電通と日本マイクロソフト、AIを活用したOOH広告ソリューションの提供を開始

株式会社電通と日本マイクロソフト株式会社は、「リアルタイムオーディエンス分析・効果測定」と「視線検知」によるインタラクティブ機能を実装した人工知能型OOH広告(Out Of Home media)の提供を開始すると発表した。

モバイルデバイスのさらなる進化、IoTなどの急速な進展によって、消費者の購買動向が多様化する中、OOH広告においてもその効果をリアルタイムに測定・分析し、新たなマーケティング活動に活用することは広告業界にとっての至上命題となりつつある。

同サービスは、電通が広告ビジネスで培った知見と、多方面での画像認識技術の実績が豊富なマイクロソフトのクラウドベースのAI「Cognitive Services」を掛け合わせることで、通行量計測はもとより、実際に広告を見た人(オーディエンス)の人数や性別などの計測、視線検知によるインタラクティブな広告切り替えなどを可能にするものだ。

これにより、広告主はオーディエンスの属性、動向や反応などを可視化されたデータとして得ることができ、従来はデータ把握が困難であったOOH領域においても、正確かつ効率的なマーケティング戦略を迅速に立案できるようになるという。

同サービス提供開始にあたり、電通はOOH広告に取り組んでいる資生堂ジャパン株式会社の協力を得て、2017年12月11日〜12月24日の間に実証実験を行う。

都営地下鉄六本木駅の1番線・2番線ホームのデジタルサイネージ「六本木ホームビジョン」にメイクアップブランド「MAQuillAGE」の広告を設置するというものだ。

電通と日本マイクロソフトは共同でサービスの拡販を実施し、2018年6月末までに国内5社のOOH広告での採用を目指すとしている。

同サービスで実現できる内容

オーディエンス情報の取得

  • 性別、年齢、感情:オーディエンスの性別、年齢と感情(怒り、軽蔑、嫌悪感、恐怖、喜び、中立、悲しみ、驚き)を自動判別
  • 顔の向き、視線:オーディエンスの顔の向きと視線(デジタルサイネージのどの部分を見ているのか)を判定
  • 通行量:デジタルサイネージ前の通過した人数を認識

オーディエンス情報に基づく広告素材の出し分け

センサーにより取得されたオーディエンスの行動(視線位置・顔の向き)、さまざまな属性情報(年齢、性別、感情など)などにより広告を出し分けする。

オーディエンス情報のレポート提供

電通と日本マイクロソフト、AIを活用したOOH広告ソリューションの提供を開始

Power BIを使ったダッシュボードでオーディエンスに関する各種情報をレポートとして表示する。

広告主は従来、設置場所の特性(東京の場合、原宿だと若者向け広告、表参道だとファッション関係など)を考慮しOOH広告を展開していた。同サービスの登場によって、実際の媒体の前を通るオーディエンス属性に適した広告を掲出できるようになる。

また、効果測定においても従来は、広告を掲出する施設の利用人数・乗降客数や、Webなどでのアンケート情報などデータを利用するのみで、OOH広告におけるリアルなオーディエンスデータは取得できていなかった。

同サービスによって、実際の通行量とオーディエンスの属性を把握し、かつリアルタイムでレポートすることで、重層的な広告投資対効果(ROI)を迅速かつ正確に把握することができるようになるということだ。

実証実験の概要

実施期間

2017年12月11日〜12月24日 ※平日5時〜10時の時間帯は除く

設置駅

都営大江戸線六本木駅 1番線・2番線ホームに設置のデジタルサイネージ「六本木ホームビジョン」

視線検知によるコンテンツの出し分け

同駅のホームに設置されているクラウド型デジタルサイネージ(NEC「情報・コンテンツ配信クラウドサービス」)とデジタルサイネージの画像認識センサーを利用し、オーディエンスの視線に合わせた広告表現の出し分けを実践する。

※同サービスの利用に際しては、総務省公表のカメラ画像利活用ガイドブックver1.0に基づき、基本原則及び利活用の過程(事前告知、取得、取扱い、管理)ごとに対策を実施す。

オーディエンスレポート(効果測定)

マイクロソフトのクラウドプラットフォームMicrosoft Azureにデータを伝送し、Microsoft Azure Cognitive Services Face APIによって、視聴者の属性を計測、さらにはSenseTime Group Limited社が提供するディープラーニングによる画像認識技術により(Microsoft Azure上で稼働)、広告前の交通量を把握する。

【関連リンク】
電通(DENTSU)
マイクロソフト(Microsoft)

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