アーキテクトグランドデザイン、オムロン、慶應義塾大学が共同で、 LPWAとエッジコンピューティングを組み合わせたIoTプラットフォームによる実証実験を開始

アーキテクトグランドデザイン株式会社(以下、AGD)とオムロン株式会社、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(以下、慶應義塾大学)は本日5月31日より共同で、安心・安全な社会づくりへの貢献を目的に、LPWA技術とマルチホップ・ネットワーク技術(※1)およびエッジコンピューティング技術(※2)を組み合わせたIoTプラットフォーム「IoT PLANET HIGHWAY」を構築し、環境センサー(※3)を使用することで離れた拠点から信頼性の高い環境データを収集するための実証実験を行う。

近年、IoTの進展に伴い、センサーによって収集されるデータが増え続けている。その結果、無線でクラウドに直接伝送されるデータの量や通信頻度が膨大となり、ネットワークの信頼性や安定性を損なうことが課題となっている。そこで、同実証実験では、センサー側でのエッジコンピューティング技術を用い、通信やクラウドの負荷を下げることで、離れた拠点から信頼性の高いデータ収集を実現することを検証するという。

同実証実験で得られた成果は、居住地域が分散した地方都市において、各地域の温度や湿度など様々な環境データを安定的に取得することにより、異常気象による災害から住民や農産物、社会インフラなどの見守りに役立てていく予定としている。

同実証実験における各社の役割は以下の通り。

  • AGD
    LPWA技術を独自に最適化、数十kmの長距離伝送と低消費電力を共に実現。マルチホップ・ネットワークによってLPWA通信距離を向上する。
  • オムロン
    環境センサーのデータ構成を長距離伝送向けに最適化する。
  • 慶應義塾大学
    自律分散ネットワークを活用したセンシングデータ、モニタリングに適したサービスアプリケーションを構築。

同実証実験は、慶應義塾大学のキャンパスと周辺施設で実施される。まず日吉キャンパスにマルチホップ・ネットワークを敷設し、日吉キャンパスの周辺施設の間の数kmをLPWA技術で結ぶ。日吉キャンパスに敷設したネットワークの各ノードには環境センサーを取り付ける。これらのセンサーから取得されるセンシングデータは、日吉キャンパスに設置されたエッジサーバーに一度集約されるという。その後にコアサーバーにLPWA技術を介して無線伝送する仕組み。

※1 マルチホップ・ネットワーク技術:端末同士が直接通信し、リレーのように他の端末を経由することで、より広い範囲の端末との通信を可能にするもの。
※2 エッジコンピューティング技術:検出したすべてのデータを送信してクラウド・サーバーで演算処理するのではなく、その演算の一部をエッジサーバーで実行することで通信データ量や通信頻度などを削減するもの。IoTネットワークの信頼性や安定性を大幅に高めると同時に、通信データ量を削減できるためセンサーの消費電力を削減でき、効率を図ることが可能となる。
※3 環境センサー:温度センサーや湿度センサー、照度センサー、気圧センサー、音圧センサー、加速度センサーを1つのモジュールに搭載したオムロン製のセンシングデバイス。各種のセンサーを使ってデータを取得するだけでなく、データ同士を内部で処理することが可能。例えば、ユーザは温度と湿度の関係を処理することで熱中症の警戒指数を算出できるという。

【関連リンク】
アーキテクトグランドデザイン(AGD)
オムロン(OMRON)
慶應義塾大学(Keio University)

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