[第5回]エネルギー・ハーベスティングで電力コストを削減する

スマートシティーのIoTを考えるとき、道路とか、橋とか、建物に様々なセンサーをつけることになるのだが、その際、大きな課題となるものの一つが「電源の確保」だ。

例えばビル全体の温度を管理しようとセンサーをしかけるのに、一つ一つのセンサーに電源を割り当てるのは現実的ではないし、いくら省電力だからといって小さな電池を付けていくのも交換時に、かなりの運用コストが発生する。

 

一方で、IoTの世界では、「エネルギー・ハーベスティング」という言葉があって、人や橋梁の振動、室内の照明光など、周りの環境から採取できる微小なエネルギーを収穫(ハーベスト)して、電力に変換することを指す。日本語では、「環境発電」などと呼んでいる。

例えば、ドアの開け閉めの際に発生する振動を利用して、得られたエネルギーでセンサーを動かし、情報を伝搬するという技術だ。

蛍光灯などの照明から採取したエネルギーを使って、センサーを動かし、情報を送るということもできる。

バッテリー廃棄の問題からも解放されるという意味でもエコだ。

これらの技術は、冒頭に書いた通り、「電池や電源がいらないのに情報を伝達できる」という画期的なアイデアから実現されており、当然のことながらスマートシティーの分野では注目を浴びている。

 

EnOcean Alliance – the wireless standard for sustainable buildings

例:オフィスの節電

オフィスの電燈がついたら、明かりを検知してセンサーが働く。電燈がつくということは部屋が暗いことだとした場合、窓のカーテンを開けて環境光を取り込む。電燈はフル出力でつける必要がないので調光する。これをビル全体で実施したとした場合の節電効果は計り知れない。

環境光でセンサーを動かせると、人がいる間だけ室内の温度を計測して効率化を図ったりしていく、ということもできる。

ドアの開閉を、ホテルのキーフォルダーにカードキーを差し込んだことを、電源スイッチがオン・オフされたことを、・・・様々な動作をセンサーが認識して、ゲートウェイを経由し、次のアクションに結びつける。

大きな建物のレイアウトをたびたび変更する企業は多いが、これまでであれば電燈のスイッチは電源を配線することから始めなければならなかった。しかし、この技術があると、スイッチは壁につけるだけでよく、スイッチをオンすると、無線で電燈をつけるということが可能になる。

EnOceanのホームページによると、2003年より25万棟の建物で利用された事例があるということだ。

この例でもわかるように、エネルギー・ハーベスティングの技術は、建物の管理にかかるコストを大きく削減することができる。

 

参考:EnOceanEnOceanの事例

 

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