富士通、人工知能技術で医師の迅速な意思決定を支援

Fujitsu Laboratories of Europe(以下、FLE)とFujitsu Spain(以下、富士通スペイン)は、医師による迅速な意思決定プロセスを支援する新しいヘルスケアシステムAdvanced Clinical Research Information Systemを試作しマドリッドのサン・カルロス医療病院で実証を行った。

同システムはサン・カルロス医療病院の精神病の分野における専門医とFLE、富士通スペインが連携し、スペインの医療現場で求められる要件を満たすために、FLEの先端的データ解析技術と株式会社富士通研究所の匿名化技術を組み合わせ、ヘルスケア分野に応用して開発したもの。同システムの実証を行った結果、患者の記録を基にした診断にかかる時間を半減できたという。これにより、医師は患者の問診により多くの時間をかけることが可能になる。さらに、従来よりも高精度に患者の潜在的なリスクを発見することが可能になるという。

今回開発された技術は、富士通スペインのクラウドサービスまたはプライベートクラウドサービスにおいて、将来の新しい医療API(Application Programming Interface)の基盤としていく予定。

実証は6か月以上にわたり、サン・カルロス医療病院の精神病の専門医が参加して、匿名化された3万6,000名以上の患者の情報を使用。Advanced Clinical Research Information Systemは、この患者の情報や医療関連の論文情報などの関係性をグラフ構造で表現したデータを入力情報として、グラフデータ解析技術(注1)、セマンティックモデル化技術(注2)などの人工知能技術を実装して開発された。

同実証において各医師が、患者のこれまでの診断結果や合併症、自殺の潜在的リスク、薬物依存、アルコール依存などの未解決問題の関連性について同システムを利用して調査したところ、迅速に鍵となる臨床データを系統立てて検証でき、臨床における既存の問題点を特定できるなど、非常に高い精度のリスクアセスメントが実現。その結果、自殺・アルコール依存・薬物依存のリスクを85%以上の精度で算出できたという。

注1 グラフデータ解析技術:グラフ構造によって表現されたデータを解析する技術(ここではグラフ構造で表現された患者データを解析する技術)。
注2 セマンティックモデル化技術:情報を意味構造を持つデータモデルに変換する技術(ここでは患者情報をグラフ構造化する技術)。

提供:富士通

【関連リンク】
富士通研究所(FUJITSU LABORATORIES)
富士通(FUJITSU)

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