ソニーネットワークコミュニケーションズがスマートホームの新サービス提供を発表した。名称は「MANOMA(マノマ)」。そのサービスコンセプトは3つある。昨今必要度の高まってきているとされる「セキュリティ」、生活の快適度を上げるのに必要な「オートメーション」、そしてさらに新しいライフスタイルにまで踏み込む「ニューライフスタイル」。これらを駆使して新しいスマートホームの形を提案するという。
空間、時間、行間。3つの「間」を繋げるMANOMA
MANOMAとは「人の過ごす空間を快適に」「人の過ごす時間を豊かに」そして「人の行動の行間を読んで新しい気付きを与える」という3つの「間」を繋ぐことをコンセプトにしていると、ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社 執行役員 渡辺氏が説明した。
この3つの間を繋ぐために必要となるサービスコンセプトは「セキュリティ」「オートメーション」「ニューライフスタイル」だという。まず、昨今「安心」の必要度が高まっているため「セキュリティ」。そして「快適度」を向上させるための「オートメーション」。最後に「新しいライフスタイルまで踏み込む」ということから「ニューライフスタイル」これらがコンセプトとなる。
これらを実現する核となるデバイスがAIホームゲートウェイとなる。これは人の居る空間に溶け込んで生活の邪魔にならない、人に寄り添うデザインにしたのだという。
このAIホームゲートウェイは名前の通りゲートウェイ機能を内蔵しており、これを中心としてその他数種類のセンシングデバイスが通信で繋がり、取得したデータで「人がどういう事をしているのか」「どういう風にしたいのか」を感じ取り、理解し、そしてサービス実現に繋げていく。
そして人のアクション(リモコン操作、スマートフォン操作、物理スイッチのオンオフなど)に対して先回りでアクションを起こすのだ。これが「ニューライフスタイル」の実現に繋がり、その結果「人の生活の質を上げる」事につながる。また、これらはまず関連会社であるソニー不動産で取り扱っている物件から提供していくとのことだ。
セキュリティ
一般的に主流となっているドア・窓の開閉センサーや屋外の監視だけでなく、家族の帰宅時にそれを検知し音声通話などの家族内のコミュニケーションに繋げる優しい見守りを提供するとの事。また家族の在宅状況や異常状況を検知し自動でそれらに対応するアクションを行う。これらを一歩先を行くホームセキュリティとした。
室内コミュニケーションカメラはソニー製。プライバシーに考慮し、家族の居る間はカメラレンズのシャッターが物理的に閉じる仕組みだ。対象者が家族かどうかの識別は、家族個人個人の持つスマートフォン等のBluetooth発信デバイスにより特定することで実現している。
窓開閉センサーは日本に多い引き違い窓に対応可能なデバイス1組で構成。コンパクトで省電力。電池残量はスマートフォンアプリでも確認可能という。
ドアロックはソニーのグループ会社であるQrio製「Qrio Lock」を採用。これで自宅玄関をオートロック化。
オートメーション
AIホームゲートウェイにはAmazon Alexaを搭載しており、AlexaスキルとMANOMAが繋がる事で、センシングによる音声サービスの利用も可能。リビングに家族が入った事を検知して自動でBGMを流す。音声による戸締り確認が行えることを例として挙げ、一歩進んだオートメーションをアピールした。
また、家族の不在時には自動的にセキュリティーモードに切り替わり、センシングにより異常を検知した際には、家族の持つスマートフォンに通知が届き、スマートフォン上でリアルタイム映像の確認ができる「カメラを見る」や、セコム株式会社へセコム駆けつけサービスに繋がる「セコムに電話」が選択できる。
なお、この異常を検知する仕組みはセンシングデータを元に判断されるのだが、他社の既存サービスではなくソニー社オリジナルの仕組みを採用しているとのこと。
ニューライフスタイル
家事代行、ハウスクリーニング、ペットシッター、介護、宅配など様々な生活支援事業者とMANOMAが繋がる事で、新しいライフスタイルを提供していくという。
また、前述の通り遠隔でドア開閉やリアルタイムでの室内映像確認が行えるため、家族の不在であってもこれらのサービス利用を可能となり、時間の有効的な使い方にも繋がるとした。
ニューライフスタイルで他製品と差別化
「他社が提供している既存スマートホームサービスでは、セキュリティとオートメーションが主であるが、MANOMAはそこにニューライフスタイルの提供をプラスすることで他社との差別化を図る。」とIoT事業部門スマートホームサービス部 岡村 仁氏が説明。
対象となる顧客は、イノベーター層から一般的なマジョリティー層まで全てのユーザー。
顧客のライフスタイルに合ったコンサルティングとサポートを提供するために「MANOMAホームアドバイザー」による訪問サービスも行うという。
料金体系についても説明された。ライフスタイルに合ったデバイス、料金プランが選択可能。
IoTスマートホーム「AIFLAT」(アイフラット)
ソニー不動産が新たに提供するIoTスマートホーム「AIFLAT」でMANOMAを採用。「AIFLATとは、AIとIoTがフラットに混ざるという意味、またFLATとは住まいやマンションを意味する事から、住まいとIoT、AIがフラットに混じり合いスマートホームの未来へ繋がっていくという願いを込めている。」とソニー不動産株式会社 代表取締役社長 西山 和良氏が説明。
AIFLATシリーズの第一弾は現在西日暮里エリアに建設中のマンションとのこと。
また、ソニー不動産の有する、建物や立地・ロケーション、利便性等の知見とMANOMAを組み合わせる事で、不動産そのものの資産価値向上やサービス付加価値向上にも繋がるとした。
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