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NVIDIA、NASAの小惑星の衝突から地球を守るためのプロジェクトにGPUを提供

遠く広がる宇宙の生命体の発見に取り組むNASAの活動は、大きな注目を集める。それに比べてあまり知られていないのは、この地球の生命体を小惑星から守るための、NASA の最近の計画だ。

3 つの研究者チームが GPU によるディープラーニングを利用し、この夏、NASA の Frontier Development Lab(FDL) において、SETI Institute (宇宙における生命体の研究を扱う非営利組織)と協力し、小惑星に関連する課題に取り組んだ。FDL の作業は、「リサーチ アクセラレーターの応用」により可能になった。リサーチ アクセラレーターとは、GPUによるプラットフォームであり、かつては 6 か月以上かかっていた作業をわずか 6 週間で完了し、研究者を支援した。

FDL 自体が、現在進行中の計画であるホワイトハウスの Asteroid Grand Challenge (小惑星グランド チャレンジ)への対応であり、この計画は、研究者に「人類に対する小惑星の脅威をすべて発見し、その脅威にどう対処するかを理解」してもらうことを目標としている。GPUコンピューティングの出現により、NASA や SETI のような組織は、宇宙計画に重要な大規模データセットを分析できるようになった。

FDL のディレクターであるジェームズ パー (James Parr) 氏によると、研究室の目標は、2つの方法で課題にアプローチすることだった。1 つは、機械学習の技術とテクノロジーを地球の防御に応用すること、もう1つは、応用したリサーチ アクセラレーターの実行可能性を実証し、有意義かつ飛躍的な発展を迅速に産業化することだ。優秀な大学院生 12 人のグループがインターンに選ばれ、シリコンバレーの NASA Ames Research Centerを拠点にする間、近くにある SETI の施設でそれぞれのプロジェクトに取り組んだ。

機械学習の応用

FDL はグループを 3 つのチームに分割し、3 チームはそれぞれ、機械学習のアプローチに適していると考えられる小惑星防御の各要素(小惑星の進路をそらすテクノロジーの評価、レーダー データからの形状のモデリング、隕石の位置を測定し、その組成を判定) を担当した。全体としての目標は、危険な可能性がある小惑星に対処するために重要となる、次の 3 つの問題への回答を導き出すことである。

小惑星は何でできているのか

この問題に取り組む学生は、地上の隕石を発見する自律型ドローンを設計した。彼らは、GPUによるディープラーニングモデルを利用して、25,000 の隕石のトレーニング画像に加え、1,500万の画像ライブラリを活用する、自動隕石検出システムを構築した。パー氏は、誤検出率が 0.7%という結果は依然として高すぎるものの、隕石を発見するドローンを実現する道筋は明らかになったと述べている。

小惑星はどのような形状で、その重心はどこなのか

小惑星の形状を理解することは、小惑星の進路をそらす可能性を評価する取り組みにとって重要である。しかし、1つの小惑星の形状を生成するのに、従来、5万行のレガシーコードを使用してコンピューターを長時間実行し、人間が主導する反復作業を約 4週間行う必要があった、とパー氏は言っている。

FDL チームは、GPU および機械学習の技術を応用し、小惑星の回転軸の検出を、数時間のコンピューティング作業に短縮した。そして、パー氏が「最先端の方法」とだけ呼んでいる手法を適用し、最終の反復作業になるまでレガシーコードの実行を回避した。パー氏は、数週間のコンピューティング作業を要したものが数ミリ秒に短縮されたこの初期結果は、有望であると考えられている。

小惑星の進路をそらす最適な方法は何か

これまで、小惑星の進路をそらす技術の提案を分析する取り組みでは、4 通りの軌道の可能性しか考慮していなかった。しかし、FDLのチームは、GPU と機械学習の技術を利用し、80万通りの軌道のシミュレーションに適用できる分析モデルを構築した。危機に備える取り組みが、驚くほど向上したと言える。

GPU が宇宙計画を加速

パー氏は、TITAN X 4 基と Pascal アーキテクチャー ベースの GPU 8 基を NVIDIA が FDLに提供しなければ、この進歩は実現しなかったと強調している。これらの技術により、ディープラーニングのアプローチを利用し、大規模データセットを各チームが活用できるようになった。

「(GPU は) 60 年代後半のアポロ計画にとってのマイクロプロセッサーと同様に重要だろう」とパー氏は述べ、「答えが見つかっていない問題がまだたくさんあります。地球上の人口密集地域への小惑星の衝突阻止に成功するには、これらの問題を解決しなければなりません。」とも述べている。

ソース:NVIDIA

【関連リンク】
エヌビディア(NVIDIA)

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