伊勢丹新宿本店本館2階センターパーク/ザ・ステージ2、本館3階センターパーク/ザ・ステージ3で開催されている「SPUR MUSEUM of MODE」イベントで、「人工知能接客」がスタートした。
これは、人工知能を搭載したファッションレコメンドアプリ「SENSY」をダウンロードしたタブレット端末を、販売員が接客に活用していくというものだ。来店客に、タブレットに表示される10点のアイテムを好きか嫌いか選んでもらうと、イベントエリアで販売されている約600点の商品の中から、人工知能が客の好みに合わせたファッションアイテムをレコメンドする。
・参考:SENSY

また、好きか嫌いかを選んだ時点で、その来店客の人工知能が即時に作られるため、店頭でアプリにメールアドレスを入力したあと、自分のスマートフォンやタブレットに「SENSY」をダウンロードすれば、「自分用の人工知能」を持ち帰ることもできる。現在ではタブレットを活用した接客にとどまるが、将来的にはヒト型ロボットに人工知能をインストールし、ロボットに相談しながら買い物を楽しむということも可能性の一つとして想定している。
アプリに表示されるアイテムは、伊勢丹オンラインストアと連動しており、随時更新される。その場でレコメンドされたアイテムはもちろん店舗でも購入できるが、在庫があれば、後日オンラインストアでも購入することができる。
伊勢丹新宿本店は8月からファッションとデジタルが融合したプロモーションやイベントを積極的に実施してきたが、9月からは実際の接客現場にデジタルを取り入れていくというフェーズにきている。
伊勢丹新宿本店 婦人営業部 計画担当マネージャー 宮田雅文氏によると、デジタルへの積極的な取り組みの背景としては、すでに生活者にとってデジタルは切っても切り離せない状況にあるため、避けては通れないといい、時代の流れに合わせていくという。今回は、「SPUR MUSEUM of MODE」で、まず感度が高い顧客に対してテストケースとして実施するが、今回の導入の結果を顧客視点でしっかりと振り返り、課題を抽出して、今後の展開を考えていく意向だ。

伊勢丹では、あくまでもアナログ接客を重視している。人工知能を活用することで来店客へ提供する価値をさらに高めることを目的としており、人件費削減目的での導入は一切考えていない。伊勢丹ではバディ接客といって、1人の来店客に対して2名の販売員がつくことでより良いサービスの提案をしているが、この人工知能接客を取り入れることで、さらにその提案の幅が広がると予想している。
取扱い商品種類、商品数が多岐にわたる伊勢丹の商品を、全てヒトが記憶するのは限界があるが、人工知能であればそれが可能になる。ゆくゆくは、「○○というファッションブランドが好きな顧客には、★★というスイーツが人気だからレコメンドしよう」、などの分析、提案を人工知能が即座に行うことで、顧客のニーズを満たすことも将来的に期待している。
SENSYを使用した人工知能接客は、伊勢丹新宿本店本館2階センターパーク/ザ・ステージ2、本館3階センターパーク/ザ・ステージ3、「SPUR MUSEUM of MODE」で9月16日~9月22日まで展開。その後は本館2階リ・スタイルTOKYO、本館3階リ・スタイルRにて9月28日まで実施予定。また、メンズ館1階プロモーションスペース、「UTILITIES SENSE MARKET in ISETAN」でも展開、期間は9月28日まで。
【関連リンク】
・SPUR MUSEUM of MODE
・UTILITIES SENSE MARKET in ISETAN
・人工知能が洋服選びを助けてくれる、「1人1台人工知能を持つ時代に」-SENSY
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