センシグナル、IoT向け通信プラットフォーム「NETDWARF」を開発

株式会社センシグナルは、IoT用途を想定した通信プラットフォーム「NETDWARF」を開発した。商品化へ向けた第一弾として、組込用3G通信モジュール「obsidian(オブシディアン)」のクローズドβプログラムを、本日2月22日より開始した。

同プラットフォームは、クラウドサービス「NETDWARF cloud」、通信機能に加えプロセッサ・メモリ・ストレージ・電源回路等をコンパクトに実装したプログラマブル通信モジュール「NETDWARF device」、そして「NETDWARF device」用の拡張基板「NETDWARF leaf」で構成されている。ユーザーは、プラットフォーム全体を採用する必要はない。「NETDWARF device」のみでも利用でき、ニーズに合わせて必要な要素を自由に組み合わせることが可能だという。
センシグナル、IoT向け通信プラットフォーム「NETDWARF」を開発

  • 「NETDWARF device」
    「NETDWARF device」は、通信と制御を担うデバイスで、当初「obsidian」の1種類のみ提供される。「obsidian」は組み込みやすさに配慮し設計されたプログラマブル3G通信モジュールで、プロセッサ・メモリ・ストレージ、I/Oおよび電源回路までをコンパクトな基板に実装したハードウェアにPython実行環境を搭載し、多彩なライブラリも標準で提供、多くの開発者に親しまれているプログラム言語で手軽にコーディングし、活用することができる。

    モジュール上には2MBの内蔵フラッシュメモリも搭載、Pythonから標準のファイルシステムとして扱うことができる。また、「NETDWARF cloud」を介した通信のみでなく、HTTP/HTTPSやTCP/UDPなど汎用プロトコルもサポートし、様々なWebサービスとの連携が可能。

    無線機能は工事設計認証を取得済み、NTTドコモIOT通過済みで、通信エリアも「FOMAプラスエリア」に対応していて広い通信エリアを確保。NTTドコモ系MVNOであるSORACOM、IIJmioの回線で接続を検証している。

    なお、製品化後は、同社の販売パートナーであるスイッチサイエンスから販売を予定。

    センシグナル、IoT向け通信プラットフォーム「NETDWARF」を開発

  • 「NETDWARF cloud」
    「NETDWARF cloud」は、「NETDWARF device」を容易に活用できるようにするクラウドプラットフォームで、ユーザーと「NETDWARF device」との間で、メッセージ・データ・ファイルの送受信などを手軽に行う機能を提供。「NETDWARF cloud」を利用するための「NETDWARF device」向けプログラムライブラリ、Python向けプログラムライブラリなどは無償提供予定。

    また、「NETDWARF device」利用者でない方にも、有償での「NETDWARF cloud」提供を予定。

  • 「NETDWARF leaf」
    「NETDWARF leaf」は、「NETDWARF device」用の拡張基板。各種leafを利用することで、「NETDWARF device」に様々な機能を容易に追加できるようになる。現時点で用意されているのは、開発用の「Developer Leaf」と、ユニバーサル基板を組み合わせられる「Universal Leaf」の2種類。今後順次拡充が予定されており、温湿度気圧測定用の環境センサ、4-20mA汎用センサ、GPS、メッシュネットワーク、Arduinoシールド型、Raspberry Pi Hat型などのラインアップを計画。

「NETDWARF」では、「NETDWARF cloud」「NETDWARF device」「NETDWARF leaf」だけで完結することもでき、なおかつ外部システムとのつなぎ込みにも対応。それにより、ユーザーごとのニーズに応じて柔軟に活用方法を工夫でき、手間を節約できると同時に、実証実験レベルから実用レベルまで幅広いフェーズにおいて活用できるのが特徴だ。また、今回クローズドβプログラムを開始する「obsidian」では、既存の他の方法に比べて容易に3G通信機能を組み込むことができるという。

「NETDWARF」は、以下のような利用シーンを想定して開発された。

  • フィールドでのリモート監視
    電源やネットワーク環境の準備が困難なフィールドなどでの利用には、「NETDWARF device」と「NETDWARF leaf」に加え、外部に太陽電池と鉛蓄電池のような電源を用意。「obsidian」は省電力性に優れるため、長期間の無人監視を行う場合でも大掛かりな電源を必要としない。また、「NETDWARF cloud」を活用することでサーバ側環境構築のための工数やコストを抑えることができ、予算や期間の限られた研究プロジェクトにも適用できる。規模の拡張も容易だという。
    センシグナル、IoT向け通信プラットフォーム「NETDWARF」を開発
    電源および通信用の配線を行うことなく、フィールドでの遠隔監視を実現
  • キャンペーンやイベントなどでの活用
    電波が届けばどこでも利用できるため、データ収集にも活用できる。例えば、NFCリーダと「obsidian」を接続することで、顧客情報の収集ができ、さらに「NETDWARF cloud」との連携で、別のシステムのAPI連携なども可能になる。「obsidian」から直接別のシステムのAPIを呼ぶことも可能。
    センシグナル、IoT向け通信プラットフォーム「NETDWARF」を開発
    イベント会場など臨時の環境、タクシー等の乗り物にも対応が容易
  • 農場などのリモート監視・管理
    農場などへIoTを適用する際には、気温や湿度はもちろん、地温や土中水分量、水温やpHなど、各種センサを様々な箇所に設置することが考えられる。「obsidian」は多数の入出力を同時に利用でき、こうした複数のセンサデバイス等を集約して処理・送受信する、いわゆるエッジルータとしての利用も可能。また、温室の換気や空調、散水といった機器のコントロールにも対応できる。

今後、クローズドβプログラムを発展させ、より多くのユーザーに向けたオープンβプログラムを4月頃より開始し、2017年第2四半期の一般向け販売を目指すという。

【関連リンク】
センシグナル(Sensignal)
NTTドコモ(NTT docomo)

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