NEC、農業ICTソリューションのグローバル展開を強化

NECは、ICTの活用により農作物の収穫量増加や栽培効率化などを実現する農業ICTソリューションのグローバル展開を強化する。

各種センサや営農環境などのデータをもとにコンピュータ上に仮想圃場を生成し、この仮想圃場での生育シミュレーションを行うことで、営農アドバイスや将来 の収穫量・収穫適期などの予測を行う露地栽培向けソリューション「海外大規模農場分析ソリューション」を新たに開発した。

同ソリューションは、作物の生育レベルと環境条件を踏まえた科学的なモデリングにより、新たな地域・作物においても早期に高精度なシミュレーションを行うことが可能だ。

 

NECは、グローバル展開する食品製造・加工会社や総合商社などと共同で、同ソリューションを活用した実証実験に取り組み、事業化を推進する。

第一弾として、カゴメ株式会社と協業し、カゴメの現地子会社のあるポルトガルのトマト圃場で同ソリューションを活用した実証実験を行った。この結果、圃場間で収穫量の差が生じる原因の分析や圃場ごとの最適な栽培方法の導出が可能、また収穫量や収穫適期を正確に予測可能などの成果が得られた。

 

【ソリューションの特長】

同ソリューションは、圃場に設置した気象・土壌などの各種センサや人工衛星・ドローンなどから得られるデータと、灌漑・施肥などの営農環境から得られるデータをもとにコンピュータ上に仮想圃場を生成し、この仮想圃場での生育シミュレーションからその土地に応じた最適な営農アドバイスや将来の収穫量・収穫適期などの予測を行うものだ。

仮想圃場上での多様なシミュレーションにより、作物の生育状況や気象条件に応じた水・肥料・農薬などの使用量の最適化および収穫量の最大化を実現する。さらには、収穫量・収穫適期の予測を踏まえた集荷作業の効率化、定植時期のコントロールによる加工工場の稼働率の平準化など、食・農におけるバリューチェーン全体の最適化を実現する。

通常、農業の生産現場においては、同じ地域・作物による営農経験やノウハウの蓄積により、長い時間をかけて生産改善を行う手法が一般的だが、同ソリューションではNEC独自のビッグデータ分析技術に加え、農業ICT領域で実績のある先進企業や各種研究機関との連携により、長期間のデータ蓄積を前提とせず、作物の生育レベルと環境条件を踏まえた科学的なモデリングを実現している。

これにより、新たな地域・作物においても早期に高精度なシミュレーションを行うことが可能であり、地球規模で広がる気候変動や食の安全をめぐる社会課題に対し、柔軟に対応するサステイナブルな農業を実現する。

 

【カゴメとの協業に基づく実証】

NECとカゴメは、ICTを活用した加工用トマト栽培技術の開発で協業することに合意した。両社は、2015年3月からカゴメの現地子会社のあるポルトガルのトマト圃場において、同ソリューションを活用した実証実験を行い、以下の成果が得られた。

  1. 圃場における水分・窒素ストレスを空間的に見える化し、圃場間で収穫量の差が生じる原因を分析
  2. 圃場ごとの最適な栽培方法の導出が可能
  3. 収穫の1か月前からでも、収穫量や収穫適期を正確に予測できる

両社は、2015年10月からカゴメの現地子会社のあるオーストラリアにおいて本ソリューションを活用した実証実験を継続している。

世界的な人口増にともなうトマトの需要増に対応するため、カゴメでは新たな農業技術開発による既存産地においての単収(面積あたりの収穫量)アップや、これまで主要産地ではなかった国での新たなトマト産地育成などに取り組んでいる。今回の加工用トマト栽培技術の開発はこうした取り組みの一環だ。

 

NECは、社会ソリューション事業に注力しており、NECが有する分析・予測・制御・解析の各種技術を活用し、農資材から生産・加工・流通までの食・農バリューチェーンの各事業者に対して価値を提供することで、世界規模で急増する食糧需要を満たす生産改革と公正な分配の実現、およびあらゆる場所での安全・安心な食環境の実現に貢献する。

なお、NECは同取り組みを、NECグループが開催する「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2015」(会期:11/12(木)~13(金)、会場:東京国際フォーラム(東京都千代田区))にて紹介する。

NECグループは、「2015中期経営計画」のもと、安全・安心・効率・公平という社会価値を提供する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進している。同社は、先進ICTや知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現していく。

 

【関連リンク】
NEC
カゴメ株式会社

Previous

Nextremer、マルチモーダル対話エンジン”AI-Galleria”を搭載した人工知能対話ロボット「AI-Samurai」開発。リアルな対話を求めてワールドツアーを敢行。

アプリックス、ゲームやアニメの事業などの処分を済ませ、IoTのスタートアップ企業として再出発

Next