組み込み機器関連のソフトウェア製品の開発、販売、サポートなどを行う株式会社グレープシステムは、米国のEXOSITEと協業し、同社が開発・運用を行うIoTソフトウェアプラットフォーム「MURANO」の日本代理店として販売を開始すると発表した。
グレープシステムは、同協業により従来提供してきた組み込み機器関連のソフトウェアに加え、通信・ネットワーク・データの管理・運用・クラウドサービスまでをワンストップで提供できることが狙いだ。
総務省が公表した「平成28年版 情報通信白書」によると、IoTを利用したデータの収集・蓄積に取り組んでいる企業は51.5%なのに対し、ビジネスモデルとして活用できている企業はわずか13.4%という現状だ。グレープシステムは、この理由は企業がIoTを既存の製品ラインに取り込むことの難しさにあるとし、EXOSITEとの協業により企業がビジネスニーズを満たすコネクティッドプロダクトを簡単かつ短期間で開発ができるようにと、今回協業に踏み切った。
協業相手であるEXOSITEは米国の調査会社Forrester Researchが行なったIoTプラットフォーム分野における主要企業11社に選ばれている。未進出の日本への販売ルートを検討していたところ、IoTクラウドも含めた包括的なサービスの提供について検討していたグレープシステムと協業することで合意し、今回EXOSITEのIoTプラットフォーム「MURANO」を代理店販売するに至ったという。
「MURANO」の主な導入事例は以下のとおりである。
- 油圧システムの監視/故障予知診断
装置内の複雑な有線を無線に置き換えることによってシステムを監視。センサーが圧力や温度などを感知し、データをモバイルに送信する。これにより急なシステムダウンなどの問題もすばやく診断することが可能になる。 - 自転車競技向け測定システム
自転車のスポーク部分にセンサーを取り付けることにより、コース上での選手の動き・スピードなどを測定。収集したデータを大会の準備や練習メニューへ活用することができる。
【関連リンク】
・グレープシステム(GRAPE SYSTEMS)
・EXOSITE
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。