新しいNVIDIA Hyperscaleアクセラレータ、ウェブ・データセンタにおける機械学習のスループットを増強

NVIDIAは本日11月11日、エンドツーエンドのハイパースケール・データセンタ・プラットフォームを発表した。ウェブサービス企業が直面する膨大な機械学習の作業負荷を高速化することができる。

NVIDIAハイパースケール・アクセラレータは、現在、ふたつある。人工知能(AI)を活用するアプリケーションが増えているが、ひとつは、そのディープ・ニューラル・ネットワークを研究者がすばやく開発・設計するためのものだ。もうひとつは、低消費電力のアクセラレータで、開発されたネットワークをデータセンタにデプロイするためのものだ。GPUアクセラレーテッド・ライブラリのスイートも用意されている。

これらを組み合わせると、パワフルなTeslaアクセラレーテッド・コンピューティング・プラットフォームを活用し、ハイパースケール・データセンタで機械学習を行い、AIベースの新たなアプリケーションを生みだすことが可能になる。

 

NVIDIAの共同創立者兼CEO、ジェンスン・フアン(Jen-Hsun Huang)は、次のように述べている。「人工知能は、いま、開発競争が激化しています。機械学習が、いま、コンピューティングの世界で注目の的になっていることはまちがいありません。PCのレベルでも、インターネットでも、また、クラウド・コンピューティングの世界でも、です。その結果、一般消費者向けのクラウド・サービスから自動車、ヘルスケアにいたるまで、幅広い産業で変革が次々に起きています。」

「機械学習は、いまの世代にとって一番とも言えるコンピューティング課題です。だから、NVIDIAでは、機械学習を10倍に高速化できるTeslaハイパースケール・アクセラレータ製品ラインを開発しました。データセンタで消費される時間とコストを大きく削減できるはずです。」

 

いま、山のようなウェブ・アプリケーションがAI機能の搭載にしのぎを削っていますが、開発されたハードウェアとソフトウェアは、そのようなアプリケーションを高速化するためのものだ。機械学習が大きく進化した結果、AI手法を活用してスマートなアプリケーションやサービスを生みだせるようになったのだ。

機械学習は、音声認識の精度向上にも使われている。動画や写真に写っている物やシーンを自動的に認識してタグをつけ、後々検索しやすいようにする処理にも使われている。顔の一部が不鮮明であっても、動画や写真から顔認識をすることもできる。個人の趣味や興味に対応できるアプリケーションとし、スケジュールを管理したりニュースを収集したり、さらには、普通の会話という感じで音声コマンドに精度よく対応したりすることもできる。

いずれも魔法のように思えるが、機械学習を使えば実現可能なのだ。もちろん、問題もある。次々に生みだされるディープ・ニューラル・ネットワークの進化と訓練には膨大なスーパーコンピューティング能力が必要だし、そうして生まれたサービスに対し、消費者から寄せられる何十億件ものクエリを瞬間的に処理するにも膨大なスーパーコンピューティング能力が必要となる。それほどの能力をいかにして得るのか――この大きな問題に対する答えが、NVIDIAハイパースケール・アクセラレータだ。この製品ラインを活用すれば、このような作業負荷をすばやく処理することも、データセンタのスループットを劇的に高めることもできる。

 

今回、以下の新製品がNVIDIA Teslaプラットフォームに加わった。
・NVIDIA® Tesla® M40 GPU-ディープ・ニューラル・ネットワークのトレーニング用として開発された最もパワフルなアクセラレータ。
・NVIDIA Tesla M4 GPU-機械学習の推論や、映像のストリーミング、動画の処理などに最適な小型・低消費電力のアクセラレータ。
・NVIDIA Hyperscale Suite-機械学習と動画処理に最適化されたソフトウェアが豊富に用意されたスイート。

 

【NVIDIA Tesla M40 GPUアクセラレータ】

総合的な精度を高めようと膨大な量のデータでディープ・ニューラル・ネットワークのトレーニングを行う場合、NVIDIA Tesla M40 GPUアクセラレータを使えば、何日も、あるいは何週間も所要期間を短縮することができる。主な特長は、以下のとおり。

・機械学習に最適化-トレーニングに要する期間がCPUの1/8程度まで短縮されます(典型的なAlexNetトレーニングが10日から1.2日まで短縮される)。
・信頼性が高く連続稼働が可能-データセンタ環境で高い信頼性が発揮できるように開発・検証されている。
・スケールアウトのパフォーマンス-NVIDIA GPUDirectのサポートにより、マルチノード・ニューラル・ネットワークをすばやくトレーニングすることが可能。

 

【NVIDIA Tesla M4 GPUアクセラレータ】

NVIDIA Tesla M4アクセラレータは、ハイパースケール環境専用の低消費電力GPUで、動画のトランスコーディング、静止画や動画の処理、機械学習の推論など、要求が厳 しく、かつ、急速に成長しているウェブサービス・アプリケーションに最適。主な特長は、以下のとおり。

・高スループット-トランスコーディングやエンハンス、分析などの処理を同時に行えるビデオ・ストリームの本数がCPUの最大で5倍となる。
・低消費電力-Tesla M4の消費電力は50~75ワットで(パワー・プロファイルはユーザが選択可能)、動画や機械学習アルゴリズムの処理におけるエネルギー効率がCPUの最大で10倍に達す。
・小型-ロープロファイルPCIeで、ハイパースケール・データセンタで使われるエンクロージャに搭載することができる。

 

【NVIDIA Hyperscale Suite】

新しいNVIDIA Hyperscale Suiteには、デベロッパ向けのツールとデータセンタ・マネジャー向けのツールが用意されている。ウェブサービスのデプロイメントを念頭に開発されたツールだ。主なツールは以下のとおり。

・cuDNN-AIアプリケーションに使われるディープ・ニューラル・ネットワークの一種、畳み込みニューラル・ネットワーク用として業界で大人気となっているアルゴリズム・ソフトウェア。
・GPUアクセラレーテッドFFmpegマルチメディア・ソフトウェア-人気のFFmpegソフトウェアを使い、動画のトランスコーディングや動画処理を高速化することができる。
・NVIDIA GPU RESTエンジン-画像のダイナミックなリサイズ、検索の高速化、画像分類といった幅広いタスクを処理する高スループット、ローレイテンシのアクセラレーテッド・ウェブサービスを簡単に構築し、デプロイすることができる。
・NVIDIA Image Compute Engine-REST API対応のGPUアクセラレーテッド・サービスで、画像のリサイズをCPUに対して5倍の高速で行える。

 

【Mesosphereがサポート】

Teslaアクセラレーテッド・コンピューティング・プラットフォームは業界で幅広い支持を受けているが、今回、新たに、Mesosphereからも、 NVIDIAと協力してApache MesosとMesosphere DCOS(Datacenter Operating System)でGPUテクノロジをサポートするとの発表があった。今後、ウェブサービス各社にとって、次世代アプリケーションが動かせるアクセラ レーテッド・データセンタを構築し、デプロイすることが容易になるものと思われる。

 

【供給状況】

Tesla M40 GPUアクセラレータとHyperscale Suiteソフトウェアは、年内に発売する予定。Tesla M4 GPUは2016年第1四半期の発売を予定している。

 

【関連リンク】
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