IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社は、世界のロボティクスおよび関連サービス市場の予測を発表した。
最新の「Worldwide Semiannual Commercial Robotics Spending Guide」によると、ドローンおよびロボット関連ハードウェア、ソフトウェア、およびサービスを含めた、世界ロボティクス関連支出額は、2017年に972億ドルになり、2016年から17.9%伸びる見通しだ。IDCでは、5年間の予測期間中にロボティクス関連支出額は加速度的に増加し、その結果、2021年には2,307億ドルにまで拡大するとみている。2016年~2021年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は22.8%と予測している。
組立製造とプロセス製造は、2017年も引き続き、ロボット製品/サービスの最大顧客となり、支出総額はそれぞれ305億ドルと241億ドルになる。この2つの産業分野を合わせると、予測期間を通じて、ロボティクス関連支出総額の半分以上を占める。
鉱業、石油/ガス採掘、農業を含む資源産業は、2017年の3番目に大きいロボティクス関連市場で、支出額は約90億ドルになる。また同社は、2016年~2021年の予測期間に支出額が急速に拡大する産業分野は、教育(CAGR 71.9%)、小売(CAGR 51.3%)、建設(CAGR 38.3%)、卸売(CAGR 37.2%)、および保険(CAGR 36.3%)とみている。
ロボティクス関連支出において最大のシェアを占めようとしているユースケースは、それぞれの産業に牽引されている。組立製造での主要なユースケースである組立/溶接/塗装は、予測期間全体にわたり、世界のロボティクス関連支出総額の4分の1近くになることが予測されるという。
同様に、プロセス製造での主なユースケースであるミキシングは、ロボティクス関連支出総額の15%以上を占めることになる。その他のユースケースでは、自動採掘、棚出梱包(卸売)も支出額が増えると予測している。また、予測期間中にロボティクス関連支出の最も急速な拡大が見込まれるユースケースには、積荷降ろし(CAGR 71.6%)、教育補助(CAGR 68.3%)、および顧客への配送(CAGR 60.6%)が含まれる。
テクノロジー別に見ると、予測期間を通してロボティクス関連支出総額の半分以上(2017年は507億ドル)は、ロボットシステム、アフターマーケットのロボットハードウェア、およびシステムハードウェアに振り分けられる。
2017年の時点でコマンド/制御、特定のロボット専用のアプリケーション、およびネットワークインフラストラクチャソフトウェアを含むソフトウェア関連支出額は152億に達し、サービス関連支出(アプリケーション管理、教育&トレーニング、ハードウェア導入、システムインテグレーション、コンサルティング)の総額は、240億ドルを超えるとみられる。
また、ドローンおよびアフターマーケットのドローンハードウェア購入額は、2017年で70億ドル近くになることが見込まれる。この2つのカテゴリーは、予測期間全体を通して最も急成長が見込まれ、教育&トレーニング支出が後に続く。
地域別では、日本を除くアジア太平洋地域(APeJ)が全予測期間でのロボティクス関連支出額の半分以上を占めることが見込まれる(2017年は515億ドル)。日本は、2017年に2番目に大きな市場(143億ドル)で、米国と西欧が、それぞれ136億ドル、101億ドルと後に続く。ただし、予測期間が終了するまでに、米国が第2位になると予測している。
以上の4つの地域市場はいずれも組立製造とプロセス製造による好調な支出がけん引する。5年間の予測期間で見た場合、最も急成長が見込まれる地域は、中南米(CAGR 26.5%)、APeJ(CAGR 25.2%)、および米国(CAGR 24.1%)。
今回の発表はIDCが発行する「Worldwide Semiannual Commercial Robotics Spending Guide」にその詳細が報告されている。
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