DNP、スマートフォンで鍵の開閉ができるデジタルキーのプラットフォームを開発

大日本印刷株式会社(以下、DNP)は、自動車や家、宅配ロッカーなどの各種シェアリングサービスやIoT機器の利用者認証用デバイス向けに、実際の鍵の代わりにスマートフォン(スマホ)アプリで電子鍵(デジタルキー)を提供し、鍵の開閉を行えるサービスのプラットフォームを開発した。

同プラットフォームは、デジタルキーの生成と開錠・施錠のための電子証明書を、対象となる自動車や家、ロッカー等のドアとスマホに発行するためのクラウドサービスとアプリ開発キットを提供し、デジタルキーの安全な運用につなげる。

同プラットフォームの利用によって、シェアリングサービス事業者は、スマホを用いたデジタルキーの開発・運用管理の負荷を軽減でき、サービスの導入が容易になるとした。

開発の背景

近年、モノや空間、サービスなどを多くの人と共有したり貸し借りしたりする“シェアリングエコノミー”が広がっており、その市場は全世界で2025年に3350億ドル規模に成長すると言われている(総務省 平成27年版情報通信白書)。

自動車や自転車、住宅のシェアのほか、モノのレンタル、家事や介護等のスキルのシェアリング、クラウドファンディングなど、多くのサービスが提供されているなか、生活者の利便性と安全性の向上の観点から、自動車や家等の鍵の開閉をスマホで行えるデジタルキーのニーズが高まっている。

デジタルキーの運用に当たっては、各種機器やスマホがインターネットにつながることから、サイバー攻撃への対応など、よりセキュアなサービス環境が求められている。

今回DNPは、ICカード関連事業やソフトウエア開発等で培った技術・ノウハウを活かし、スマホ上でよりセキュアにデジタルキーサービスを利用できるプラットフォームを開発し、さまざまな業界のシェアリングサービスに提供していくとした。

プラットフォームの特長

1. 公開鍵暗号方式を採用

インターネットの通信セキュリティなどで広く使用されている公開鍵暗号方式をデジタルキーに採用した。

共通鍵暗号方式では、秘密鍵を発行しネットワーク経由で送付することから、管理コスト増加や鍵情報の漏洩のリスクがある。

一方、公開鍵暗号方式では、電子証明書を用いて正当な利用者を認証し、ドアの開錠・施錠を行う。

このため、高度なセキュリティを保ちつつ、管理コストやリスクを低減することが可能だという。

2. パブリック認証局との連携

電子証明書の認証局が偽の証明書を発行するといった不正を防止するため、電子証明書の発行主体は、WebTrust等の厳しい監査基準を満たした信頼できる認証局事業者であることが求められる。

同プラットフォームは、中立的な立場で、幅広い利用者にデジタルキー用の電子証明書の発行や失効の管理を行うパブリック認証局と連携している。

3. 多様なサービスに利用できる汎用性の高さ

デジタルキーと電子証明書の発行に関わる基本機能として、スマホ用アプリに各種サービスと一緒に組み込まれることを想定している。

同プラットフォームをカスタマイズすることで、車や家、ロッカー等の各種シェアサービス用のデジタルキーに加え、オフィスや工場などのIoT機器の動作解除など、さまざまな用途に利用できるという。

4. 利用事例

デジタルキーの発行ごとに課金する、以下のようなサービスでの利用が可能だ。

  • 自動車や民泊などのシェアリングサービス利用や不動産の内見の際に一時的なデジタルキーを発行する
  • 車のトランクやコンビニの宅配ボックスに荷物を届ける際、一時的なデジタルキーを宅配事業者へ発行する
  • 一定数以上のデジタルキーを発行する(自動車や住宅等の所有者にデジタルキーを再発行する場合に、3本目まで無料、4本目から課金するといった使い方が可能)
  • また、DNPが提供する多様な決済手段やポイントサービスなどが利用できる「DNPマルチペイメントサービス」と組み合わせることで、デジタルキーと決済のサービスを連動することも可能

【関連リンク】
大日本印刷(DNP)

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