総務省より3月10日に「IoT国際競争力指標」の策定とその指標に基づいた、IoT推進国10か国のランキングが公表された。
これまで総務省が公表していた「ICT国際競争力指標」は、ICT関連のサービス・製品についての我が国の市場シェア及び輸出額シェアに着目し、その推移から国際競争力の変化を測定していた。新たに策定された「IoT国際競争力指標」では、次の3点の変更が加えられている。
・「スマートシティ関連」や「コネクテッドカー関連」等から成る「IoT市場」と、それ以外の「従来のICT市場」とに分けて分析
・研究開発やファイナンス等から成る「潜在的な競争力」に関する指標を導入
・主要な10か国・地域(※)の企業競争力について、スコア化を行い、総合ランクを算定
※ 日本、米国、ドイツ、韓国、中国、フランス、オランダ、スウェーデン、フィンランド、台湾の10か国・地域。IoT分野に注力している企業が存在する国・地域について、世界経済フォーラム(WEF)による「ICT分野の国際競争力ランキング」及び国際電気通信連合(ITU)による「ICT開発指数」の結果を参考に選定。
結果概要
総合ランク
10か国の企業競争力について、日本の総合ランクは米国・中国に続いて3位であった。日本はIoTスコアでは3位であったのに対し、ICTスコアは6位にとどまる結果となった。
サービス・製品の競争力
サービス・製品の競争力は、市場シェアと市場成長率の双方に着目して算定している。IoT市場において、日本が「スマート工場」や「スマートシティ」、「ヘルスケア」の各分野で25%を上回る高い市場シェアを占めている。また、「コネクテッドカー」については、市場シェアは低いものの、過去2年間の日本の売上高平均成長率が50%を上回った。
潜在的な競争力
潜在的な競争力では、研究開発(エンジニア数)、ファイナンス(M&A金額)、標準化(IoT標準化団体への参加企業数)の3つの側面を評価している。IoT市場においては日本のエンジニア数及びM&A金額が増加傾向にある一方、IoT標準化団体への参加企業数シェアは横ばいであった。
出典:「IoT国際競争力指標」の策定・公表」を加工して作成
【関連リンク】
・総務省
無料メルマガ会員に登録しませんか?
コンサルタント兼IoT/AIライター 人工知能エンジン事業の業務支援に従事するかたわら
一見わかりにくいAIの仕組みをわかりやすく説明するため研究中