IDCが発表、2018年はLPWA規格間競争の勝敗が見え始める年に

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【概要】
■セルラー系LPWAやSigfoxと、LoRaWANで市場へのアプローチが大きく異なる
■複数のLPWA規格をハイブリッドに組み合わせるケースが多いため、複数の規格が主流になる可能性が高い。一方で主流になれなかった規格は早い段階で淘汰される
■2018年は、LPWA規格間競争の勝敗が見え始める重要な年となる

IDC Japan株式会社は、国内LPWA(Low Power Wide Area)市場に関する分析結果を発表した。

IoTに特化したシンプルな広域ネットワーク技術であるLPWAの商用提供が始まっている。LPWAは、低コスト、低消費電力など、従来の無線ネットワークでは満たすことが難しかったIoTニーズに対応できる画期的なソリューションとして期待を集めている。

今回の調査では、国内LPWAサプライヤーのターゲット市場が以下の3つに分類され、ターゲット市場によってLPWAサプライヤーの戦略が大きく異なることが分かったという。

  • 全国カバレッジ市場:全国で利用される同種かつ多数のモノ(製品)/サービスに当初から組み込まれるか、そのようなモノに後付けされるIoT広域ネットワークの市場。全国にサービスを展開する大手モバイル通信事業者のLPWA(以下、セルラー系LPWA)やSigfoxの主なターゲット。
  • エリアカバレッジ市場:限定されたエリア内でのLPWA展開ニーズに応え、特定都市の都市インフラや民間の土地/施設用インフラとしてIoTネットワークが展開される市場。LoRaWANの主なターゲット。
  • 草の根市場:上記2つよりも小規模かつ限定的な用途でIoTへの取り組みが行われる市場。スタートアップを含むIoTに関する何らかのアイデアを持つさまざまな企業が、小規模にIoTへの取り組みを開始しIoTネットワークを活用する市場。規格によらない。

LPWAネットワークは、さまざまな場所に導入される。末端の機器(デバイス)から最寄りの無線基地局までのラストワンマイルにどのLPWA規格が適合するかは、エリアやモノ、設置場所の特性によって異なる。

よって、同一案件の中でも、より安価で安定した通信を行うために複数の規格をハイブリッドに組み合わせるケースが多く、複数の規格が主流になる可能性が高いと考えられる。

一方、今後、LPWAデバイスが量産フェーズに入り、デバイスメーカーによる規格の選別が進むことで、比較的早い段階で規格の淘汰が始まるとIDCではみている。

このような規格間競争では、技術的優位性とエコシステム構築が重要となる。現在、市場には多くのLPWA規格が存在する。

この中で、セルラー系LPWAは、カバレッジの広さやこれまでの実績に基づくパートナー企業からの信頼などの点において、一定の優位性が見込まれるが、他にもいくつかの規格が主流になる可能性がある。

2017年までは、LPWAサービスが出揃っていないなど規格間競争を見通すことは難しい状況だったが、2018年は、LPWAサービスがほぼ出揃い、LPWAデバイスの量産が拡大するなど市場の進展が見込まれることから、LPWA規格間競争の勝敗が見え始める重要な年になるとIDCではみている。

多くのIoTプロジェクトでは末端のセンサーから得られるデータをクラウドに送信する「データ取得」が大きな課題の一つとなっている。

低コスト、低消費電力などの優れた特性を持つLPWAは、データ取得のハードルを下げる技術として有望だ。一方で、IoT市場はまだ揺籃期であり、LPWAの利用を増やすには、IoT市場全体の一層の活性化が求められる。

IDC Japan コミュニケーションズ リサーチマネージャーの小野陽子氏は、「IoTに取り組むサプライヤーには、企業のIoTへの関心を高める、LPWAやIoTプラットフォームなどでデータ取得のコストを下げる、水平展開できるソリューション事例を増やすといった、市場に好循環を作り出すための努力が求められる。こうした取り組みによって、LPWAのコスト低減がさらに進み、利用が加速するであろう」と述べている。

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