特集「DX KEYWORD TEST」では、DXで必須となるキーワードに関するテストを実施。
さらに、4枚の図を使って、サクッと解説します。今回のキーワードは「5G」。全問正解目指してがんばってください!
解説編
ここからは、DX KEYWORD TESTの設問を図解していきます。
全部読んだら、再度問題にチャレンジしましょう!
5G通信って何がすごいの?
5Gは、5th Generation、つまり第五世代のモバイル通信システムということなのですが、皆さんが最近までよく使っていたモバイル通信は4Gでした。
5Gというくらいだから、1Gから5Gまであるわけですが、どんな変遷があったのでしょうか?

まず、1G、2Gでは、音声での通話がメインでした。そして、3Gになり「iモード」を皮切りにモバイルイターネットの時代が到来。ケータイでインターネットメールができる時代となりました。
3Gでは、テキストだけでなく、画像や着うたと呼ばれる音源も流通するようになりました。
そして、4Gになり、2008年頃からスマートフォンが日本にも上陸。動画配信サービスなども一般化してきました。
では、5Gではどうなるのでしょう?
5Gは、「高速・大容量」「低遅延」「同時多接続」という特徴があり、映画のような大容量データが数秒でダウンロードできるようになるなど言われていましたが、皆さんの肌感覚としては4Gで十分だと思うのではないでしょうか。
実際は5Gになっても、あまり早くなったという体感がない人も多いのではないでしょうか。
なぜ、早くならないのかは、後で少し触れます。
スマートフォンの表現力を考えると4Gくらいで十分と思うのも当然ですが、社会全体がデジタル化する中、自動運転技術や遠隔医療の技術などが登場し、そういった技術を支える通信として5Gは期待されています。
遠隔手術をしていて、通信が遅いから切り過ぎた、なんて、笑い話にもならないですよね。
現在2030年に向けて6Gの検討が始まっているのですが、そこでは、産業や社会インフラに高速通信が使われることで、我々の生活がガラリとかわることが期待されています。
5Gで何ができるの?
先ほど、5Gの3つの特徴について簡単に説明しましたが、具体的にどういうことができるようになるのでしょう。

高速・大容量
高速・大容量通信ができるようになると、例えば監視カメラなどで撮影された映像も、高解像度な映像を送受信できます。
その結果、これまでのデータ通信では人が写っているということくらいしかわからなかったのですが、たくさんの人がいても、顔や行動を認識することができるようになります。
つまり、より大量のデータから様々なことを特定することが可能になるのです。
低遅延
低遅延というのは、何かが起きた時点から情報が伝達されるまでの時間が短いことを言います。言い換えれば、リアルタイムに近いという風に言うことができます。
低遅延が重要なのは、遠く離れていてもリアルタイムに制御したいことがあるシーンとなります。
具体的には、自動運転のクルマを周囲の様々な状況とリンクして制御することや、前述した遠隔医療などのシーンが考えられます。
ただ、無線通信は有線と比較すると、どうしても切れる可能性があるので、遠隔手術に関しては、有線通信での対応も同時に検討する必要があると思います。
同時多接続
これまでは、1平方キロメートルあたりの同時接続数は、4Gの場合、「10万デバイス」であったのに対して、「100万デバイス」と10倍にもなると言われています。
あらゆるものがインターネットに接続し始めていますが、これを実現するには同時多接続という特徴が欠かせません。
通信キャリアの提供する5G通信の課題と、ローカル5G
5Gではすごい性能が実現されるのだなと思うかもしれませんが、実際に5G対応スマートフォンを持っていても、常にみなさんのスマホでは、5Gの表示がされませんよね。
これは、基地局が十分に設置されていないということもあるのですが、高速通信を実現する「電波の直進性」が課題なのです。

比較的遅い通信では、ビル街を曲がりながら通信できたり、ビルの窓を透過して通信することができるのですが、5Gのような高速通信の電波はこういうことが苦手なのです。
現在、ビルの壁に電波を反射させる壁や、窓ガラスに貼ることで外からくる電波を部屋の中に中継するような装置が開発されてきていて、徐々にこの状況は改善されると思われます。
一方で、工場などの私有地では、通信キャリアの電波に期待せず、自分で5Gの通信網を設置することができます。これがローカル5Gです。
5G通信には、ドコモやKDDIのような通信キャリアが実現する5G通信と、私有地内で独自に5Gの通信設備を設置して高速大容量低遅延通信を実現する、ローカル5G通信があります。
自分で5Gの通信網を作るので、ちゃんと通信ができるのかなどについても自分で確認しないといけない、そもそも認可を取得しなければらないなど、手間がかかるのですが、自由に通信環境を作ることができると言うメリットがあり、現在工場などを中心に実証実験が進んでいます。
2030年にやってくる、「6G通信」への期待

まだ5G通信が始まって間もないのに、6Gの話題が出てきています。
この背景には、産業分野での高速通信への期待値の高まりがあります。
個人のスマートフォンではなく、社会インフラや、様々な産業で通信を行うには、上の図のような特徴が必要となります。
こういった技術が実現されるようになって、ようやく我々の生活は大きく変わったと感じるようになるのかもしれません。
5Gは過渡期であるとも言えます。徐々に環境が整い、2030年くらいに向かって徐々に我々の生活も変わっていくこととなるでしょう。
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現在、デジタルをビジネスに取り込むことで生まれる価値について研究中。特にロジスティクスに興味あり。IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。