ファッション人工知能アプリ「SENSY」、アップデート版の使い方

SENSYを開発・運営しているカラフル・ボード株式会社の渡辺CEOに、先月アップデートされたアプリの使い方を伺った。前回までのアプリに比べ大きく3つのバージョンアップがあり、この記事では、「アプリの使い方詳細」をメインにお届けする。

まず、SENSYをご存じない方のために、どういうアプリかを説明すると、自分の好みの傾向を人工知能が学習していくので、新しい洋服が欲しいと思ったとき、自分が好きそうな商品をどんどん提案してくれるというアプリだ。また、他人の人工知能や、スタイリストの人工知能も使ってコーディネートすることができるので、だれかの着こなしを参考にしたいなどというときに、これまでその人が着ている同じ商品を探して街を徘徊していた人も、これからはその人の人工知能にコーディネートしてもらえばよいという風になるのだ。

それでは、新しくなったSENSYの使い方を見ていこう。

 

1.ユーザー登録をする

▼チャット形式でFacebookの連携の有無、名前の登録をする。このチャット形式になった点が今回のバージョンアップのうち目玉のひとつだ。

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▼人工知能の名前を付ける。ここでは、そのままSENSYと名付けた。

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▼メンズかレディースを選び、好きなジャンルを3つ選ぶ。

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▼すると、人工知能であるSENSYが、登録者を少し理解する。

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▼全ての登録が終わると、自分の「カラー」ができる。SENSYマークがある部分に表示されているグラデーションのような色がまじった部分が自分の「カラー」で、すでにこの時点でパーソナルな人工知能ができあがっている。このカラーの部分は人工知能を育てるとどんどん色が変わっていき、自分のセンスが色で可視化されるということだ。ここが前回よりバージョンアップされたという2つ目の目玉。

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「人工知能を育てる」とは、これから先に出てくるが、人工知能から提案される服を「好き」「嫌い」という返事を何度も返していくことで、人工知能を自分の感性に近づけるということを意味する。

基本設定に話を戻すと、自分の好みを学習させた人工知能とプロフィールを公開するか、非公開にするかを設定できる。公開にした場合は、自分の人工知能を誰かが借りることもある。

どういうことかというと、Aという人のファッションセンスを学習させた人工知能を、全然知らない誰かが「Aさんのセンスがいいから、Aさんのセンスを持った人工知能を借りよう」ということができるということだ。現在では、「公式」から選んだり、公開されている「一般」の方から選ぶことができる。

 

▼SENSY LINKでは、自分の人工知能と、リンクしたい人工知能を持っている人を選ぶことができる。もちろん選ばなくてもOK。選ばない場合は、人のセンスが入ってこない自分だけのオリジナル人工知能となるが、憧れの有名人やスタイリストなどがいる場合や、自分のセンスに自信がない場合は、その憧れの人の人工知能をリンクすることで、自分のファッションセンスアップに役立つという使い方ができる。

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SENSY LINKは、今後、検索機能やおすすめ順、人気順などのソート機能を追加することをを検討していくとのこと。また、表示される方のプロフィールも今後充実していくそうだ。

 

人工知能に質問をする

▼人工知能とは、5つの内容で会話ができる。下記にあるように、「オススメ記事」「トレンドアイテム」「セールアイテム」「新着アイテム」「コーデリクエスト」を質問できる。ここでは、新着アイテムを聞いてみたところ、100件のアイテムがあると教えてくれた。現在はトップス、パンツなどのカテゴリから選ぶことはできないが、今後「トレンドアイテム」などを選ぶとカテゴリで選べるように検討もしているという。
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▼SENSYから提案される服や靴に対して、チャット形式で「好き」「嫌い」で答えていくと、人工知能がユーザーの感性をどんどん学んでいく。学んでいくと、人工知能の提案の精度があがる。単品でだいたい50枚くらいを選ぶと精度があがっていき、ブランドやショップにまたがってコーデを提案してくれるところが、ポイントだ。

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▼オススメ記事を質問すると、ユーザーの好みに合わせた、Web上にあるファッションの記事を人工知能が選んで提案してくれる。これは最初に選んだカテゴリを見てピックアップしているという。

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コーデリクエストをする

今回、SENSYアプリが一番大きく変わった部分として、単品アイテムではなく、コーディネートを組んで提案してくれるようになったという点がある。これが今回の大きくバージョンアップされた3つのうちの最後のひとつだ。人工知能にコーデリクエストをすると、数秒から数分で、全身コーディネートを提案してくれる。(ここからのスクリーンショットはWatsonと名付けた人工知能で、レディースバージョンでお届けする)

▼コーデをリクエストしたら、下記のようにブーツからハットまで全身コーデが提案された。

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▼例えば、このコーデの中でブーツだけ好みではないという場合は、ブーツをクリックして他のブーツに変更することができる。

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▼コーデは下記のように、詳細表示もされ、価格やブランドがわかり、それぞれのECサイトへリンクされている。

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混雑時には、「すいません。時間内にコーディネートが見つかりませんでした」と人工知能から返事が返ってくるので、少し時間をおいてもう一度チャレンジしてみよう。この部分についても引き続き、改善していくという。

 

自分が気に入った単品アイテムから、コーディネートを作ってもらう

▼タイムラインで、人工知能から提案されたアイテムを「好き」と答えると、「アイテム」というところで確認することができる。

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▼アイテムの中から、例えばデニムを選ぶと、「コーデをお願いする」ことができる。

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▼「コーデをお願いする」をタップすると、自分のセンスのみのオリジナル人工知能と、リンクした人の人工知能が表示され、どの人工知能でコーデを作るか選ぶことができる。

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▼自分の人工知能を使って、提案されたコーデは下記のようになった。

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同じアイテムで、自分の人工知能のコーデと、憧れの人のコーデを見比べてみるのも面白いだろう。

 

その他

・マップ機能は、自分が気になった商品が身の回りのどこのお店に今在庫があるかを検索してくれる機能で、単品アイテムでもコーデでも対応可能。

・人工知能のクローラーがECサイトを回って在庫を検索し、アイテム情報の更新と合わせているので、在庫切れが表示されることは基本的にはないが、在庫の有無をECサイト側が管理できていれば、という話になる。

 

 

 

渡辺社長インタビュー

カラフル・ボード株式会社の渡辺CEOに、今回のアップデートについてお話を伺った。

 

左:カラフル・ボード株式会社 代表取締役CEO 渡辺祐樹さん/右:IoTNEWS代表 小泉耕二
左:カラフル・ボード株式会社 代表取締役CEO 渡辺祐樹さん/右:IoTNEWS代表 小泉耕二

 

-今回のアップデートについて教えて下さい。

最初からコーディネート提案をしたかったのですが、現実的な課題などもあり、なかなか実現できませんでしたが、やっと人工知能のアルゴリズムが完成して、ようやくそれを組み込むことができました。

それと合わせて、自分の人工知能と対話でき、人工知能らしさを感じるということを意識してUI,UXの改善をし、チャット形式を採用しました。コーディネートをメインにした機能と、人工知能を感じるようなUI設計が今回のアップデートの大きなところです。

-人工知能に名前がつけられるのですね。

そうですね。名前をつけて、可視化してあげると愛着がわくと思います。

今はまだ販売されているものを組み合わせてコーディネートしていますが、今後は自分が持っているクローゼットの洋服との組み合わせを人工知能が考えてくれる、というのを考えています。そうすると、「今日は何を着ていけばいいかな」という相談を人工知能にできるようにしていきたいと思っています。

さらには、自分が持っている洋服だけを組み合わせて、人工知能が考えるということも検討しています。

-どういうロジックになっているのでしょうか。

コーディネートのファッションセンスをどうやって人工知能に覚えさせるかというところは、今、主には色の組み合わせやブランドの雰囲気・テイストの組み合わせ、そういったものをその人なりの好みを学習していっています。

-ブランドの雰囲気・テイストが数値化されているということでしょうか?

そうですね。モードやカジュアルなど様々なブランドがありますが、それぞれが数値化されていて、どういう組み合わせをその人が好むかなどを考えています。

-人工知能から単品の服の提案もありますが、この服自体にもモード感などのデータも入っているのでしょうか。そのいくつかのパラメーターがあって、それを総じて好き嫌いというのを人工知能は判断しているのでしょうか。好きというのを重みづけして、人工知能が「きっと彼はこれが好きだろう」と考えているわけでしょうか?

はい、そのとおりです。

単純に一つ一つ見たら「その人は黒い服が好き」だとわかるけど、組み合わせてみたら、「黒と何色の組み合わせが好きなんだろう」、なども見て、単品とコーデの両方でその人のセンスを獲得しています。

また、コーディネートのカスタマイズ機能も入れてあるので、例えば黒の服をオレンジに変えた場合、「この人はこの組み合わせの時に、オレンジが好きなんだな」と理解していき、その人の色の使い方を学習します。

カラフル・ボード株式会社 代表取締役CEO 渡辺祐樹さん
カラフル・ボード株式会社 代表取締役CEO 渡辺祐樹さん

-今後の展開を教えてください。

アプリの細かい改善もしたいので、どういうスケジュールでやっていくかを検討しているところですが、そんなに遠くない段階で先ほどお話した家の洋服も提案できる仕組みを入れたいと思っています。

 

-本日はありがとうございました。

 

自宅の服も人工知能に覚えさせていくという今後のアップデートについては、人工知能が画像を見て、組み合わせを作っていくので、ECの写真であろうが、家で撮った写真であろうが、技術的には現状の仕組みとあまり変わらないそうだ。

そこまでアップデートがされれば、朝起きて、自分の感性を学習した人工知能が、服を提案してくれるという世界も近づく。今後も引き続き、注目したい。

SENSY

 

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