休まず働く工場のためのゲートウェイ/ Everywhere Cloud ─ユーロテックインタビュー

工場のIoT化を進める大きな目的の一つである「ゼロダウンタイム」。これを実現するためにはゲートウェイによるセンサーデータの収集、分析が止まることがあってはならない。株式会社アドバネット IoT Business Unit Accounting Manager 福島哲哉氏、プリセールス FAEマネージャー 右谷仁孝氏へのインタビュー

─早速ですが、御社について教えて頂いてもよろしいですか。

1981年に設立され、今年で37年目を迎えます。事業内容はインフラ市場(工場・交通・医療機器・半導体製造、研究施設等)のためのハードウェア開発から製造販売、さらにソフトウェアの開発も行っています。

2007年にイタリアに本社を置くユーロテックグループの一員となり、ユーロテックが先行して開発していたIoTプラットフォームとの連携や、ユーロテック製品の日本市場への拡販を行い、主に日本とヨーロッパ、及び北米市場を補完し合っています。

─なるほど。御社で今一番力を入れているプロダクトは何でしょうか?

IoTゲートウェイです。弊社のゲートウェイは3Gなどの通信モジュールをUSBコネクタ経由で取付けられるものと、内蔵タイプのものがあります。日本であれば、日本向けのアダプタを、北米では北米向けのアダプタに変えれば海外でもそのまま使えます。

また、クラウド(Everyware Could)ではAWS 上に実装してサービスを提供しています。JAVAベースのミドルウェアのESF(Everyware Software Framework)をゲートウェイにインストールし、クラウドとの最適な通信を実現します。通信規格はMQTTを採用しています。1990年代にMQTT規格を開発したのがユーロテックとIBM社です。

ユーロテックでは、1990年代からIoTの技術開発に取り組んでおり、一方では鉄道向けアプリケーションを中心としたハードウェア開発のノウハウも持ち合わせていますので、ハードウェアの特徴を十分に理解したIoTソリューションと言えます。

 

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左:株式会社アドバネット IoT Business Unit Accounting Manager 福島哲哉氏/中央:株式会社アドバネット プリセールス FAEマネージャー 右谷仁孝氏/右:IoTNEWS代表 小泉耕二
 

─ゲートウェイを利用した具体的な事例はありますか?

日立パワーソリューションズ様とパートナーを結んでおり、日立パワーソリューションズ様が開発した予兆診断エンジン「HiPAMPS-Edge」と当社のゲートウェイを組み合わせて予兆診断ソリューションを展開する予定です。

名前にEdgeと入っていることから分かる通り「HiPAMPS-Edge」はエッジ、つまりセンサーなどから取得したデータを基に、ゲートウェイで設備の故障などの予兆診断をするためのアプリケーションです。

更に詳細且つ大規模な予兆や分析を行いたいという場合には、クラウド上で処理を行う「HiPAMPS」をご利用戴くという二つの流れになります。案件によってエッジ/クラウドのどちらかを、或いは両方をと使い分けですね。これからのIoTの普及で懸念される帯域の逼迫や通信料の増大に対して、最適なエッジコンピューティングを取り込んだ先進的な事例です。

─先ほど仰っていた、ESFの中で日立パワーソリューションズ様のアプリケーションを動かしているということですね。ゲートウェイというエッジの部分にアプリケーションを載せることのできる利点を聞かせて頂いてもよろしいですか。

末端から上がってくる情報をAIやディープラーニングで分析を行うといったことはクラウドで行えます。しかし、デバイスの状態管理や遠隔操作を行ったり、インダストリーで特に重視されるセキュリティなどの面を、クラウドからすべてカバーできるかというと、どうしても担保が難しい部分があります。そこでゲートウェイにミドルウェアを入れて、そういった部分を担保する必要があります。

弊社ゲートウェイのマネージメント部分はパッケージ構成になっており、その上にインターフェースを準備しているため、ビジネス・インテリジェンスのアプリケーションソフトウェアを後から追加し易いということも特徴の一つとなります。

また、ゲートウェイ自身が設定内容のバックアップを取り、ロールバックできるような仕組みもあります。産業系を前提とする以上、電源が切れてしまうことは絶対に避けなければなりません。ゲートウェイの種類にもよりますが、電源供給が途絶えても30分程度ならセルフ稼働できるような機種もあります。

機能面はどうしても値段とトレードオフなってしまう部分なので、お客様のご要望によって選択が出来るようなラインナップをご用意しています。

─ゲートウェイだとストリーミングデータが来たときに捌けるのかと聞かれるとは思いますが製品間での差はどのような感じでしょうか?

ゲートウェイの製品によってはCPUのクロック数、コア数を選択できます。単純にセンサーから得たデータをクラウドに上げたいという用途であれば、ある程度の性能で大丈夫ですが、前述の「HiPAMPS-Edge」のような解析をゲートウェイ内で行う場合は、上位の製品が必要になると思います。

─種類が選べるんですね。日立パワーソリューションズ様のアプリケーションもゲートウェイの中で学習してるわけではなく、学習済みのアルゴリズムを搭載するんですよね?

そうです。アルゴリズムの更新などがあった際には、遠隔で世界中の弊社ゲートウェイに一斉に配信ということもできます。逆に例えばビルの中の2階のゲートウェイだけに配信といったこともできるようになっています。

─徐々に出てきていますが、今おっしゃっていただいたような細かい管理ができるものっていうのは案外少ないですよね。産業系での使用を想定しているとのことでしたが温度帯はどの程度を想定していますか。

製品にもよりますが-40℃から70℃の動作温度範囲となっています。
また接続という面でも車載で主に使用されているCANインタフェースにも対応しています。

─なるほど、御社のクラウドサービスについてお伺いしてもいいですか。

「Everywhere Cloud」という名前でパブリッククラウドサービスとして提供しています。ゲートウェイにはESFを標準搭載していますので、スムーズにクラウドと繋ぐことができます。また、他社の製品でもアレンジすれば接続できるように構築しています。オンレプミスで利用される場合はライセンスでのご提供も可能です。

通信プロトコルはMQTTを採用しているのでクラウドにVPN接続することも可能です。MQTTの利点としてはゲートウェイから先のデバイスに対してNATを超えてリモート管理ができることです。

 

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IoTNEWS代表 小泉耕二
 

─なるほど。ではゲートウェイだけ見て、その先はよくわからないということはなく、その先の全部1個ずつ管理できますね。

はい。そこを管理できるパッケージがESFになります。

─本日はありがとうございました。

 
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