NTT Comと三井化学、人工知能を用いて、化学プラントの製造過程で製品の品質予測に成功

NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)と三井化学株式会社は、ガス製品製造過程において、原料や炉の状態などのプロセスデータ(*1)と、ガス製品の品質を示すXガス濃度(*2)との関係を、AI技術の一種であるディープラーニング(深層学習)を用いてモデル化することにより、プロセスデータ収集時から20分後のガス製品の品質(Xガス濃度)を高精度で予測することに成功した。

これまで化学プラントでは、特定プロセスのデータに対する閾値を用いた異常の自動検知や、経験を積んだ従業員の目視による評価などにより、製品の品質異常検知を行っていた。NTT Comと三井化学は、このような状況を踏まえ、製品品質の異常検知の精度向上、プラント自体の更なる運転効率向上につなげるべく、2015年より三井化学のガス製品プラントを実験の場として、プラント内から収集される原料毎の流量や圧力、反応炉内各部の温度などのデータを、NTT Comが開発したAI技術の一種であるディープラーニング技術により、分析・予測するモデルの開発に取り組んできた。

今回の実験では、ガス製品プラントに投入する全原料の温度、圧力、流量や反応炉の各種設定値など51種類のプロセスデータと、Xガス濃度の値との関係を、化学反応に要する時間も踏まえて事前にAIに学習させることで、ガス製品濃度を推定するモデルの生成を行った。その結果、同モデルにより算出されたXガス濃度の推定値を、プロセスデータ取得から20分後の実際のXガス濃度の値と平均誤差3%FS(*3)以内とすることに成功。

NTT Comと三井化学、人工知能を用いて、化学プラントの製造過程で製品の品質予測に成功
AIによるXガス分析計の値の推定結果

今後NTT Comは、AI技術の活用による製造機器の故障予防や品質異常の原因究明など、化学プラントの運転効率向上につなげる検討を進めるという。またこれらのAIモデルをNTT Comの提供するIoTソリューションに展開していくことを目指す。三井化学は、プラント設備の信頼性向上や運転効率化を目指し、IoTやビッグデータ、AIなどを用いた次世代生産技術の活用検討を進めており、引き続き活用可能性を検討していくという。

*1:温度、流量等のセンサーデータ、機器の設定値等の総称。
*2:製品の品質を示す指標。濃度が製品の品質の指標となる特定のガスを仮に「Xガス」と表記しています。
*3:FS(フルスケール):精度(誤差の範囲)を実測定値に対してではなく、測定可能範囲に対してのパーセンテージで表したもの。

【関連リンク】
NTTコミュニケーションズ(NTT Communications)
三井化学(Mitsui Chemicals)

Previous

成城石井、ワークスアプリケーションズの人工知能型ERP「HUE®」ACシリーズを採用

SAPとNTT、グローバル協業を拡大、安全運転管理を支援するIoTソリューションを開発

Next