ルネサス、ディープラーニング結果を組み込み機器に実装する「e-AI」提供開始

ルネサス エレクトロニクス株式会社(以下、ルネサス)は、スマート社会の実現に向けて、IoTの末端となるエンドポイントに人工知能技術を実装する「e-AI(イーエーアイ、embedded-Artificial Intelligence)」を注力技術のひとつと位置づけ、マイクロコントローラ(以下、MCU)、マイクロプロセッサ(以下、MPU)にAIを搭載するソリューション開発に取り組んでいる。

今回、ディープラーニング(深層学習)結果をエンドポイントの組み込み機器に実装する新機能をMCU/MPU開発し、e-AIソリューションの第一弾として提供開始する。具体的には、オープンソースであるEclipseベースの統合開発環境「e2 studio」に対応したプラグインとして、機能限定版を本年5月末、正式版を本年6月末より提供を開始する計画としている。

e-AIを実現するソリューションの新機能は、以下の3つから構成される。

  1. オープンソースの機械学習/ディープラーニングフレームワークであるCaffeならびにTensorFlowの学習済みニューラルネットネットワーク情報をMCU/MPU統合開発環境でビルド可能な形式へ変換する「e-AIトランスレータ」
  2. e-AIトランスレータの出力結果から、実装候補として選択したMCU/MPUの情報に基づきROM/RAM実装サイズとAIの推論実行処理時間の算出を行う「e-AIチェッカ」
  3. リアルタイム性能や省リソース設計を可能にするディープインサイト株式会社などが提供する組み込みシステムに特化した新AIフレームワークをルネサス製MCU/MPUにつなぐ「e-AIインポータ」

新e-AIソリューションを採用することによりユーザは、グローバル市場で広く利用されているMCU/MPU統合開発環境e2 studioと、実績ある複数の機械学習/ディープラーニングフレームワークとがつながり、RZファミリ、RXファミリ、RL78ファミリ、Renesas SynergyTM マイクロコントローラといったルネサス製MCU/MPU上で様々な学習結果であるAIの実行が可能になる。

さらに(1)と(2)は、同時にWebコンパイラでの開発環境にも対応。ユーザは、これらのMCU/MPUを搭載したパートナ製の小型電子工作ボード、「GR-PEACH」「GR-KAEDE」「GR-SAKURA」「GR-LYCHEE(年内販売開始予定の新製品)」を活用することで、試作から量産まで、e-AIを搭載したIoT製品のグローバル市場への早期投入が実現するという。

Eclipseベースの統合開発環境e2 studioに対応した新プラグイン機能(1)(2)(3)ならびに、Webコンパライラにも対応した(1)(2)の内容は以下の通り。

  1. e-AIトランスレータ
    統合開発環境e2 studioとWebコンパイラに対応
    オープンソースのディープラーニングフレームワーク“Caffe”、“TensorFlow”と接続
    学習済みニューラルネットワークをビルド可能な形式へ変換
  2. e-AIチェッカ
    統合開発環境e2 studioとWebコンパイラに対応
    e-AIトランスレータの出力であるニューラルネットワーク情報を入力
    ビルド前に必要リソースと処理性能の予測見積もりが可能
    ・選択したMCU/MPUの情報に基づきROM/RAM実装サイズを算出
    ・AI推論実行に必要な処理時間を算出
  3. e-AIインポータ
    パートナ製AIフレームワークの学習済みAI情報をMCU/MPU統合開発環境e2 studioにインポート
    ・組み込みシステムに特化した省リソース設計を実現するディープインサイト株式会社
    ・クリックひとつでパートナ製AIフレームワークと連携可能
    さらにe-AIパートナとの連携を展開予定

【関連リンク】
ルネサス(Renesas)
ディープインサイト(Deep Insight)

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