IoTNews出張版 本音で語る!工場をネット につないでわかったこと ーB-EN-G IoT Forum 2017 / mcframe Day 2017 レポート

2月16日、東洋ビジネスエンジニアリング株式会社(以下B-EN-G)が、製造業向け年次カンファレンス「B-EN-G IoT Forum 2017/ mcframe Day 2017」をANAインターコンチネンタルホテルにて開催した。

例年よりも規模を拡大し、IoTやAI関連など新しいテクノロジーを盛り込んだ製造業向け最新情報について計26セッションを通して紹介した。

そのセッションのひとつである「IoTNews出張版 本音で語る!工場をネット につないでわかったこと」では、株式会社ソラコム 代表取締役社長 兼 共同創業者 玉川 憲 氏、東洋ビジネスエンジニアリング株式会社 マーケティング企画本部長 入交 俊行氏が登壇し、株式会社アールジーン 代表取締役 IoTNEWS 代表 小泉 耕二 がモデレートを務めた。

工場をネットに繋いでなるべく止めずに、機動力を持ったラインを作るためにはどうしたらいいか?というテーマについて語られた。

IoTの理想形

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左:IoTNEWS代表 小泉耕二/中央:株式会社ソラコム 代表取締役社長 兼 共同創業者 玉川 憲 氏/左:東洋ビジネスエンジニアリング株式会社 マーケティング企画本部長 入交 俊行氏

セッションの冒頭では、同カンファレンスの別セッションで語られた「大量生産品と同程度のコストと価格で製造し、様々な顧客の要望に応えるマスカスタマイゼーション」について振り返った。

さらにIoTNEWS 代表の小泉は、IoTの理想形として次のように語った。『先進国は人が減っているが、顧客の要望は増えてくる。この課題をクリアするためにドイツでは、標準化を進めた。標準化をすると、部品などの取り換えがスムーズになる。顧客のニーズがあり、そこに設計や製造データが入ってきて、これをなるべく早いタイミングでダイレクトに製造現場に落とし込むのが理想』

B-EN-G 設備稼働の見える化事例

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右:東洋ビジネスエンジニアリング株式会社 マーケティング企画本部長 入交 俊行氏

IoTの理想形が語られた後、生産設備に付属している信号灯の点滅情報を無線で飛ばすことができるB-EN-Gの製品「SIGNAL CHAIN」の実際の事例について、B-EN-G 入交氏が発表した。

事例として発表されたATA Casting Tecnology社は、同じ工場の中での移動がクルマで1時間もかかるため遠隔監視に加え、夜勤の管理や現地スタッフのマネジメントをしたいというニーズがあった。

そこで「SIGNAL CHAIN」を導入したところ、24時間の稼働記録から、夜勤の一定の時間帯で設備の停止期間が長いことがわかった。停止理由を分析すると、稼働停止の一番の原因は、前工程からの素材待ちであることがわかった。このことがわかった理由は、可視化されたあとスタッフでミーティングを行い、スタッフの話を聞いたからだという。

一番良かった点としては、『設備稼働の見える化をしたことで、現地スタッフが自ら問題に気づき、改善に取り組むようになったこと』を挙げた。

ソラコム 『モバイルの民主化』

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中央:株式会社ソラコム 代表取締役社長 兼 共同創業者 玉川 憲 氏

ソラコム 玉川氏は、誰でもすぐに使えてすぐに辞められる「モバイルの民主化」という考え方を示し、モバイルの民主化が進めばマスカスタマイゼーションが可能になる、と話した。

ソラコムの製造業事例としてコマツのスマートコンストラクションや、ケイズデザインラボのモノづくり試作のための切削加工機に、リモートアクセス・操作機能を提供していることを挙げ、利用料金として下記のように紹介した。

・動態管理:毎分、位置データ(数百B) 約303円/月
・決済端末:毎日、1000決済(数KB/決済) 約350円/月
・デジタルサイネージ:毎晩、新規広告Data(16MB) 約396円/月
・業務端末&モバイルワーカー:毎月、300MBのデータ 約480円/月

社内ネットワークを使わずに、後付けが容易でセキュアなモバイル通信かつ、手の届きやすい価格であることがソラコムが選ばれる理由になっているという。

玉川氏は『セルラーの通信は動画などの大きなデータを上げ続けることは向いていない。エッジ側で対応した方がよい処理とクラウドに上げた方がよい処理は、コストで判断するのはひとつの目安になるのではないか』という本音も語った。

明日から始めるIoT

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B-EN-Gに依頼をすれば、約1日でIoTを始められる。

これまで「SIGNAL CHAIN」は海外工場の対応はできていなかったが、ソラコムと一緒にサービスを提供することで、海外の工場でも明日から簡単にIoTができるようになったという。

ソラコムも元々海外対応はしていなかったが、製造業の顧客から「海外でも使いたい」という相談を受け、昨年約30億円の資金調達を完了し、グローバル化に対応した。昨年12月にアメリカで販売を開始し、すでに120か国で使える。販売体制が整えば日本での販売も開始するという。

これまではそれぞれの国のSIMを使う必要があったが、ソラコムのSIMがあれば120か国どこでも使うことができる。収集したデータはどこの国のものでも、SORACOM Doorを利用し日本やアメリカなどのデータセンターに集約することが可能だ。

必ず問題になるセキュリティ

ソラコム玉川氏は『IoTとセキュリティはトレードオフがある。クラウドやインターネットのテクノロジーによって工場やオフィスが分散していてもデータを管理できることは非常に便利だが、一方でセキュリティの懸念も出てくる』と述べ、下記図のようにモノ・インターネット・クラウド上での危機について説明した。

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ソラコムは、収集したデータをインターネット経由で集めるところには危険があるため、どのようにしたら企業向けのプライベートなIoTネットワークを提供できるか考え、サービスを作っている。

玉川氏によると、今顧客に一番喜ばれているのはSORACOM Canalというサービスだという。これはSORACOMがクラウド内の顧客自身のネットワークエリア(閉域網)に直結するサービスで、IoTとセキュリティのトレードオフをテクノロジーで解決した一例だそうだ。

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クラウドを利用しておらずデータセンターを持っているという企業には、SORACOMと専用線で接続するサービスSORACOM Directを提供している。さらに、専用線までは必要ないという企業のためには、安価なインターネットVPNで接続するサービスSORACOM Doorも用意している。

B-EN-Gは、ソラコムのセキュリティ対応のおかげで工場への話もしやすくなったという。

PoCの壁を乗り越えてほしい

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最後にB-EN-G 入交氏は、「2手、3手先のシナリオを考え、小人数でやらずに周りを巻き込んでPoCの壁を乗り越えてほしい」と締めくくった。

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