ソフトウェア会社イーソル、車載機器や家電製品へのロボット制御フレームワーク「ROS」の導入支援を開始

イーソル株式会社(以下イーソル)は、組込みシステム向けにオープンソースのロボット制御フレームワーク「ROS(Robot Operating System)」を適用するエンジニアリングサービス事業を開始を発表した。これにより、車載機器や医療機器、ヘルスケア製品、家電製品、娯楽機器など、ロボット以外の市場においてロボット技術の適用を容易にし、製品化および市場への製品投入期間の短縮に貢献できるという。

イーソルは、従来UNIX系OSを標準環境としていたROSを、μITRON仕様準拠リアルタイムOSやメニーコアプロセッサにも対応したリアルタイムOSに移植した実績をベースに、ノウハウや知見を積み重ねてきた。本サービスでは顧客が小規模な組込み機器でROSの機能を利用できるように支援していく予定だ。

ROSは、アメリカのWillow Garage社が中心となって開発したオープンソースソフトウェア(OSS)のロボット用アプリケーションフレームワークであり、UNIX系OSのUbuntuが標準環境となっている。ノード同士の通信機能や、シミュレーション・経路計画・可視化・ロギングなどの開発ツール、ロボティクス向けライブラリ、ユーザコミュニティによるエコシステムが提供されるため、ロボット向けアプリケーション開発を行いやすい。ロボット制御に適した分散システムの構築に適した設計で、アルゴリズムの変更も行いやすくなっている。

近年、自動運転システムや産業用ロボットなど、組込み機器でROSを利用した研究開発が進められており、その需要は高まっているといわれ、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による「2035年に向けたロボット産業の将来市場予測(国内生産量)」では、医療や介護・福祉、ヘルスケア、物流、レスキューなどのサービス分野において、ロボット市場は2015年の3億7千万円から、2035年までに4兆9千億円に成長すると予測されている。

しかし、ROSはPC環境を想定し標準OSがUbuntuであるため、組込みリアルタイムOSと比べてオーバーヘッドが大きくリアルタイム性の確保が難しい、OSSゆえに品質保証が商用と比べて十分でない、など組込みシステムへの適用には課題も多く存在していた。

イーソルは1975年の創業以来40年にわたり、リアルタイムOSプラットフォーム技術を中核とする、組込みシステム向けのエンジニアリングサービスを提供している。数多くの知見やノウハウをベースとして、車載機器開発環境におけるCANドライバ対応やPoint Cloud(点群)の補正・フィルタ処理、ROSが提供するrviz、rosbagツールのカスタム、産業用ロボット実験環境の構築に向けたWindows®搭載PCとROSのブリッジ機能、ヒューマノイドロボット技術に関する調査の中で実施したROSとOpenRTM-aistのシミュレータ連携など、様々な分野での開発実績がある。またイーソル製μITRONベースリアルタイムOS「PrKERNELv4」上にROS環境を構築し、小規模な組込み機器でROSの機能の利用を可能にした。

2015年11月に開催された「あいち ITSワールド 2015」でデモ走行を行った自動運転車に採用された自動運転プラットフォームは、シングルコアからメニーコアプロセッサまでをスケーラブルにサポートするイーソル製リアルタイムOS「eMCOS」にROSを対応させた「ROS on eMCOS」を搭載し、その上に自動運転システム用ソフトウェア「Autoware」を組み合わせて開発が行われた。

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イーソル(eSOL)

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