パナソニック株式会社が開発した高速電力線通信技術「HD-PLC」(※1)が、台湾電力の次世代スマートメータで用いる通信方式に採用が決定した。
台湾電力は、2017年6月に通信方式に関わる技術の提案募集を開始し、同年9月に台北市内で最新の無線技術や電力線通信技術の実証試験を実施している。スマートメータは、データ収集の頻度を高め、電力需給に応じた細かい制御を行うため、より安定した通信性能が求められている。台湾電力は、2018年12月より、台湾の主要都市約26万世帯へスマートメータの導入を進める予定。
パナソニックの「HD-PLC」技術は、国際標準規格IEEE 1901(※2)に準拠しており、また、中継機能であるマルチホップ技術はITU-T G.9905に対応しているため、長距離で数メガ bpsの通信を行うことが可能。
この「HD-PLC」をパナソニックは台湾電力の次世代スマートメータで用いる通信方式に提案。実証試験では、道路に設置された中高圧の変圧器からビル地下のメータまで電力線で通信できることが確認され、テスト期間で100%のデータ収集率を達成し合格の認定を得たという。
<台湾電力での実証実験の概要>
・各々のスマートメータから電力会社のデータ収集センターまでの通信性能を評価するため、15分間隔でデータ収集率99%の性能が必要
・スマートメータの設置条件は、戸建て住宅の軒先に設置されるパターンや、商業ビルやマンションなどの地下室に全戸のメータが設置されるパターンなど様々な状況下での評価を実施
※1 HD-PLC:パナソニックが提唱する高速電力線通信方式の名称。PLCはPower Line Communicationの略称。
※2 米国電気電子学会(IEEE:Institute of Electrical and Electronics Engineers)傘下の通信規格に関する標準化委員会
【関連リンク】
・台湾電力(Taiwan Power)
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