経産省と日本ロボット工業会、「ロボット導入促進のためのシステムインテグレータ育成事業」の採択案件を決定

経済産業省及び日本ロボット工業会は、「ロボット導入促進のためのシステムインテグレータ育成事業」について、344件の応募の中から37件の提案を採択した。また、同事業の追加公募を本日5月11日より開始する。

ロボットの活用は、企業における人手不足への対応に加えて、作業員の過酷環境や危険作業からの解放等、さまざまな可能性を持っている。しかし、中小企業等では自社のみでロボットの導入検討を行うことが難しい場合も多く、最適なロボットシステムの構想から設計、導入までを担う「ロボットシステムインテグレータ(ロボットSIer)」と呼ばれる企業の存在は、今後ロボットの導入促進に向けてますます重要になってくる。

同事業は、以下の3つの類型に合致する提案への支援を通じて、ロボットSIerを創出及び育成し、中小企業等における労働環境の改善や生産性の向上を実現していく事業。平成29年2月24日から3月31日までの公募期間中に応募のあった344件の提案について、外部の有識者で構成される審査委員会で審査を行った結果、A類型17件、B類型12件、C類型8件、計37件の採択を決定したという。

A.ロボットSI事業参入・拡大型
ロボットを使用した機械システムの導入提案や設計、構築等を行う「ロボットシステムインテグレーション(ロボットSI)」事業の実施に必要な知識、技能及び提案能力の習得や高度化により、ロボットSIを新たに事業の一つとして展開していく計画や、既存のロボットSI事業の拡大を目指す計画等を対象。
<採択案件の例>

  • 食品業界へのロボットSI事業拡大を目的とした食品用マニピュレータ開発
    おにぎり、惣菜具材、麺類、パン類など自動化ニーズの高い中食産業製品を対象とした様々なハンドの開発を行い、食品のハンドリング技術を高度化する。これまでは顧客の製品に合わせたハンドをその都度開発する必要があり、費用対効果が合わず見送りとなるケースが存在していたが、同計画によりハンド開発にかかる費用を圧縮し、最適な費用対効果が出せるソリューションを顧客に提供する。
  • 可搬式ロボットシステムを用いた出前教育による導入促進
    可搬式のロボットシステムを構築し、ロボットに不慣れなユーザー企業に持ち込んで出前操作教育を行い、ロボットの操作を体感しながら現場の工程改善への理解を促進する。人手作業に頼ってきた過酷環境・24時間対応の現場など人材確保が難しい工程を中心に、生産工程変動に追従するロボットSI事業を展開する。

B.ロボットセンター開設型
多彩なロボットを取りそろえロボットシステムの展示や実演等を通じた導入提案を行うほか、ロボットの操作教育や安全教育、ロボットに関する普及・啓発等の講習を実施していく計画を対象。
<採択案件の例>

  • ロボットセンター開設による中国・四国地方のものづくり支援
    中国・四国地方はロボット導入による生産性向上への期待が高まっているものの、実機での性能確認や複数メーカーの比較のためには関西や九州まで行かねばならない状況にある。そこで中国・四国地方の主要都市からアクセスの良い岡山市にロボットセンターを開設し、同地域のロボット導入の促進及び地域経済の活性化を図る。また、岡山県内の工業高校を招き見学会を実施し、若者にロボットや製造業に対する関心を高める。

C.ロボットシステムのモデル構築型
多くの中小企業等の現場に共通する課題を解決するためのロボットシステムのモデルを構築し、多様な現場にその導入を提案し展開していくツールとすることで、提案型のロボットSIを実現する計画を対象。
<採択案件の例>

  • 水産加工用ロボットシステムとローカルロボティクスモデルの構築
    漁獲量が多く骨処理に手間のかかる鯖ピンボーン抜去作業をロボット化するシステムを構築し、他の魚種でも存在するピンボーン抜去の問題を解決するベースモデルを立ち上げる。ピンボーン抜去は握力を要するため腱鞘炎に悩まされる作業者も多く、労働環境の改善が求められていた。また、支援機関の協力を受けながら地域のロボットSIerとして自立を目指すとともに、本計画を契機に地域の企業群が連携することで、地域でロボティクスを産業に結びつけられる体制を整備する。

本日5月11日より追加公募を実施。追加公募に関する詳細は日本ロボット工業会のホームページを参照。
公募開始:平成29年5月11日(木曜日)
公募締切:平成29年6月30日(金曜日)

【関連リンク】
経済産業省
日本ロボット工業会(JARA)

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