネットワーク部門最高技術責任者である童文(トン・ウェン)は次のように述べている。「5Gは、欧州を“すべてがスマート”な時代へと移行させるものです。5G PPPによるイニシアチブは多くの領域で巨大な商機を生み出し、5Gにおける欧州のリードを揺るぎないものとするでしょう」
また童は次のように続ける。「ファーウェイは5G技術の研究に投資を続けており、欧州の産業界や研究パートナーとの協業はその中核を成します。欧州のパートナーと協働し、5Gビジョンを現実のものにするための協力体制を構築できることを嬉しく思います」
5G PPPの第1フェーズでは、計19のプロジェクトが5Gの研究課題を解決すべく選定されており、2020年までに堅牢な5Gインフラを実現することを目指している。将来の通信サービスの大部分で無線アクセス技術が使用されることを踏まえ、これらのプロジェクトのほとんどは無線技術に焦点を当てている。ファーウェイは以下の5つの共同出資プロジェクトに関わっており、そのうち4つのワーク・パッケージで指導的な役割を果たしている。
METIS-II: 2020年の情報社会に向け、モバイルおよびワイヤレス通信を実現
Fantastic-5G: 5Gネットワークにおける柔軟な無線インターフェースによって拡張性のあるサービスを実現
mmMAGIC: ミリメートル波に基づく無線アクセス・ネットワークにより、統合された5Gネットワークを実現
5G-Xhaul: スモールセルおよびクラウドRAN向けコグニティブ・コントロールプレーンによってダイナミックに再構成可能な光・無線バックホール/フロントホールを実現
5G Exchange: ソフトウェア定義インフラ向けのマルチドメイン・オーケストレーションを実現
ファーウェイは、5G PPPに加え、欧州で数多くの5Gプロジェクトを推進している。イギリスではサリー大学と5Gに関する共同研究プログラムを実施しており、2018年までにテストベッド構築を含む同プログラムに総額500万ポンド(約9億5,565円※2)を投資する計画だ。
またドイツ・ミュンヘンでは、欧州のパートナーとともに5G Vertical Industry Accelerator(5G VIA)を立ち上げた。今後、大規模な5Gのテストベッドを構築し、垂直産業における適用シナリオをシミュレーションしていく予定としている。
5G PPPによる19プロジェクトの詳細については以下。
https://5g-ppp.eu/the-5g-ppp-has-started/
※1 1ユーロ=135.80円で換算(2015年7月13日現在)
※2 1ポンド=191.13円で換算(2015年7月13日現在)
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