ISID、マルチロボットプラットフォームの開発プロジェクトを立ち上げ

株式会社電通国際情報サービス(以下、ISID)は、駅・空港ターミナルなどの公共施設や商業施設等におけるサービスロボット活用の早期実現を目指し、多種多様なロボットを一元的に制御し異なるロボット同士の連携を可能とする「マルチロボットプラットフォーム」の開発プロジェクトを立ち上げた。

これに先立ち、ISID ではすでに、ロボット開発のデファクトスタンダードになりつつある ROS(Robot Operating System※1)を用いて、複数機種のロボットを一つのインターフェースで同時に制御し、ロボットの情報を他のデバイスに連携する機能を備えたマルチロボットプラットフォームのプロトタイプ開発と実機による稼働検証を実施。

同プロジェクトを通じて、マルチロボットの制御に必要な技術的要素と解決すべき課題を洗い出し、サービスロボット活用を目指す公共施設等の運営事業者や、ロボット開発に携わる先進テクノロジー企業、研究・教育機関などと広く連携しながら、段階的にプラットフォームの機能拡張と実証検証を進めていくとした。

※1 ROS(Robot Operating System):ロボット用アプリケーションの作成を支援するオープンソースのライブラリとツール群

背景とねらい

近年のロボット技術の進展は目覚ましく、国内ロボット市場は急速に拡大しつつある。

政府はロボット産業を将来日本の基幹産業の一つに成長させるべく取り組みを進めており、2017 年 3 月公表の「ロボット社会実装プロジェクト 2020年に向けたアクションプラン」では、2020 年には公共空間のいたるところで、ロボットが常時サービスを提供する姿を世界に発信していくことが掲げられている(※2)。

※2 出典:経済産業省「ロボット社会実装プロジェクト 2020 年に向けたアクションプラン」(2017 年 3 月 31 日公表) 記載の内容を ISID が加工・要約

現在、サービス分野のロボット開発は、その多くがそれぞれ単一の目的に対する機能開発を前提に進められている。しかし今後の普及期においては、異なる目的のために開発された多種多様なロボットが、同じエリアで同時に稼働することが想定され、それを前提とした機能開発や環境整備が不可欠になると予想される。

サービスロボットの活用を検討する事業者にとっては、複数ロボットの統合管理による導入効果の最大化や運用効率化等の利点に加え、将来的に異なるロボット同士の自律的な連携が実現されれば、より快適で付加価値の高いサービスの創出が可能となる。

ISID は、2016 年に開始した中期経営計画の戦略領域として、ビッグデータ・人工知能(AI)・ロボティクス等の先進テクノロジーを活用した新規ビジネス創出を加速させている。

ロボット分野では、羽田空港におけるロボットの技術検証と導入を目指すロボット実験プロジェクト「Haneda Robotics Lab」(※3)に運営事務局として参画し、複数機種のロボットを同一エリアで円滑に稼働させるための専用ネットワークインフラ構想を支援してきた。

※3 Haneda Robotics Lab:羽田空港を管理・運営する日本空港ビルデング株式会社が“オール羽田”の取り組みとして 2016 年に設置した公募型のロボット実験プロジェクトで、羽田空港におけるロボット製品(プロトタイプ含む)の技術検証と将来的な導入を目指す。これまでに第 1 期(2016 年 11 月~2017 年 1 月)・第 2 期(2017 年 11 月~2018 年 2 月)のべ 24 事業者のロボットが実験に参加。

また本年 3 月には、品川港南エリアで宅配ロボットと遠隔コミュニケーションデバイスを用いた物品配送の実証実験を行うなど、ロボット技術の社会実装に向けた研究開発を進めている。

同プロジェクトでは、これらの知見を生かし、サービスロボットの本格活用を早期に実現するプラットフォームの構築に取り組んでいくとした。

プロトタイプを用いた実機による検証について

プロジェクト発足に先立ち、ISID はマルチロボットプラットフォームのプロトタイプを開発し、これを用いて、Haneda Robotics Labのロボット専用ネットワークと清掃ロボット、自律走行ロボット、タブレットPC、ヘッドマウントディスプレイ、スマートスピーカー等を接続し稼働実証実験を行った。

この結果、①各ロボットの動作を一元的に制御・管理できること ②ロボットの稼働状況(走行履歴など)を取得し、複数デバイス上でリアルタイムに表示・可視化できること ③一つの指示で複数機種のロボットを同時に制御できること などが実証され、通信インフラとの接続、セキュリティ、耐障害性、稼働結果の可視化と制御のためのユーザーインターフェースの重要性などの観点で、数多くの知見を得るとともに解決すべき課題も抽出したという。

同プロジェクトでは、これを踏まえて STEP3に向けた検討を開始しており、今後は様々な企業や研究・教育機関、施設運用事業等とのオープンイノベーションにより研究開発を加速させていく考えだ。

【関連リンク】
電通国際情報サービス(ISID)

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