ISIDとローム、Bluetooth Low Energyと920MHz帯無線通信の双方を活用した屋内作業の可視化システムを開発

株式会社電通国際情報サービス(以下 ISID)、ローム株式会社、ロームグループのラピスセミコンダクタ株式会社の 3社は、共同開発中のIoTインフラ「SynapSensor(シナプセンサー)」を用いて、屋内で稼働する作業車の位置や稼働状況などをリアルタイムで可視化するシステムのプロトタイプを開発した。

建設中のビル等の作業所では、高所作業車やフォークリフト等多数の作業車が同時に稼働しており、超高層ビルやショッピングモールといった大規模な作業所ではその数は数百台に及ぶ。

これら屋内で稼働する作業車にはGPSが利用できず、位置情報の取得が困難なため、計画どおりのフロアや位置で稼働しているかどうかといった作業進捗が把握しづらく、また運転者のシフト交代時や急な作業変更が発生した際には、対象の作業車を現場で探し回る、といったことも日常的に行われている。また現場の使用環境や作業中に受けた衝撃等の情報もタイムリーに把握できず、車両ごとのメンテナンス時期の予測が立てづらいことから、運用の効率化が課題となっているという。

SynapSensorは、Bluetooth Low Energy※1と920MHz帯※2無線通信を用いて、安定した通信の下で消費電力の少ない大規模センサーネットワークの構築を可能にするIoTインフラで、3社が共同開発し 2016 年度中の製品化を目指している。

SynapSensorを用いることで、屋内で稼働する多数の作業車の位置情報がリアルタイムで取得できることに加え。様々なセンサーデータを同時に収集できるため、周囲の温湿度、受けた衝撃回数、現在誰が運転しているか、といった稼働状況を併せて可視化することが可能となる。これにより、現場作業やメンテナンスの効率化、車両の最適配置につながることが期待されている。

SynapSensorについて

SynapSensorは、センサーデータを非接続(Bluetooth ペアリング不要)で、位置情報と共にクラウドに格納する IoT インフラであり、センサーデータを集約するネットワークの構築に 920MHz 帯無線通信を利用することにより、Wi-Fi など、他の一般的な無線ネットワークと比較して、安定した通信の下で、消費電力の少ないセンサーネットワークを構築することができるという。また、広範囲からデータを集められるため、設置機器数と通信コストの低減も可能だ。

3社は、これまでに様々な領域で実証実験を重ねており、ロームグループでは2016年度中にSynapSensorユニット(ハードウェア)の製品化を計画、ISIDは SynapSensorを活用した各種サービスアプリケーションの開発に取り組んでいる。
シナプセンサー仕組み

各社の役割と今後の展望

SynapSensorの製品化に向けた活動において、ISID はシステム全体の構成検討、クラウドを活用したデータ収集・解析システムの構築、解析結果を可視化するサービスアプリケーションの開発、他のIoT 関連ソリューションとの連携による適用領域や実現機能の拡充検討を行い、SynapSensorを用いたIoTソリューションのインテグレーションを担っている。

ロームとラピスセミコンダクタは、920MHz 帯無線通信モジュールに BP35A1(ラピスセミコンダクタ ML7396B 搭載)、Bluetooth Low Energy無線通信モジュールに MK71050-03を使用し、双方の通信規格ならびに実装技術の強みを生かした SynapSensorのセンサーネットワーク設計と製作を担っている。また、IoTの業務利活用を見据えた様々なセンサーデバイスの開発、提案を通じ、実証実験を通じたビジネス開拓を行っていく予定だ。

※1 Bluetooth Low Energy 無線通信技術は、Bluetoothの新しい規格である Bluetooth Core Specification Version 4.0 以降に採用されている、省電力で無線通信を可能にする技術。
※2 920MHz 帯は、2012 年から日本国内で新たに解禁された周波数帯。無線LANやBluetoothなどで広く用いられる2.4GHz帯に比べて、伝送速度は劣るものの、通信距離が長い・障害物を電波が回り込んで届く特性が高い・低消費電力で稼働するといった特性があり、今後、スマートメーター(次世代電力量計)などへの応用が期待されている。

【関連リンク】
電通国際情報サービス(ISID)
ローム(ROHM)

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