富士通、フランスのデジタル革新に5,000万ユーロ(約60億円)以上を投資

富士通株式会社は、フランス政府との連携のもと、フランスのデジタル革新を支援するイノベーションプロジェクトを立ち上げ、新サービスの開発や新技術の獲得などに今後5年間で5,000万ユーロ(約60億円)以上の投資を行うと発表した。同社はこのプロジェクトを通じ、フランスのテクノロジーリーダー企業や研究機関、スタートアップとのパートナーシップを拡大し、フランスにおけるデジタルビジネスを強化、ビジネス規模およびプレゼンスの拡大を目指すという。

フランスは欧州第二位の経済規模を有し、Fortune Global 500にリストされる大手グローバル企業が最も多く存在している。それらの企業の多くがデジタル革新を優先課題としているため、同社は「つながるサービス」をグローバルに展開していく上で、フランスを戦略的に重要な市場の一つと考えている。また、フランスには機械学習やディープラーニングなどのAI分野における強いエコシステムが存在しており、同社がデジタルビジネスを開発、展開する上での重要な拠点となると期待しているという。

  1. センター・オブ・エクセレンス(以下、CoE)の設立
    AI分野にフォーカスした専門集団であるCoEを本日3月9日から設立する。まずは、イノベーション分野で世界有数の研究・技術クラスターの一つであるパリ市サクレ地区のEcole Polytechnique(注1)内にあるDrahi X-Novation Center(注2)に設置し、その後、順次拡大していく。

    CoEでは、顧客のビジネスにイノベーションを起こす、主に機械学習やディープラーニング、自然言語処理分野の技術やサービスの開発を、富士通グループのAI関連研究部門や開発部門とも連携して行なう。同社はCoEで開発した技術やサービスをデジタルビジネス・プラットフォーム「FUJITSU Digital Business Platform MetaArc(以下、MetaArc)」上で提供するソリューションやサービスに展開し、フランスを始めとしたEMEIAやグローバルの顧客への提供を目指す。

    また、CoEはIoTやデジタルマーケティング、セキュリティなど、同社のデジタルソリューションを主に流通や産業分野のテクノロジーリーダー企業である顧客へ提供する。

    CoEの活動を通じ、顧客の経営課題の解決に繋る、特に予兆分析(プレディクティブ・アナリティクス)などのデータ分析技術に注力し、フランス企業や社会のデジタル革新を支援していくという。

  2. AI分野における共同研究の実施
    同社は、フランスの研究機関であるフランス国立情報学自動制御研究所(以下、INRIA、注3)とのAI分野における共同研究を2017年度から開始する予定。共同研究ではINRIAの科学と富士通の技術を融合し、最先端の数学とコンピュータサイエンスに基づいて、新たな機械学習、特に既存の機械学習では課題の多いIoTデータの分析の研究を行う。

    同社は共同研究で得られた成果を「Human Centric AI Zinrai」に迅速に適用し、顧客と社会に貢献していく。

  3. スタートアップとの連携強化
    富士通は従来から、フランスのスタートアップとの連携を積極的に進めてきた。過去5年間にはRunMyProcess(注4)とUShareSoft(注5)の2社を買収し、両社のサービスをMetaArc上に展開、フランスを含めたグローバルに提供している。

    また、2016年11月からScality(注6)との共同でコールドデータストレージに着目した大陸間データセンター連携の実証実験を実施している。2017年度にはフランスの研究機関とも連携し、国際的なデータ共有を可能にする効率的なスケールアウト型オブジェクトストレージの実現を目指す予定。2016年11月にパートナーシップを締結したフランスの公的投資銀行(Bpifrance)とも連携し、引き続きフランスのスタートアップの発掘や連携強化を進めていくという。

  4. デジタル人材育成への貢献
    CoEを設置するDrahi X-Novation Centerに在籍するスタートアップに、実際の開発プロジェクトに参加する場を提供。また、Ecole Polytechniqueの優秀な学生やインターンを受け入れ、実ビジネスに基づいた研究や実商談に関わる機会を提供し、フランスにおけるデジタル人材の育成に積極的に貢献していく。今後もフランスの他のエンジニアリングスクールや研究型大学との連携を検討していくという。

同社は、フランスと日本のビジネスやイノベーションの継続的な発展に向けて、両国で開催される関連イベントにも積極的に参加していく予定としている。また、2017年夏に開催予定の「富士通ワールドツアー2017」において、フランス政府を招き、本プロジェクトの進捗状況を説明するなど、フランス政府との継続的な連携を図っていくという。

注1 Ecole Polytechnique:フランス独自の高等職業教育機関の一つであり、理工系のフランスの公立高等教育・研究機関。
注2 Drahi X-Novation Center:Ecole Polytechnique内に設置されているスタートアップが集うインキュベーションセンター。
注3 フランス国立情報学自動制御研究所:フランスのコンピュータサイエンスと応用数学を研究する国立の研究機関。
注4 RunMyProcess:同社が2013年に買収した、クラウドサービス事業者。
注5 UShareSoft:同社が2015年に買収した、マルチクラウド対応のソフトウェア開発を行うフランスのソフトウェア開発会社。
注6 Scality:ソフトウェア・ディファインド・ストレージの製品開発を行うスタートアップ。

提供:富士通

【関連リンク】
富士通(FUJITSU)
フランス国立情報学自動制御研究所(INRIA)
BPIフランス(Bpifrance)

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