DJI、プロフェッショナルな映像制作を可能にする2つのドローンを発表

無人航空機(UAV)技術を有するDJIは、プロフェッショナルな映像制作を可能にする2つのドローン「Inspire 2」と「Phantom 4 Pro」を発表した。「Inspire 2」は、いつでもすぐに飛行を開始することができ、ハイエンドな映画やビデオクリエイターのための最適なフライングプラットフォームだ。また、「Phantom 4 Pro」は、このサイズのドローンとしては非常に高性能な空撮用ドローンだという。

Inspire 2

DJI、プロフェッショナルな映像制作を可能にする2つのドローンを発表
「Inspire 2」は、パワフルかつ操作も簡単。剛性かつ軽量になった新しいマグネシウム・アルミニウム合金の機体は、機敏な動作を実現し、最高時速 108km、4秒で時速80kmまで加速する。新しいデュアル・バッテリー・システムを採用し、最大飛行時間27分を実現。

新しく機体の前方に取り付けられたカメラは、パイロットにマスター送信機を操作するための最適なフライトビューを提供する一方で、カメラオペレーターは、ジンバルに取り付けられたプロフェッショナル向けZenmuseカメラからの映像を受信する。「Inspire 2」は最新のZenmuse X4SとX5Sカメラに対応し、それ以外にも対応するカメラが今後追加される予定だという。

まったく新しい画像処理システムであるCineCore 2.0が機体に組み込まれているため、大容量ファイルをこれまで以上に高速で処理することが可能。「Inspire 2」は、Cinema DNG RAW向け5.2K映像を 4.2Gbpsで撮影し、新たに設計された高速CINESSDストレージに記録することで、スムーズなワークフローをサポートする。CineCore 2.0は、Cinema DNG、Apple ProRes 422 HQ(5.2K、4K)、ProRes 4444XQ(4K)、H.264、H.265 を含むさまざまな映像圧縮フォーマットに対応している。また、H.264とH.265で4K映像を録画する際のビットレートは最大100Mbps。

「Inspire 2」は、さまざまな現場の撮影に最適な性能と飛行制御を提供する。別売の高度飛行用プロペラを使うと、「Inspire 2」の運用限界高度の海抜5,000mまで上昇することが可能。さらに、温度が-20°C以下になると、自己発熱型のデュアル・バッテリー・システムが作動し、パフォーマンスを良好に保つ。「Inspire 2」は、最適化されたモードにより、広く使用されている放送規格である1080/50i /720p60 にも対応し、より滑らかな映像を伝送する。また、強化されたLightbridgeにより、よりスムーズなHDMIにおけるビデオ伝送が可能になった。

デュアル・バッテリー・システムの採用により、飛行中1つのバッテリーが機能しない場合でも、もう1つのバッテリーが電力を供給し、安全に帰還することができる。障害物を検知するために、「Inspire 2」の前部と下部にステレオ・ビジョン・センサーが搭載されている。さらに閉ざされた空間で飛行させる場合は、機体上部に取り付けられた赤外線センサーが機体を衝突から守る。

再設計された推進システムにより、「Inspire 2」の安全な飛行と優れた垂直移動を実現。毎秒7mで上昇し、毎秒9mで下降する。慣性測定装置(IMU)、気圧計、ESC通信、および衛星ナビゲーションモジュールは冗長化することにより信頼性が高められた。

「Inspire 2」の新しいインテリジェント・フライト・モードは、DJIのコンピューター・ビジョン・テクノロジーを拡張し、安全な飛行を実現。クリエイターが思い描くとおりに映像を撮影するための新しい方法を提供する。Spotlight Proモードでは、機体を自由に飛行させながら、カメラが被写体をロックする。ジンバルが360度以上回転すると、機体が自動で回転し、360 度以上回転するカメラワークに対応。

TapFly(タップフライ)モードでは、機体前方に取り付けられたカメラを活用することで、「Inspire 2」を障害物から回避させながら、ディスプレイ上でタップした地点に向かって飛行できる。ActiveTrack (アクティブトラック)は、前方の障害物検知システムが人や車、動物といった一般的な被写体を認識し、機体を安全に保つことができる。常に前方を飛行しながら、 Inspire 2 が被写体を追尾したり、リードするように被写体の前方を飛行したり、上空を旋回させたり、並走させたりすることができる。

DJIは、「Inspire 2」の映像制作のポテンシャルを拡張するために、交換可能な Zenmuseカメラシリーズも新たに発表した。空撮に特化したZenmuseカメラは、ジンバルとフライトコントローラーと直接通信できるように設計されている。Zenmuse X4Sは、重量と画質のバランスが必要な撮影に適しているという。2,000万画素の1インチセンサーを搭載し、ダイナミックレンジは11.6ストップ。レンズの焦点距離は24mm。F値がf2.8-11に対応し、メカニカルシャッターは、画像の歪みを回避する。

Zenmuse X5Sは、2,080万画素の大型マイクロフォーサーズセンサーを搭載し、ダイナミックレンジは12.8ストップ。現在、Zenmuse X5Sカメラは広角からズームまで8種類のレンズに対応している。また、DNG RAW(20.8MP)で毎秒20枚のバースト撮影も可能。

今後、手持ち型マウントがZenmuse X4SとX5Sのカメラで使用できるようになり、これらのカメラを使用した映像撮影の柔軟性が高まる。

DJIのパワフルなアクセサリーシリーズが、多様な撮影現場のニーズに対応。さらに、DJI Focus、バッテリー充電ステーション、DJI CINESSDやその他の別売アクセサリーも使用できる。

別売のDJI Crystalsky高輝度IPSモニターには非常に明るいディスプレイが付いており、直射日光の下でも視認性が高く、屋外での撮影に理想的。5.5インチと7.85インチのサイズのディスプレイがあり、最高輝度はそれぞれ 1000cd/m2 と 2000cd/m2。専用システムにより映像伝送の遅延も減少している。ディスプレイにデュアルSDカードスロットを内蔵しているため、映像のバックアップが容易で、ファイルの転送や再生にも使用できる。-10~40°Cの厳しい環境でも動作するという。

Phantom 4 Pro

DJI、プロフェッショナルな映像制作を可能にする2つのドローンを発表
「Phantom 4 Pro」は、プロフェッショナルレベルの写真と映像を撮影するパワフルなドローン。一方でクリエイティブな作品を作るために、素晴らしい性能のカメラとプラットフォームを必要とする愛好家にとっても、最適なドローンだという。カメラには1インチ、2,000万画素のセンサーが搭載され、約12ストップのダイナミックレンジにより、繊細な表現が可能で、微光下においても優れたパフォーマンスを発揮する。このサイズの空撮用のドローンとしては比類のない性能。「Phantom 4 Pro」はメカニカルシャッターを搭載しているため、高速で動く被写体を撮影した場合に画像の歪みを回避できる。

「Phantom 4 Pro」は、100mbps で記録できるので、スローモーション4K映像を、最大60fpsで撮影可能。さらに、同じビットレートで映像の品質を劇的に向上させるH.265画像圧縮も利用できる。

「Phantom 4 Pro」は、FlightAutonomy(フライトオートノミー)を採用した DJI オリジナルの障害物回避システムを搭載し、障害物の3次元マップを作成する3組のビジュアルシステムが機体の前部、後部、そして下部に設置されている。さらに、機体の左右に赤外線センサーが配置されている。

「Phantom 4 Pro」は FlightAutonomy(フライトオートノミー)で、自ら位置調整を行い、ナビゲーションし、飛行ルートを計画、障害物を回避する。検知範囲は前方、後方ともに30mまで拡大されており、複雑な3次元の環境下にも対応。帰還する場合、着陸保護機能はでこぼこな地面や水面を検知し、着陸を回避することができる。「Phantom 4 Pro」は高性能なバッテリーテクノロジーを採用し、フライト時間は最大 30 分に拡大された。「Phantom 4 Pro」はPモードで時速50kmで飛行し、スポーツモードでの最大時速は72km。

プロフェッショナルレベルのコントロールを新しい送信機で革新的で新しくコンパクトな「Phantom4 Pro」の送信機には、高輝度ディスプレイが付いている。ディスプレイには機体前方に取り付けられたメインカメラが捉えたクリアで鮮やかなHD画質の映像が映し出され、必要不可欠な飛行情報も表示される。高輝度ディスプレイのため、直射日光の下でも高い視認性が確保される。機体は電源を入れると自動で2.4GHzまたは5.8GHzを選択し、電波干渉の高いエリアでもよりクリアな信号を獲得する。新しい送信機には、内蔵型GPS、コンパス、microSDカードおよびスロット、HDMIポートがある。

新しいインテリジェント・フライト・モードにより、「Phantom 4 Pro」はこのサイズのドローンとしては、最もスマートな空撮用ドローンになったという。クリエイターは「Phantom 4 Pro」で新しい視点を手に入れ、オペレーターは新しい Draw(ドロー)モードで送信機のディスプレイ上に線を描き、「Phantom 4 Pro」をその描いた線の通りに飛行させることができるという。

ActiveTrack(アクティブトラック)は、人や自転車といった一般的な被写体を認識し、ピントを合わせたまま、どんな角度からでも追尾できる。さらに、ニューサークル、プロフィール、スポットライトの3つの新しいモードが加わった。Narrow Sensing モードは、出入り口など狭くて複雑なルートを飛行するために障害物回避機能の感度を強化している。

新しいTapFly(タップフライ)は、後方にも飛行が可能になり、フリーモードも備わっている。フリーモードでは、ディスプレイ上でタップしたどの方向でも自由に飛行させることができる。新しいARルート機能を使用すると、オペレーターはディスプレイ上で飛行ルートを指示することができる。

追加の安全機能として、GPS信号を失って1分以内で機体は自動で最後に接続された位置に戻り、パイロットの指示を待ちながらその場で正確にホバリングする。強化された Return-to-Home 機能によって、機体は最大300m先からでも飛行ルートを認識し、障害物を回避するという。

販売価格

販売価格は以下のとおり。

Phantom 4 Pro: 189,000 円(税込)
Phantom 4 Pro+(ディスプレイ付き送信機):219,000 円(税込)
※「Phantom 4 Pro」と「Phantom 4 Pro+」は、本日11/16より予約販売を開始。出荷開始は、2016年11月下旬を予定。

Inspire 2 : 361,000 円(税込)
Inspire 2 Combo*1:741,000 円(税込)
Inspire 2 Combo 期間限定価格*2:719,000 円(税込)
*1 Combo には、Inspire 2 の機体、Zenmuse X5S、CinemaDNG と Apple ProRes のライセンスキーが同梱されている。
*2 2016年中の購入者が対象。

Zenmuse X4S : 71,200 円(税込)
Zenmuse X5S : 225,600 円(税込)

※「Inspire 2」およびアクセサリーは、本日11/16より予約販売を開始。出荷開始は、2016年12月から2017年1月ごろを予定。

【関連リンク】
ディー・ジェイ・アイ(DJI/大疆创新科技)
Inspire 2
Phantom 4 Pro

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