株式会社HAMOLOと西日本旅客鉄道株式会社(以下、JR西日本)は、安心・安全な街づくりを目指し て、IT技術(Beacon)を活用した「見守り位置検索サービス」の事業化に向けた実証実験を共同で開始することを発表した。
【取り組みの概要】
HAMOLOは2015年4月より、Beaconの技術を活用した見守り位置検索サービス「キンセイ」を開始している。
子育て中の保護者、子供の安全対策を行う必要のある幼稚園や小学校をはじめとした教育機関事業者、また認知症高齢者などの介護を行っている人、およびその介護・福祉施設事業者らの手助けとなるサービス提供を目的として開発された。安全、安心な街づくりを地域の皆、自治体と連携し ながら社会インフラを構築していくことを目標に活動している。
見守り位置検索サービス「キンセイ」は、Beacon基盤が内蔵された小型の専用端末「キンセイ端末」を持った子供や高齢者(以下、「見守り対象者」)と、「キンセイアプリ」をインストールしたスマートフォンを持った人(サポーター)がすれ違うことによって、保護者や介護者等(以下、 「保護者等」)が、見守り対象者の位置情報を確認することができる。
JR西日本グループは、「JR西日本グループ中期経営計画2017」において掲げた「地域共生企業」となることを目指し、線区価値を向上させ、住みたくなる利用しやすい沿線つくりに努め、新たな事業分野への挑戦に取り組んでいる。昨今、子どもの登下校や、認知症高齢者の安全確保が地域社会の大 きな課題であることを受け、駅を中心とした地域ぐるみでの見守りの仕組みを検討している。
HAMOLOとJR西日本が提携し、「キンセイ」サービスの技術とJR西日本の幅広い鉄道ネットワークという強みを活かした「見守り位置検索サービス」の事業化に向けて、実証実験を開始する。
【共同で行う「見守り位置検索サービス」について】
Beaconが搭載された端末を持った見守り対象者の位置情報を、保護者等が、専用アプリをインストールしたスマートフォン等から確認できる仕組み。
今回のサービスは、従来からみられる学校等の施設に設置した機器等で位置情報を受信してお知らせするサービスに、地域ぐるみの共助の考え方による「サポーター」機能も加えた試みだ。
具体的には、見守り対象者が駅や学校等の施設に設置された「定点レシーバー」や、「サポーター」の近くを通過した際に、ビーコンの位置情報が保護者 等に伝わり、専用アプリの画面でその履歴を確認できる。また、「○○駅を通過しました」等の「プッシュ通知」や「メール送信」を確認することや、保護者 等から迷子情報を発信してサポーターに見守り対象者の保護を求めること等も可能となる。
本格展開は、定点レシーバーをJR西日本の京阪神エリアの主要な駅に順次設置していくとともに、自治体や企業の協力で、学校等の施設での設置を検討していく。
また、「サポーター機能」が搭載されたアプリについても、今後導入を検討していく地域において、協力に同意の方々に配信していく。
【現行の「キンセイ」からの改良点】
1. 定点レシーバーと位置情報のプッシュ通知、メール送信の仕組みを開発
これまでは、「サポーター」の近くを通過したキンセイ端末を持った見守り対象者の情報が、保護者等のキンセイアプリの画面で確認できる仕組みだった。
今回、新たに開発した「定点レシーバー」と「サポーター」の双方から位置情報が取得できることとなり、位置情報の取得の確実性、取得頻度共に従来以上のものになることが見込まれる。
また、位置情報をよりリアルタイムに確認できるよう、既存の仕組み(キンセイアプリの画面上での位置確認)に加え、定点レシーバー付近を見守り対象者が通過した際に保護者等へ「プッシュ通知」や「メール送信」を行う仕組みを開発した。
2. キンセイ端末をリニューアル
現在のキンセイ端末からリニューアルを行い、HAMOLOが事業提携を締結した、Estimote製のBeacon基盤を新たに搭載。これにより電波機能の向上や電池残量表示など、様々な機能の追加を行う。
また、現在のキ ンセイ端末よりさらに小型化することも可能となる。
【実証実験の内容および今後の進め方】
既に定点レシーバーやサポーター機能の動作確認は済ませており、今年度中に、自治体や学校、企業等の協力の下、モニターを募って実際に同サービスを利用してもらい、サービスの使い勝手等についての実証実験を開始する。
また、今回の実証実験の結果を検証し、平成28年度中の本格展開を目指して検討を進めていく。
【関連リンク】
・ハモロ(HAMOLO)
・JR西日本
・キンセイ
・エスティモート(Estimote)
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