NEC、製品の指紋を識別し製造業のトレーサビリティを実現する「GAZIRU個体識別サービス」の提供を開始

NECは物体指紋認識技術を活用した画像認識サービスを製造業向けに機能強化した「GAZIRU個体識別サービス(個品管理)」を、10月28日より提供開始する。

新サービスでは、製造工程における個品管理を実現することで、完成後の製品だけでなく、製造工程の素材、部品にまで遡ることが可能な、製品出荷後のトレーサビリティの実現に貢献するという。

新サービス提供にあたり、NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」の要素技術であり、工業製品や部品の表面に自然発生する微細な紋様(物体指紋)を認識する「物体指紋認証技術」の強化が行われた。今までと比べて1/10程度の微細な紋様を認識可能とすることで、従来の真贋判定だけでなく、個体毎の識別や、表面が平滑で個体差が少ない部品や部品の材料となる素材なども識別が可能となった。これにより、製造履歴を管理する製造業向け個品管理が実現できる。

NECは「社会ソリューション事業」に注力しており、その中核領域の一つであるIoT事業を強化している。本サービスは「NEC the WISE」を活用したサービスで、「NEC Industrial IoT」の中核に位置付けられている。

背景

世界中の様々な有形物(モノ)がインターネットと繋がっていくIoTでは、まずモノを見える化する認識技術が必要になってくる。この認識技術がより高度化・高速化することで、小さなモノや個々の特徴が少ないモノなど、今まで区別化が難しく認識できなかったモノを大量に認識できるようになり、IoTによる新しいモノの管理方法が求められている。

大量にモノの管理が必要となる製造業においては、完成後の製品管理に加え、シリアルナンバーの付与ができない完成前の材料や未完成な部品の製造管理など、個々の製品における製造履歴の厳密な管理(トレーサビリティ)が課題となっているという。

新サービスの特長

素材・部品の個体識別も実現

「物体指紋認証技術」を用いた従来の真贋判定サービスでは、完成品表面のロゴ等の特徴的な紋様を基準として識別していた。新サービスでは、製造工程における認識対象物の撮影方法・撮影環境の最適化や、撮影後の情報処理アルゴリズムの強化により、従来より1/10程度の非常に微細な紋様を認識することが可能となった。これにより、従来の真贋判定だけでなく、同一の生産環境で製造される個々の部品や、表面が平滑で個体差の少ない精密機械部品、さらに部品の材料となる素材などの個体識別を実現した。

本サービスでは、各種APIを提供することにより、既存のシステムやアプリケーションと容易に組み合わせることが可能である。例えば、認識する対象物の個体登録や照合を実施するAPIを提供することにより、既存の管理システムや管理データと連動した個体登録や照合が可能となる。

工場内から製品出荷後までのトレーサビリティを実現

シリアルナンバーの付与ができず、これまで個々の管理ができていなかった部品やそれらの部品の材料となる素材まで含め、すべての部品や素材について、完成までの各製造工程で撮影・識別を行うことで、個々の個体識別データをクラウド上で管理可能となる。

製品に不具合があった場合、その製品を製造するために使われた部品や素材のデータを、それらに対するすべての製造履歴データと共に検索することで、同じ不具合を抱えた他の製品を、素早く特定し、回収・点検することもできる。このように、製品出荷後だけでなく、製品出荷前の製造工程における素材、部品にまで遡ることが可能なトレーサビリティを実現できる。

個品管理したい対象物に手を加えることなく個体を識別できる本サービスを活用することで、識別用シールやICタグを準備する手間や、それら識別用アイテムを識別したい部品や素材へ装着する手間を削減した個品管理に加え、識別用シールやICタグの装着が困難な製品、および素材、部品の個品管理も実現することができる。

【関連リンク】
日本電気(NEC)

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