家で野菜を育てるIoT水耕栽培機「foop(フープ)」 ーアドトロンテクノロジー インタビュー

スマートホーム家電はさまざま登場しているが、今は家の中で野菜も育てることができる。

今回、IoT水耕栽培機「foop(フープ)」を開発・製造・販売している、アドトロンテクノロジー株式会社の下記メンバーに話を伺った。(聞き手:IoTNEWS代表 小泉耕二)

・IoT事業開発部 General Manager マーベリック氏
・IoT事業開発部 Assistant General Manager 面川晃徳氏
・IoT事業開発部 Public Relations Manager 宮川びび氏
・IoT事業開発部 Project Coordinator 田中美暎氏

 
-御社について教えてください。

マーベリック: デルタ電子株式会社のメイン事業はAC/DCスイッチング電源で、基本的にはBtoBのビジネスモデルです。本社は台湾で45年ほどの歴史があり、世界的なITメーカーに様々な電源を供給しています。

また、産業自動化製品、再生可能エネルギーソリューション、蓄電システムや、ネットワーク、プロジェクションディスプレイ、LED照明ソリューション、医療機器などから最近では、ビルオートメーションソリューションなども手掛け、全世界で266の事業所を擁し、製品とサービスを提供しております。

現在、私たちが開発・製造・販売しているIoT水耕栽培機「foop」は、社内ベンチャーという立ち位置で100%子会社となるアドトロンテクロノジー株式会社で、BtoCのビジネスモデルとして推進しています。

私たちのミッションは、「Smarter Greener Together」です。

家で野菜を育てるIoT水耕栽培機「foop(フープ)」 ーアドトロンテクノロジー インタビュー
IoT事業開発部 General Manager マーベリック氏

 
-省エネルギー化が進んでいるなかで、電源の性能を上げたり電源の効率をよくしたりすることによって、スマートライフを実現していくということですね。今回、「foop」を開発した背景を教えていただけますか。

マーベリック:「foop」という名称は、「food + people」からきています。「foop」は、2014年に始まり、IoTプラットフォームを作りました。温暖化、食糧不足、農業人口の減少、食の安全性などの多くの課題から、私たち人間と同じ生活環境で野菜を育てられるのではないかという思いから開発に着手しました。

現在、「foop」の販売を開始し、多くの利用者の声や反応から、「foop」は単純に野菜を育てるためのIoTに対応した製品ではなく、「foop」を介して家族や職場などでの新しいコミュニケーションツールとしての役割を果たしていると感じています。

家で野菜を育てるIoT水耕栽培機「foop(フープ)」 ーアドトロンテクノロジー インタビュー
IoT水耕栽培機「foop」

 
-なぜ水耕栽培をやろうと思ったのでしょうか?電力マネジメント会社としては、変わった取り組みをされているという印象を受けました。

マーベリック: 地球は様々な環境問題によって、作物を育てることにもいろいろな問題が出てきています。もし家の中で野菜の栽培ができれば、運送コストの心配も必要なく食べることができるようになり、食料問題の解決に貢献できるのではないかと思います。

 
-食料問題にこだわった理由を教えてください。

マーベリック: 日本にはあまりないかもしれませんが、海外には土壌問題を含めいろいろな問題があります。多く生産しても販売できない作物は捨てられていますし、冷凍するアプローチだと保存や輸送にコストがかかりますし、流通過程で鮮度が低下する問題があります。

 
-「foop」ではどんな野菜が育てられるのでしょうか。

宮川: ペビーリーフ、リーフレタス、クレソン、コリアンダーなどの葉物野菜と、ミント、バジル、オレガノなどのハーブ類など、現在では15種類ほど育てることができます。

家で野菜を育てるIoT水耕栽培機「foop(フープ)」 ーアドトロンテクノロジー インタビュー
IoT事業開発部 Public Relations Manager 宮川びび氏

 
-育て方は簡単なのでしょうか?

宮川: アプリで栽培する野菜を選ぶだけであとは「foop」が栽培をサポートしてくれるので、だれでも簡単に野菜を育てることができます。そして、「foop」をご購入いただくとすぐに栽培を開始することができるスターターキットとして「foop capsule(カプセル)」をプレゼントしています。

家で野菜を育てるIoT水耕栽培機「foop(フープ)」 ーアドトロンテクノロジー インタビュー

家で野菜を育てるIoT水耕栽培機「foop(フープ)」 ーアドトロンテクノロジー インタビュー

一般的な水耕栽培では、スポンジを切り取って水を浸し、ある程度湿らせたものを自分でセットして、好きな種をピンセットで植えるという作業が必要だったのですが、種の位置や水に接する割合によって発芽がうまくいかないことがありました。

このたび販売を開始した「foop capsule」は、すでに種がセットされているので、カプセルの上蓋シールを剥がして「foop」にセットするだけで栽培を開始できます。「foop capsule」は、種の位置や水分と接する割合を的確に調整する仕組みにより、水耕栽培の経験が一切ない方でも発芽の成功率を高めることができます。カプセルの上蓋のQRコードから種の情報や栽培情報にアクセスすることもできます。

 
-「foop」本体の方には、それぞれの野菜の設定は必要なのでしょうか。

面川: 例えば、パセリを育てたいとすると、「foop」専用アプリからBluetoothで「foop」と連携し、育てる野菜をアプリで設定します。野菜によっては発芽期は光を当ててはいけない種もありますし、当てなくてはいけない種もあります。そういう制御が微妙に違うものをひとつのレシピとして定義し、コントロールしています。

アプリのアイコンは20種類以上あり、フォークとナイフはちょうど食べ頃という意味で、葉っぱが伸びているのは発育中、ニコニコやハートマークは気分がいい状態です。「foop」本体のアイコンでも、今の状態を表して楽しんでもらえるような工夫を施しています。

家で野菜を育てるIoT水耕栽培機「foop(フープ)」 ーアドトロンテクノロジー インタビュー

家で野菜を育てるIoT水耕栽培機「foop(フープ)」 ーアドトロンテクノロジー インタビュー
IoT事業開発部 Assistant General Manager 面川晃徳氏

 
-1つの「foop」で、2種類の作物を作ることはできるのでしょうか?

面川: 同じ葉物野菜グループですと可能ですが、慣れてないと間違ってしまうので、最初は1種類で育てることをおすすめします。レタスは20日ほどで収穫できます。例えば、30日ぐらいで育って食べ頃になる野菜グループと、2カ月以上かかるミニトマトを混ぜるのは避けた方がいいです。

 
-温度調節もしてくれるのでしょうか?

面川: 「foop」自体、温度調節は行っていません。野菜も人と同じ温度環境を好むので、人が暑い、寒いと感じた時は「foop」を置いている部屋の換気や温度調節をして欲しいです。

家で野菜を育てるIoT水耕栽培機「foop(フープ)」 ーアドトロンテクノロジー インタビュー

 
-温度調節しなくても年中作ることができるのでしょうか。

面川: 毎日暑くて西日が差すような部屋や、寒い冬はちょっと難しいですが、適温であれば大丈夫です。

また今後、ECHONET Lite(エコーネットライト)に対応した「foop pro(プロ)」というモデルを研究・企業向けに発売予定です。ECHONET Liteは、さまざまな家電、住宅設備などと相互に通信するための共通の通信規格です。ECHONET Liteコントローラを「foop」に搭載することで、ECHONET Lite規格に対応したメーカーの機器の制御を行うことができます。例えば、部屋の温度が暑くなった時に「foop」が気温を感知してエアコンの温度設定を調節することができるようになります。

 
-ひとつの野菜を作るのに20~30日かかって、毎日の食事の中で食べようとすると、「foop」を何台も置く必要がありますね。

面川: 食べるものを作るための装置と考えるのではなく、野菜が成長していく過程を楽しんでもらえばと思います。食べることだけを考えると、「foop」を何台置いても足りないし、「『foop』で野菜を育てるのと、スーパーで購入するのでは、どちらが採算がいいのだろう?」と単純に比較することはちょっと難しいかもしれません。

「foop」は現在アーリーアダプター層に支持されています。SNSやブログにアップしたり、野菜やハーブが育つのを楽しみにしたりする方が買っていることが多いです。お子さんがいる家庭では、「ママ、こんなに大きくなっているよ」などの会話が生まれ、今まで野菜を嫌いだった子が、自分が育てた野菜を食べるという話もありました。

家で野菜を育てるIoT水耕栽培機「foop(フープ)」 ーアドトロンテクノロジー インタビュー

田中: 例えばコリアンダーなど、一気に摘み取ってしまうのではなく、必要な分だけ根本ではなく茎のギリギリにハサミ入れてもらえれば、下からまた生えてきます。野菜の特性をわかっているとうまく毎日食卓で楽しむことができます。

面川: 先日、会社のみんなで焼き肉パーティーをしたときにレタスを摘んで食べました。その時は、1回で全て食べてしまいましたが、新しいコミュニケーションが生まれました。そういう今までにない感動や感覚を感じてもらうのが我々の狙いです。

田中: 最近では食の安全を非常に大事にしている方も増えてきているので、自分で育てたものだからこそ安心して食べることができるというのは新しい価値観です。

家で野菜を育てるIoT水耕栽培機「foop(フープ)」 ーアドトロンテクノロジー インタビュー
IoTNEWS代表:小泉耕二

 
-カプセル型種子キット「foop capsule」の種類は今後増えていくのでしょうか。

面川: 「foop capsule」は、8月22日に公式サイトにて販売を開始しました。販売当初は、ベビーリーフ、いろどりレタス、ルッコラの3種類ですが、今後、どんどん種類を増やしていく予定です。このカプセルは日本メーカーとしては初めてですし、世の中にインパクトを出したいと思っています。

 
-本日はありがとうございました。

家で野菜を育てるIoT水耕栽培機「foop(フープ)」 ーアドトロンテクノロジー インタビュー
IoT事業開発部 General Manager マーベリック氏

【関連リンク】
IoT水耕栽培機「foop」公式サイト:https://foop.cestec.jp/
カプセル型種子キット「foop capsule」ウェブページ