NECは、低消費電力で広域通信を実現する新無線通信技術LPWAの一つであるLoRaWANに準拠したネットワークサーバを製品化し、本年12月より通信事業者向けに提供を開始すると発表した。
同製品は通信事業者の様々なサービス提供形態を想定し、柔軟にマルチテナント・マルチデバイス管理を行える機能を有しており、複数の企業やサービス事業者向けにLoRaWANネットワークサービスの提供が可能。これにより、新たなIoTサービスの創出を加速し、利用者の利便性向上へ寄与するという。
また同製品は、大井電気株式会社を始めとした複数のLoRaWAN対応ゲートウェイとの接続検証を完了しており、それらと組み合わせて通信事業者へ提供。NECは同製品について、今後3年間でグローバルに30社への提供を目指すとしている。
さらに同社は、これまでの通信事業者向けの実績をもとにネットワークサーバだけでなく、センサーデバイスからアプリケーションまでをトータルソリューションとして提供することで、低消費電力が求められるIoTサービスの市場展開の加速を支援していく方針だ。
背景
近年、IoTを活用した新たなサービスの創出・普及に伴い、ネットワークを介して様々なデバイスの制御や情報収集を行いたいというニーズが高まっている。特にスマートシティの実現に向けては、検針メーターや環境センサーなど低消費電力が求められるセンサーデバイスから広く情報を収集する仕組みが求められる。
今後、様々な種類のセンサーデバイスがネットワークにつながることが想定される中、LoRaは低消費電力かつ広範囲でのデータ収集に適したIoT向けの通信技術として、さらなる利用拡大が見込まれている。
製品の特長
1. LoRaWANに準拠し、センサーデバイスの制御が可能
LoRa Allianceにて規格化が進められ、低消費電力かつ広域通信が可能なネットワークプロトコルであるLoRaWANに準拠。LoRaWAN対応ゲートウェイを介して本規格に準拠するセンサーデバイスと接続し、ID管理・データレート制御・チャネル割当てなどが可能。
2. 柔軟なマルチテナント・マルチデバイス管理機能を提供
通信事業者の様々なサービス提供形態を想定し、柔軟なマルチテナント・マルチデバイス管理機能を提供。複数の企業・サービス事業者による同一センサーデバイスの共有や、複数の企業・サービス事業者がそれぞれ保有するセンサーデバイスの制御などが可能。
3. LoRaWANを活用したサービスアプリケーションとの連携が可能なAPIを提供
LoRaWANを活用した様々なサービスアプリケーションとの連携が可能なWebAPIを提供することで、企業・サービス事業者にとって高い接続自由度を実現。センサーデバイスから収集したデータの活用が可能。
【関連リンク】
・日本電気(NEC)
・大井電気(Oi Electric)
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。