ルネサス、車載用スマートカメラ向けSoCの第二弾、レベル3、4の自動運転システムの実用化に向け「R-Car V3H」を発表

ルネサス エレクトロニクス株式会社は、レベル3、4の自動運転システム向けに、スマートカメラ用SoC(System on Chip)「R-Car V3H」を発表した。同製品は、同社が2017年4月に発表したNCAP用スマートカメラに最適な「R-Car V3M」の上位機種だ。

NCAP(New Car Assessment Program):世界各国で行われている自動車の安全性を評価するテストであり、最近はADAS、特に自動ブレーキのアセスメントテストが盛り込まれている。

レベル3、4の自動運転システムでは高度なセンシング処理が求められている。例えば、自動運転を実現するには3次元の空間の中において自車と不特定多数の障害物の位置関係を把握しつつ、さらに障害物が何であるかを認識しなければならない。

この実現には、AIを取り入れたコンピュータビジョン処理が期待されており、今回のR-Car V3Hは低消費電力技術により、0.3W(同社実測値)でAI処理を実現している。

さらに、コンピュータビジョン処理を強力に高速化するその他の専用エンジンも搭載し、自動運転システムの実用化に向けたスマートカメラソリューションとして提供するとした。

R-Car V3Hは、2018年9月よりサンプル出荷を開始し、2019年後半より量産を開始する予定だ。

今回、R-Car V3HはAI処理を実現するために専用のCNN(Convolution neural network)エンジンを搭載している。

この他にも、ステレオカメラを用いて距離の計測を実現するステレオディスパリティや、低速あるいは高速で運動している物体についても正確なフロー追従が可能となる高密度オプティカルフロー、ある領域内の物体の高速検出を可能とするオブジェクト分類専用のエンジンを搭載している。

R-Car V3Hには、ルネサス独自の画像認識エンジン「IMP-X5」を進化させた「IMP-X5-V3H」も搭載しており、これら専用エンジンと組みわせることで高度なコンピュータビジョン処理が実現可能だという。

また、R-Car V3Mと同様、画像の絵づくりや認識処理向けにセンサ信号の変換処理を行うISP(Image Signal Processor:画像センサ信号処理エンジン)を搭載しているため、シンプルな車載カメラとの組み合わせで使用可能だ。

ルネサスのR-Carは、ヘテロジニアス・マルチコアの特長を活かしたSoCであり、R-Car V3Hにおいても適材適所の仕事を各エンジン(IP:Intellectual Property)にさせることにより、高度なコンピュータビジョン処理を実現しながら、量産車に搭載可能な低消費電力も実現するため、実用化が目前に迫るレベル3、4の自動運転システム向け車載スマートカメラに最適だとした。

さらにR-Carシリーズは、スケーラビリティを確保しており、R-Car V3Mを使用したNCAPシステムから、R-Car V3Hを使用したレベル3、4の車載カメラシステムまで共通したプラットフォームとして開発可能のため、開発期間の短縮やシステムコストの低減が可能だという。

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