IoTとロボットが連携する未来 -PepperWorld 2017レポート

ソフトバンクの年次イベントPepper World 2017 が2月8日―9日に虎ノ門フォーラムで開かれた。イベントの2日目に、ソフトバンクロボティクス事業推進本部の本部長吉田健一氏と、昨年ソフトバンクグループに売買されたアームホールディングスの副社長Ian Ferguson氏による「IoTとRobotの未来について」と題した基調講演が開催された。

ソフトバンクグループのIoTビジョン

最初に、Ferguson氏がソフトバンクグループのIoTのビジョンを説明した。Ferguson氏が現在単独であるIoTシステムは、「System of systems」につなぐことでIoTの正の価値が生まれると述べた。

また、IoTが新しい分野にも採用されていくとともに、ネットに繋がっているデバイス数が飛躍的に増え、送信されるデータ量も膨大になる。その結果、エッジでの分析が必須になってくるのだという。

エッジデバイスで分析ができることで、必要なデータだけをクラウドに送ることで済むからだ。この仕組みは、自動運転車などにとって特に大切といえる。

今後、IoT技術におけるエコシステムの重要性を指摘し、IoTのアプリケーションが多く開発されることで、IoTの可能性が最大限に発揮できると述べた。

ロボットとIoTの連携

続いて、吉田氏がロボットとIoTの連携について説明した。

吉田氏によると、IoTに関するロボットの価値は顧客のエンゲージメントにあるのだという。

IoTとロボット連携の将来について -PepperWorld 2017レポート

店内でチラシやデジタルサイネージを置いても、なかなか売り上げが伸びないことが多いのだが、人間に近いレベルで顧客を動員する力を持っているPepperは効果的だったという。

例えば、ビッグカメラで行われたコイズミ社製のヘアドラヤーの場合、Pepperが顧客にドラヤーを試すように声をかけることで、実際に試す顧客数は増え、売り上げが三倍増加したという。ロボットの役割がヒトとエンゲージメントすることでIoTに命を吹き込むのだ、とソフトバンクの吉田氏は語った。

また、今年のPepper Worldで展示されたPepperアプリケーションはほとんどIoTに関するものだったと吉田氏が続けた。

病院用のソリューションの場合、顧客がPepperのディスプレイに向かっていくつかの質問に答えると、その結果が自動的にプリントアウトされ、医者に渡される。

他にも、Pepperがすし屋とワインバーで扱われる場合、あるいは店の案内、決済やクーポン発信に採用されている、と顧客にスムーズな体験が提供できるのだという。

ロボットとIoTの将来

基調講演の後半では、Ferguson氏がIoTとロボットの将来について吉田氏の質問に答えた。

吉田氏:PepperとIoTの将来をどう思っていますか?

Ferguson氏:目先のコラボでいうと、工場にしても、ロジスティックスにしても効率化がベースラインになって、その上で、データを貯めることで、IoTが新しい領域に広げていく(略)。

吉田氏:コンシューマのホーム領域に関してはどうだろうか?

Ferguson氏:人間にとって技術を扱う時の快適さが大切だと思います。

人間がロボットとエンゲージメントする時、快適な人間対ロボットのユーザインタフェースや、質の高い音声対話が大事です。

この数か月間、アメリカでAmazon Alexaの急速な普及を見て、人間とロボットとが快適に交流できるようになってきていることがわかるということは、ロボティクス全体にとって重要な出来事と言えます。

ロボットは家ナカのすべてのIoTデバイスを繋ぎ、意味つける役割を持つべきだ。人間対ロボットの自然なインターフェースが実現できれば、エンゲージメントは快適になり、ロボットは人の家に入ってもよくなる。

その後は、銀行や病院にでもロボットとエンゲージメントするようになる。

吉田氏:マン・マシン・インタラクションにおいて文化違いの影響は、あると思いますか?

Ferguson氏:全体的に、地理によっては差がないと思います。一つの差がある領域があるとすると、ヘルスケアだと思います。

IoTとロボット連携の将来について -PepperWorld 2017レポート

この分野は、個人データの共有習慣によって生まれる差があり、国によって、あるいは法律によっての違いがあります。おそらくこの意味で地理的な違いが現れるのは自動運転車の分野でしょう。アームとソフトバンクは消費者が自分のデータの持ち主であり、データの使い道を知る権利があるという点で一致しています。

吉田氏:ロボットとIoTの連携に関して、各社はどういうところから取り組んだらいいですか?

Ferguson氏:アプリケーション面からいうと、PepperのAPIがオープン化された今、ヘルスケア、建設などの各分野用のアプリケーション開発は連携の第一ステップであるといえます。一方で、技術面からいうと、効率性の向上や、より安全かつ安定的な技術が求められるでしょう。

最後に、吉田氏がPepperとIoTのコラボレーションを促進する「Pepper IoT Connect」プロジェクトを発表した。

IoTとロボット連携の将来について -PepperWorld 2017レポート

同プロジェクトは、PepperとIoTデバイスを連携させるアプリの認証や認定である。さらに、開発者が試しにアプリを開発できるため、Microsoft AzureプラットホームのSDK ・ API を6月まで無償に提供する予定であると述べた。

プラットホームのおかげでビッグデータを収集できる他、コードの数行を書くだけでPepper とデバイスの連携ができる。

同サービスへの申し込は2月9日からスタートし、ソリューション開発をサポートする目的で、ソフトバンクはテクニカル・ワークショップを行う予定であると述べた。

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Softbank
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