サイエンスアーツは4月10日、同社のライブコミュニケーションプラットフォーム「Buddycom(バディコム)」を搭載したタクシー配車システムを、東京無線協同組合(東京無線)が、3537台のタクシー全車両に導入したと発表した。
「Buddycom」は、デスクレスワーカーをつなげるライブコミュニケーションプラットフォーム。インターネット通信網(4G、5G、Wi-Fi)を利用し、スマートフォンやタブレットにアプリをインストールすることで、トランシーバーや無線機のように複数の人と同時にコミュニケーションが行える。
サービスでは、音声、テキストチャット、動画、位置情報に加え、AI(人工知能)を利用したデジタルアシスタントでやり取りが可能。航空、鉄道、建設、福祉施設、流通など業種のコミュニケーション手段として利用されている。
東京無線の導入では、デンソーテンのタクシー配車システムにBuddycomを組み込み、従来のタクシー無線と同様の機能を実現。システムを搭載したタブレットを使い、スピーカーマイクの通話ボタンを押すことで、デジタル無線機の操作方法を大きく変えることなく発話ができる。
東京無線では、これまで配車センターとタクシー車両が、デジタル無線機を使用し、東京スカイツリーと田無タワーに設置されているアンテナを経由して通信を行っていた。そのため、高いビルに阻まれると音声が届かなかったり、ノイズが入ったりすることも多く、電波の不感地帯が発生。高層ビルが次々と建設されていく東京で運用を続けるにはデジタル無線機では限界があった。
同社では、システムを導入したことで、携帯電話通信網を使用するため、携帯電波が届く範囲であれば地下でも通信が可能になったほか、デジタル無線機と比べ音声が非常にクリアになり、通信内容が格段に聞き取りやすくなった、1対1での通信やグループ別の通信など、より柔軟な呼びかけができるようになり、情報連携の幅が広がるという効果を得たという。
特に、今まで不可能だった地下やトンネルの中でも、全国で通信が可能になり、地下駐車場などで利用者が乗車時も、Buddycomによって配車センターとつながるため、乗務員が安心して働けるようになったとしている。
サイエンスアーツでは今後も、デンソーテン製タクシー配車システムの販売会社のデンソーソリューションと協力し、タクシー無線、IP無線、MCA無線に課題を抱えているタクシー業界へ提案を進めていくという。
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