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TIS、バリューチェーンを繋ぐIoTプラットフォーム『MONOweb(ものウェブ)』を製造業向けに提供開始

TISインテックグループのTIS株式会社は、工場・倉庫設備内の設備機器やセンサーなどからデータを収集・分析し、異常の早期発見と稼働状況確認コストの削減を実現するIoTプラットフォーム『MONOweb(ものウェブ)』を製造業向けに、9月より提供開始することを発表した。

『MONOweb』は、製造業の生産設備機械や生産設備などの現場のシステムと、生産や経営などの業務システム(IT)とを繋ぐIoT実現のためのプラットフォームだ。IoTを活用したデータ収集・蓄積・分析のためのメニューで構成され、スピーディで安価に製造業の現場の課題の可視化や事前の不具合を知ることが可能になるという。

TISでは、『MONOweb』を、センサーを使い設備保全や生産状況を把握したい製造業や、提供した設備機器のアフターサービスで稼働状況を把握したい設備機器メーカーなどに向けて展開していく。

『MONOweb』提供の背景

大手製造業を中心にIoTの活用は注目され、ドイツが主導する「Industrie4.0」や米国中心の「IIC (Industrial Internet Consortium)」が、製造業の国際競争力を上げるためにIoTを活用したサプライチェーンマネジメントの改革を進めている。

国内では「IVI(Industrial Value Chain Initiative)」が、2015年から国内の製造業現場の課題を、IoTを活用して解決する活動の業務シナリオを策定し実証実験を行っている。「IVI」の業務シナリオの一つには、広大な工場敷地内に点在する設備の保全業務の効率化を、人に頼った定期点検や監視に頼る体制ではなく、IoTプラットフォームの活用で解決する例があげられている。

このように、工場では人間が介在する保全業務や機械や設備の稼働状況を収集、分析して、チョコ停(一時的な停止)などの予防にITを活用するニーズが高まっている。

TISも「IVI」のワーキンググループに参画し、製造現場の課題の収集と解決に向けた取り組みを進めており、顧客の工場・倉庫内の保全業務の改善に向けた各種提案を行っている。今回提供開始する『MONOweb』は、それらのノウハウを活用したIoTプラットフォームだ。

『MONOweb』の展開に先行して、TISでは、大手製造業の工場設備の点検・修理などの保全業務を支援する「工場保全向けIoTシステム」を構築した。2016年12月より試験稼動したこのIoTシステムでは、センサーから設備の稼動データを収集し、収集したデータを分析ツールでリアルタイムにモニタリングすることで、工場設備の適正な交換時期判断と操業停止防止に役立てている。

『MONOweb』の概要

『MONOweb』は、IoTを活用したデータ収集・蓄積・分析をするための以下の5つのメニューで構成されている。今後は、AIや機械学習を活用したデータ分析などの領域にもメニューを拡充させていく予定だ。

1)「MONOweb Factory+」
「MONOweb Factory+」は、生産設備機械や生産設備のセンサーデータによる稼働監視から、生産システムと経営システムの連携まで、工場に関するシステムに必要な機能を、顧客の状況に合わせて構築するサービスだ。
エッジコンピューティングでのデータ収集・蓄積から、センサーデータと既存の業務システムとの連携まで、3つのステージに合わせたモデルを用意し、自社の段階に合わせた選択が可能。

・Entryモデル:
データ収集・蓄積をしたい企業を対象にしたモデル。工場設備の個々の機械の見える化で稼働状況を把握するシステムの構築を支援。
・Standardモデル:
生産設備システムと既存業務システムを連携させたい企業を対象にしたモデル。生産設備全体を個々の機械との相関関係から見える化し、生産システム内での業務改善などを支援。
・Enterpriseモデル:
センサーデータと基幹システムとを連携させたい企業を対象にしたモデル。生産システムと経営システムの連携した業務改革までを支援。

2)「MONOweb Sensor+」
「MONOweb Sensor+」は、センサー群の実装に特化したサービス。配線不要かつ電池不要の「EnOcean」対応のセンサーを工場設備に取り付け、IoTゲートウェイ経由で情報を蓄積し、異常発生時の変調を可視化するためのクラウドサービスを提供する。「EnOcean」は、配線も電池も不要のため、既存の製造現場においても、機械や周辺の環境情報を収集するのに有効なセンサーだ。

3)「MONOweb Device+」
「MONOweb Device+」は、IoTゲートウェイで管理しているソフトウェアや設計工程の成果物、業務改善のためのデータ連携を支援する。

・ファームウェア配信サービス:
IoTエージェントを組み込んだエッジの機器内のソフトウェアを管理し、遠隔(リモート)からソフトウェアなどの更新をすることを可能にする。
・設計図面管理:
オンプレミス(自社で管理するサーバー)上にある設計画面をモバイル端末とセキュアに同期し、オンラインやオフラインのモバイル端末内で設計画面を参照することを可能にする。
・IoT SDK:
デバイスと既に構築されているデータベース(例えば、Oracle、SQLServer、MYSQL、PostgreSQL)と直接双方向のデータ連携を可能にする。

4)「MONOweb Find+」
「MONOweb Find+」は、エッジコンピューティングで収集したデータを簡単で理解しやすいUIで可視化するサービスだ。収集したデータを、豊富な表現力と複眼的な分析力を兼ね備えたダッシュボード形式で提供。例えば、工場の機械や労働者の作業を監視・管理するシステム(MES:製造実行システム)の中で顧客が課題解決したい管理項目の分かりやすい可視化や、作業の日報を生産量や作業時間などと関連付けた分析結果の可視化を実現する。

5)「MONOweb Work+」
「MONOweb Work+」は、製造業の現場に加えて、生産システムや経営システムと連携する様々な業務の無駄を削減するサービスだ。
例えば、まだシステム化(IT化)されていない定型業務を自動化するためのRPA(Robotic Process Automation)ツールを提供します。RPAにより、既存の定型業務を自動化し、短期間で導入効果を出すことで、製造現場の効率化と高付加価値業務へのパワーシフトが可能になる。

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