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アイチコーポレーション、富士通の次世代ものづくりソリューション「作業ナビゲーションシステム」を採用し、生産性向上を実現

株式会社アイチコーポレーションは、主力商品である高所作業車などの生産性と品質の向上を実現するため、株式会社富士通マーケティングの支援のもと、タブレット端末を利用した製造現場IoTソリューション「作業ナビゲーションシステム」を製造現場で構築し、2016年9月末に本格運用を開始した。

アイチコーポレーションは、多品種少量生産の現場において、それまで課題となっていた膨大な紙の図面や作業指示書を必要とする作業工程に、タブレット端末上で図面や作業指示の確認、作業記録の入力などを行う無線型IoTツールである「作業ナビゲーションシステム」を導入。ボルトの締まり具合を送信する無線通信モジュールを備えたトルクレンチ( 注 )なども連携させることにより製造現場のIoT化に取り組んでいる。さらに、収集した実績情報をもとに作業工程を見直し平準化することで、生産性向上を実現した。

システム導入の背景

アイチコーポレーションは、高所作業車や穴掘建柱車などの機械化車両の製造、販売だけではなく、その導入から運用、サービス、教育研修とすべて一貫で事業展開をしており、高所作業車においては国内トップクラスのシェアを誇っているという。

アイチコーポレーションは、高所作業車を生産するため、製造機種ごとに作業内容を図版などで示した作業指示書や作業要領書を用意している。そのため、本システム導入前は、作業員は工程ごとに作業要領書などを保管棚へ取りに行く必要があった。それに加えて、1台あたりファイル数冊分の帳票が発生しており、それらの帳票を印刷、配付、回収、保管するといった作業も発生していた。

また、作業日報を表計算ソフトで管理していたが、機種特有の異常工数も含めて計上されるなど、工程ごとの負荷状況のばらつきを正確に把握することが紙や表計算ソフトだけでは困難だった。 これらの課題を解決するため、アイチコーポレーションは、作業指示書や作業要領書をタブレット端末上で確認し、作業記録を入力可能な仕組みの構築に着手。

作業工程の見える化とペーパーレス化による作業の効率化を図るため、富士通マーケティングが提案する、スーパーコンピュータ「京」を製造するために活用された「作業ナビゲーションシステム」の採用を検討した。アイチコーポレーションが持つデータベースとの連携が可能であったことやタブレット端末により工程ごとの工数を集計でき、作業指示も可能な仕組みであったこと、さらに、投資コストを抑制しながら、段階的に「作業ナビゲーションシステム」の適用業務を拡張し構築するロードマップを富士通マーケティングが提案したことなどを評価し、導入を決定した。

特長と効果

1.作業工程の見直しと平準化により生産性向上を実現

作業指示書や作業要領書は作業者の手元にある「作業ナビゲーションシステム」のタブレット端末に表示されるため、作業ごとに書類を取りにいったり、記録した帳票を整理して次の工程へ手渡したりといった作業が不要となった。 また、各工程で作業の着手と完了をタブレット端末に記録することで、見えていなかった工程ごとの負荷のばらつきを確認できるようになり、作業の実態に基づいた最適な人員配置などの作業工程の平準化が可能となった。 これらの改善により、作業工程全体が最適化され、生産性向上を実現した。

2.「作業ナビゲーションシステム」の活用でヒューマンエラー減少による品質向上を実現

作業指示が手順を追ってタブレット端末に表示され、作業の着手と完了もタブレット端末へ記録する。また、無線通信モジュールを備えたトルクレンチを導入し、「作業ナビゲーションシステム」と連携させることにより、必要回数ネジが締められたか、規定の力でネジが締められているか、といった情報がリアルタイムで細かく記録されるようになった。

タブレット端末での作業確認と合わせ、作業ミスや作業漏れなどのヒューマンエラーによる不具合が減少し、品質の向上につながっている。 また、従来、完成品に問題が発生しエビデンスが必要となった場合、倉庫に保管された大量の書類の中からエビデンスを探す必要があった。「作業ナビゲーションシステム」の導入により、書類がすべてデータ化されたため検索が容易になり、トレーサビリティー(追跡)も格段に向上した。

アイチコーポレーション、富士通の次世代ものづくりソリューション「作業ナビゲーションシステム」を採用し、生産性向上を実現

今後について

アイチコーポレーションは、中期経営計画に掲げる高所作業車のグローバルなものづくり展開促進のため、今回導入したシステムの活用により、作業実績のデータを分析し、多品種少量生産でありながらモジュール単位などで標準化することで、さらなる生産効率と品質の実現を図る。 また、AI(人工知能)が、これまで蓄積してきたデータを分析し、『作業にばらつきが生じていている』『作業に遅れが出始めている』など、人が気付かないところも予兆を検知し教えてくれるようなシステムを目指す。

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