トイレのIoT、電池・配線レスのスライドラッチ「SWITCHSTRIKE AIR」、シブタニとウイングアーク1stらが試験運用

株式会社シブタニは、ローム株式会社が提供する電池不要・配線不要の無線通信デバイス「EnOcean」を搭載したトイレの施錠・解錠情報を発信するスライドラッチ(トイレの施錠金物の専用受け)「SWITCHSTRIKE AIR(スイッチストライクエアー)」を開発し、ウイングアーク1st株式会社と京都市の協力のもと、元離宮二条城での試験運用を開始したことを本日発表した。

このSWITCHSTRIKE AIRには、トイレの施錠金物として、受け部に無線通信デバイス「EnOcean」が組み込まれており、どんな場所にもドライバー1本で簡単に設置でき、個室トイレの施錠・解錠情報を電池レス・配線レスで無線送信することができるという。

この情報を利用し、トイレ入り口や専用アプリで満空表示することで、利用者の時間短縮(利用効率の向上)や長時間利用の検知、ビッグデータ化による利用状況の解析や清掃の効率化につながる。

トイレのIoT、電池・配線レスのスライドラッチ「SWITCHSTRIKE AIR」、シブタニとウイングアーク1stらが試験運用
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これらにより、シブタニらは、不特定多数の人が訪れる商業施設や観光施設、イベント会場、これから混雑が予想される大規模なスポーツイベントなどで、トイレの利用効率や利便性向上、施設管理の適正化に貢献するとしている。

なお、SWITCHSTRIKE AIRは、すでにサンプル出荷を開始しており、2018年3月末よりメーカー希望小売価格1万5千円/個(税抜)で発売予定だ。

また、2018年2月6日より京都市の協力のもと、京都市中京区にある元離宮二条城の大休憩所トイレでSWITCHSTRIKE AIRの試験運用を開始。管理システムはウイングアーク1stが担当し、多くの観光客が立ち寄るトイレの使用状況をデータ管理・分析し、二次利用に役立てるという。

トイレのIoT、電池・配線レスのスライドラッチ「SWITCHSTRIKE AIR」、シブタニがウイングアーク1stと試験運用

背景

近年、トイレは清潔になり、設備も充実してきていることに加え、スマホなどモバイル機器の普及も相まって、居心地のいい空間に変わっている。それに伴い、1人あたりの個室トイレ利用時間が著しく延びており、トイレを効率よく利用できないといった問題が都市部を中心にいろいろなところで発生しているという。

この問題に対し、ソーラーパネルと磁気センサを使った製品をトイレ扉につけ、利用情報を共有し、利用効率を改善することが考えられてきたが、発電量や個室の形態に対して汎用性に乏しく、適用の難しい場所があった。

そこで、シブタニはトイレ金物をIoT化することを考案。ロームが提供する無線通信デバイス「EnOcean」を組み込んだスライドラッチ「SWITCHSTRIKE AIR」と、ウイングアーク1stが提供する管理システムにより、日本のトイレが抱える問題解決に貢献するとした。

導入事例:元離宮二条城 大休憩所内トイレ

トイレのIoT、電池・配線レスのスライドラッチ「SWITCHSTRIKE AIR」、シブタニがウイングアーク1stと試験運用

元離宮二条城で試験運用を開始するのはネットワーク型で、遠隔で施解錠状態を確認できる。そうすることで、混雑時を避けた清掃計画や備品補充、長時間利用による安否確認や犯罪防止に役立つという。

SWITCHSTRIKE AIR(スイッチストライクエアー)の特長

1.施錠・解錠時に発信するスライドラッチ

既存製品で扉に磁気センサを設置する場合、常閉仕様の個室トイレに対応できない。また、人感センサや温度センサを利用した製品では、正確な利用状態を得ることが難しい。

一方、同製品はストライク(スライドラッチのメカ部)に発信機能があり、施錠・解錠時に情報を飛ばすことができるため、どんな個室トイレにも対応可能だという。

2. 電池不要・配線不要で簡単取り付け

既存製品でソーラーパネル仕様の場合、消灯されていることが多い省エネトイレでは発電量が足りず、センサが動かなくなる心配がある。

しかし、同製品は施錠・解錠する一瞬の動きで発電できるため、電池と配線工事の必要がなく、どんな場所にもドライバー1本で簡単に取り付けることが可能だという。

3. 用途に応じてシステムカスタマイズ可能

SWITCHSTRIKE AIRの活用イメージは、大きく独立型とネットワーク型に分かれる。独立型の場合、高速道路などでよく見られる満空表示などの看板に情報を出力することで、シンプルに利便性アップを図る。

ネットワーク型であれば、離れた場所からインターネットを介してパソコンやアプリ上で満空表示を見ることに加え、トイレの施錠時間、利用状況なども確認することが可能。

ソフトウェアサードパーティーと専用システムを構築することが必要だが、情報をビッグデータ化し、さまざまな形で利用することができる。

トイレのIoT、電池・配線レスのスライドラッチ「SWITCHSTRIKE AIR」、シブタニがウイングアーク1stと試験運用

SWITCHSTRIKE AIRの製品仕様

  • 製品名:電池レス無線通信ストライク「SWITCHSTRIKE AIR スイッチストライクエアー」 LB-630E
  • サイズ:W100×H32×D24.5
  • 通信距離:30m以下 ※使用環境により異なる
  • 無線周波数:日本向け ARIB STD-T108準拠(928.35MHz)
  • 使用環境:屋内専用 ※結露環境での使用不可、木製建具に限る、電子部品内蔵の為、水をかけるなどは不可
  • 使用温度範囲:-10~50
  • 保存温度範囲:-20~60
  • 使用湿度範囲:0%~93%RH以下 ※結露氷結無き事
  • 耐久回数:20万回合格

【関連リンク】
シブタニ(SHIBUTANI)
ローム(ROHM)
ウイングアーク1st(WingArc1st)

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