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日立、産業機械の修理作業を自動提案するAI技術を開発

株式会社日立製作所(以下、日立)は、AIなどの先進デジタル技術を活用し、さまざまな産業機械の最適な修理作業を自動提案するシステムを開発。今後の製品化に向けて、空気圧縮機の製造・販売を手がける米国子会社Sullair, LLC(以下、サルエアー社)と共同で実証試験を開始する。

具体的には、サルエアー社の自社工場や同社ユーザーの空気圧縮機向けに同システムを適用し、性能検証と関連するアプリケーションの開発を進める。

今後日立は、サルエアー社に加え、さまざまなパートナー企業とも共同実証を行い、同システムを早期に実用化するとともに、同システムをコアにした、幅広い産業機械メーカーの修理サービスビジネスをトータルでサポートする「メンテナンス&リペアサービス」を立ち上げる予定だ。

また、サルエアー社が提供する空気圧縮機の遠隔モニタリングサービスから収集したリアルタイムの機械の状態データと同システムを連携させ、故障の予兆を捉えるシステムの開発も行う。追加機能として、メーカーの予防保全を支援するサービスを提供することも計画しているという。

近年、工場・物流施設や建設現場における産業機械は、サプライチェーンの複雑化やグローバル化、現場のオートメーション化が進展する中、故障発生によるダウンタイム(運転停止時間)を極力低減するニーズが高まっている。

また、熟練技術者が減少しており、デジタル技術を活用した製品の修理サービスの最適化・高度化が求められている。

しかし、これまでの産業機械の修理サービスは、故障発生時にユーザーから連絡を受けたメーカーのサービス員が現場に出向き、その状態を確認した上で修理すべき箇所や方法を検討・判断するという対応が一般的であるため、復旧まで時間を要するという課題があった。

そこで、日立グループが長年にわたり空気圧縮機をはじめとした幅広い産業機械のメンテナンスを手がけてきた豊富な実績・ノウハウと、先進のデジタル技術を組み合わせて、今回、同システムを開発。

同システムは、産業機械の不具合事象とその際の機械の状態に関するデータや、稼動履歴データ、部品や消耗品の交換といった対処内容とその結果などの修理履歴データ、アセット情報をもとに、AI技術と複数のアルゴリズムを組み合わせた独自の分析モデルを用いて、完治率の高い最適な修理箇所・方法などを自動で提案する。

例えば、空気圧縮機が温度上昇により停止した場合、パネルに表示された故障時の状態や機械の運転時間などの情報をユーザーが同システムに入力することで、ユーザーとメーカーに対して、最も可能性の高い不具合箇所を表示するとともに、最適な修理対応手順が自動提案される。

また、AI技術を活用していることから、蓄積される機械の故障情報や修理内容、その対処結果などの相関関係を継続的に学習し、提案精度を高めていくことが可能だという。

同システムを導入することにより、産業機械メーカーは、IoT機器が搭載されておらず遠隔監視ができない既設の機器においても、自社のサービス員が現場に出向く前に、同システムによる提案内容を元に修理作業の事前準備・段取りを行い、後戻り作業を抑制できる。

その結果、メーカーは、修理サービスのオペレーション効率化とサービスの品質向上の両立を実現し、保守サービス事業の強化を図ることが可能。また、ユーザーも、機械の故障発生によるダウンタイムを低減でき、事業機会の損失を抑えることができるという。

【関連リンク】
日立(HITACHI)
サルエアー(Sullair)

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