東芝、自動運転システム向け長距離LiDARの回路技術を開発

東芝は、レーザの照射により、離れた物体までの距離情報を3D画像として得る技術「LiDAR」において、200mの長距離測定性能と高解像を実現する、車載用LiDAR向けの計測回路技術を開発した。

東芝は、同技術により、従来の車載用LiDARと比較して測定可能距離が2倍になり、高速道路走行中の車両または障害物の早期検知および市街地走行中における歩行者の見落とし低減につながり、より安全で高度な自動運転システムの実現に貢献するとした。

また今後、さらなる測定距離の延伸および精度向上等についての研究開発を進め、2020年度までに実用化技術の確立を目指すとした。

東芝、自動運転システム向け長距離LiDARの回路技術を開発
開発した長距離LiDARで取得した画像イメージ

LiDARは、自動運転に必要となる車の周辺環境を3D画像として把握できるため、高度な自動運転システムの実現に重要だと言われている。同社は今回、200mまでの長距離を測定できる独自のハイブリッド回路と、小さな物体も検知可能な高解像測距技術を開発した。

長距離を測定するには、強い太陽光の存在下で、遠方からの微弱なレーザの反射光を検知する必要がある。これにはADC回路(A/D変換器:アナログ信号をデジタル信号に変換する回路)を用いた、太陽光などの雑音を小さくするための平均化処理が有効だ。

しかしADC回路では、駐車アシスト時などの短距離を高精度に測定する場合に必要な高速処理が難しいという問題があった。さらに、従来の平均化処理では、複数の異なる物体からレーザ光が反射してくる場合、解像度が劣化してしまい小さな物体を検知できずに見落とすという課題があったという。

東芝は、短距離用の回路と、長距離用のADC回路の2つで構成する独自のハイブリッド回路を開発することで、ADC回路に要求される処理速度を緩和し、長距離測定を可能にした。

さらに、各レーザが反射した物体が同じ物かどうかを判別し、同じ物体のみを選択して平均化処理を行うことにより、小さな物体を検知できる高解像測距技術を開発し、課題を解決したという。

また、このADC回路は独自構造を採用することで、小型で低消費電力な回路を実現。同技術を適用することにより、従来に比べて高性能かつコンパクトなLiDARシステムの構築が可能になるということだ。

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東芝(TOSHIBA)

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