ユビキタス、ディスアグリゲーション技術を電力事業者向けに提供開始

株式会社ユビキタスは、住宅の総消費電力量データから各電気機器の利用状況を把握するディスアグリゲーション(※1)技術を使用したサービス「Navi-Ene Bizディスアグリゲーション」を2017年4月1日に提供開始することを発表した。

同サービスで使用されるディスアグリゲーション技術では、電力用スマートメーターのBルート(※2)経由で取得した1分単位の世帯総電力値(瞬時電力値)を分析し、利用中の電気機器の個別電力と機器の種類を推定。併せて、同技術を利用して住宅内の居住人の活動状況を数値化し、指標化した値(以下、生活反応指標)を提供する。電力事業者は、これらのデータを自社サービスの効率化や、電力利用者に対する新たなサービスの開発などに役立てることができる。

同サービスの利用イメージは以下の通り。

  • 電力モニタリング
    ・世帯毎にディスアグリゲーションした電力消費量を機器の種類毎に再集計し、電力使用の全体傾向をモニタリング。
    ・デマンドレスポンス(DR)※3、ネガワット取引(※4)、バーチャルパワープラント(VPP)※5の運用などへの応用。
    ・モニタリングデータを需給予測システムに提供し、電力予測に応用。
  • 生活反応指標を利用したサービス連携
    ・在・不在を推定。宅配サービスで再配達率を抑制するなど、配送システムの合理化に活用。
    ・生活反応指標の変動パターンを解析して簡易的な見守りサービスを提供。

同サービスの特長は以下の通り。

  • 専用計測器の設置が不要
    既存のディスアグリゲーション技術では、電流・電圧の波形を1秒ないしそれ以下の単位で分析するために専用計測器が必要。しかし、同サービスではECHONET Lite規格に対応したホームゲートウェイ機器などを設置すれば、電気工事を伴う専用計測器を使わずにサービスが利用できる。
  • 扱うデータ量を抑え、運用費を抑制
    1分値のデータで電力分析を行う。1秒値での分析と比較してデータ量を1/60に抑えられるため、クラウド利用にかかるコストなどを抑えられる。
  • 生活反応指標の利用でさまざまな生活サービスと連携可能
    電力消費情報から居住人の活動状況を数値化した生活反応指標を提供、さまざまな生活サービスと連携することで、新たな価値を生み出せる。

同サービスは、トーマステクノロジー株式会社がコアとなる技術を開発、ユビキタスがクラウドサービスとしての開発および実装を行い、加賀電子株式会社との協業で展開しているHEMSソリューションのサービスメニューとして提供。Bルート対応高機能HEMSゲートウェイにより、スマートメーターから収集した消費電力量情報をクラウド上の解析エンジンで電気機器毎の消費電力情報に分離。分離されたデータは、Web APIを経由して他サービス上で利活用できる。

これまでのHEMSは、消費電力の見える化や一部機器での遠隔操作などが実用化されていたものの、導入費用の高さが普及への大きな課題となっていた。同サービスにより、スマートメーターの利活用による簡単かつ安価なサービス開発を実現することで、電力小売自由化市場での販売展開にあたり差別化要素を求める電力事業者の特徴あるサービスの開発や新事業創造を支援する。

※1 消費電力データの総量から、使用中の電気機器の動作特性に応じて具体的に機器を推計する技術。
※2 Bルート:スマートメーターで計測した電力データを宅内のHEMS機器に送信する際の通信経路。
※3 デマンドレスポンス(DR):卸市場価格の高騰時や系統信頼性の低下時に、電気料金価格の設定またはインセンティブの支払によって電力利用者側が電力の使用を抑制するよう電力消費パターンを変化させること。
※4 ネガワット取引:デマンドレスポンスによって需要抑制された電力(ネガワット)を電力事業者間で取引すること。2017年4月にネガワット取引市場が設置される予定。
※5 バーチャルパワープラント(VPP):仮想の発電所。太陽光発電機器や蓄電池、デマンドレスポンスなどを組み合わせて、一つの発電所のように機能させる仕組み。

【関連リンク】
ユビキタス(Ubiquitous)
トーマステクノロジー(Thomas Technology)
加賀電子(KAGA ELECTRONICS)

Previous

トッパン・フォームズや富士フイルムなど、最速有機CMOS回路でフレキシブル温度センサの多ビット化を実現

日立、ICTを活用した省エネ型下水処理制御システムを販売開始

Next