日系大手も本格的に取組みが進む、スマートグリッドの世界 ー第13回スマートエネルギーWeekレポート

2017年3月1日から3月3日まで東京ビッグサイトで開催されている第13回スマートエネルギーWeekでは、今回31ヵ国の1570社が出展した。これは、主催者によるとスマート・再生可能なエネルギー産業の世界最大級イベントということだ。

経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長藤木 俊光氏と笹川平和財団会長(国際エネルギー機関 前事務局長)田中伸男氏の特別基調講演

世界スマートエネルギーWeekの初日には、経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長藤木 俊光氏と笹川平和財団会長(国際エネルギー機関 前事務局長)田中伸男氏の特別基調講演が行われ、改正FIT法、経済産業省の省エネルギー及び再生可能エネルギー施策について説明がされた。

日本政府が進めているエネルギーミックス対策としては、2030年までに温室ガスの26%削減と電力構成比で再生可能エネルギーの22-24%導入が目標とされている。当目標を達成するに、国は徹底省エネ対策を考えているという。

その政策としては、産業別のベンチマーク制度の設定、家丸ごと省エネや、さらなる再生可能エネルギー拡大が取り上げられた。買い取り制度の導入としては、再生可能エネルギープロバイダーの中では、太陽光発電が最も伸びたが、電力源間でのバランスを取ろうと、4月1日から改正FIT法(FITとは固定価格買い取り制度)が施行されるということだ。

原発の再稼働が難しい限り、再生可能エネルギーや新エネルギー分野で成長が続くはずという。一方で、太陽光発電の成長が減速する可能性は高い。

展示レポート

さて、会場で出展社の新ソリューションを見ると、改正FIT法対策、新エネルギー買い取りプラン、大容量の蓄電システム、VPP(Virtual Power Plant, バーチャル発電所)やネガワットソリューションなど、法律変化に応じるものが多かった。

改正FIT法によってエネルギーの買い取り価格が下がるため、発電されたエネルギーを売るより自家消費するのほうがお得になる可能性が高いと思われるのだ。

このことに関して「売電から活電に」という標語が掲げられていた。この「活電」を実現できるためには、発電する電気を貯蓄し、必要な時に使うための大容量の蓄電池と蓄電池システムが大事となる。

また、2017年4月から始まるネガワット取引(需要家の節約した電力を、発電したことと同等にみなされ、「ネガワット事業者」により集約され、小売電気事業者に供給する仕組み)に適するソリューション案も現れている。

ネガワット・VPP系ソリューション

エネルギー産業企業は、今後法律が変わることに備え、すでにネガワットやVPPに関するソリューションを紹介しているが、法律がまだ発行されていないため、ほとんどのソリューションは実証実験の段階だという。

ただ、ほとんどの大手企業は、このタイプのソリューション開発に取り組んでいる。

横河はネガワットソリューションとコンサルサービス提供を紹介し、住友電工もスマートエネルギーシステムのオールインワン・ソリューションを発表した。

第13回スマートエネルギーWeekでわかるスマートグリッドの動き

NECはグリッド専門企業や、電力会社用の多数の需要者LIBを統合するVPPを中心に再生可能エネルギー活用ソリューションを出展した。

また、米SpaceTime Insight社とユティリティーやアセット管理リアルタイム可視化分析ソリューションを展開している。

第13回スマートエネルギーWeekでわかるスマートグリッドの動き
NECの再生可能エネルギー活用ソリューション

富士通もVPP用のOpen ADR基準に基づいたlast mile access やデマンドレスポンスソリューションを参考出展した。

三菱電機はMETIのVPPやネガワットイニシアティブへの取り組みを始め、ビル省エネ(ZEB、net zero energy building)、タウン・エネルギー・マネージメント・システムやエネルギー地産地消モデルへの取り組みを紹介していた。さらに、三菱電機は再生可能なエネルギーの有効活用スマートハウスソリューションEnediaも出展していた。

HITACHIはVPPとデマンドレスポンスソリューションの他、データに対応した適切な処理を実行するイベント駆動型フレームワークを紹介している。

第13回スマートエネルギーWeekでわかるスマートグリッドの動き
三菱電機スマートハウスソリューション

また、株式会社OptimizerはEnepa EMS4.0というネガワット取引やVPP用のソリューションを紹介した。

三菱重工は4月1日から提供開始するエネルギーソリューションサービス「ENERGY CLOUD® Service」を会場で初出展と発表を行った。当サービスは設備稼働モニタリングシステム「Netmation eFinder」によるデータ計測と「ENERGY CLOUD® Brain」による分析を通じ、高い精度でエネルギー需要を予測できるという。三菱重工はすでに全国の工場で実証実験を行い、今度はサービス提供開始を目指しているということだ。

第13回スマートエネルギーWeekでわかるスマートグリッドの動き
三菱重工のEnergy Cloud Brain

東芝傘下のランディス&ギアは電力事業者向けのadvanced grid analytics(先端グリッド分析)という新モジュール形式アプリケーションの紹介を行った。

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