オムロン、地震による建物・橋梁の被害をIoTで監視する「3軸加速度計」発売

オムロンソーシアルソリューションズ株式会社(以下、OSS)は、地震発生時に建物や橋梁の支柱など構造物に直接掛かる振動を計測し、最適な保守・保全活動を実現する、ネットワーク対応センサー「3軸加速度計」を2017年3月6日より発売する。

近年、高度経済成長期に一斉に建設された橋梁や建物など構造物の老朽化が進む中、構造物の健全性を維持・管理していくことが社会的課題となっている。構造物の健全性を維持するためには、自然災害などによる被害の状況を適切に把握し、メンテナンスすることが不可欠だ。特に、突発的に大きなダメージを与える地震の影響を把握し対策するための仕組みづくりは急務。

しかし、これまで、地震によって構造物に作用する振動を計測するには、高価な加速度計を組み合わせたシステムの構築が必要なため、複数個所への取り付けは容易ではなく、適切な補強や整備すべき個所の特定は進んでいなかったという。

そこで、OSSは、オムロン独自のMEMS技術(※1)を用いた加速度センサーと、データ処理機能、ネットワーク通信機能をコンパクトに一体化した「3軸加速度計」を開発した。ユーザーは「3軸加速度計」を構造物の地盤と支柱など様々な箇所に簡単に設置でき、構造物に対する地震の影響を遠隔から正確に把握できる。主な特長は下記の通り。

  1. 優れた施工性を実現
    センサーとデータ処理機能をコンパクトな筐体(※2)に集約すると共に、LANケーブルを使って電力を供給する方式(※3)を採用。電源ケーブルが不要なため、少ない工数で設置できる。さらに高い防水性能(※4)を有し、屋外を含む様々な箇所に設置可能。
  2. 従来の加速度計よりも安価で複数個所に設置可能
    オムロン独自のMEMS技術により、地震動の計測に必要な0.1~30Hzの「長周期加速度」を、サーボ加速度計や地震計と同等の精度で計測しながら安価にシステム構築できる。
  3. ネットワーク通信により遠隔地から監視可能
    無線LANを搭載した通信装置と組み合わせることで、計測したデータを事業所側のサーバーに収集。計測結果を元に、遠隔地から地震発生時の被害状況を正確に把握できる。また、通信装置にオプションのバッテリーを搭載することで、停電時にも計測を続けることが可能。サーバーとの通信が途絶えた時は、センサー本体に内蔵されたSDカードにデータを保存し、通信復旧時に計測データを送信する。
オムロン、地震による建物・橋梁の被害をIoTで監視する「3軸加速度計」発売
有線ネッワーク使用の場合
オムロン、地震による建物・橋梁の被害をIoTで監視する「3軸加速度計」発売
無線ネットワーク使用の場合

※1 Micro Electro Mechanical Systems(微小電気機械システム)。機械・電子・光・化学などの多様な機能を集積した微細なデバイス。
※2 筐体サイズ:107㎜×D160㎜×H57㎜(コネクタなど突起物を除く)
※3 PoE電源供給。イーサネットで使用するツイストペアケーブルを利用して、接続するPoE対応機器に電力を供給する方式。これにより、ACアダプタや電源工事が不要。
※4 IP67規格を取得している。

【関連リンク】
オムロンソーシアルソリューションズ(OSS)

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